'12/6/16
ミナミ通り魔容疑者「生活保護受けたい」
「大阪に仕事がある」「社会に出て生活保護を受けたい」。大阪・ミナミの路上で男女2人が刺殺された通り魔事件で、殺人容疑などで送検された
夫婦によると、礒飛容疑者は8日午後1時ごろに訪ねてきた。「祖母に会いに来ました」。約10年ぶり。どこで何をしていたのかも知らず、祖母が亡くなったことを告げると、がっかりした様子で線香をあげた。
会話の中で暴走族や暴力団との関わり、覚せい剤での逮捕を告白。5月24日に出所後、訪問当日まで滞在していた栃木県内の民間リハビリ施設は「閉じ込められた生活だった」と話したという。
「仕事をしたい」とする一方で「生活保護を受けたい」とも。この日夫は不在で、覚せい剤などの話を聞いた妻は、恐ろしくなり別の親族に相談。「仕事を紹介してほしい」と言われたが「夫が帰るまで待って」とホテルに送り出した。
夜になりうれしそうな声で「知人が大阪で仕事があると言っている」と電話があった。翌朝には姿を見せて荷物を分別し「置いていく分は大阪で家が決まったら、着払いで送ってください」。「貯金を含め5万円しか持っていない」と明かしたため、2万4千円を渡し、JR那須塩原駅まで車で送った。事件が起きたのはその翌日だった。
直接会った妻は、夫に「終始、丁寧な物腰で礼儀正しかった」と印象を語り、事件を知らされると「信じられない。まさかという気持ち」と話したという。