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就任以来約2年間、こちら北京でほとんど話題に上ってこなかった丹羽宇一郎駐中日本国特命全権大使が、いまや日本人社会で「渦中の人」となっている。
周知のように、6月7日付フィナンシャルタイムズのインタビューで、丹羽大使が「石原(東京都)知事の(尖閣諸島購入)計画が実行されれば、日中関係に極めて重大な影響を及ぼすだろう」「過去数十年の努力が水泡に帰するようなことを許すわけにはいかない」などと述べた問題に関してだ。
だが日本での「世論」と異なるのは、こちら北京では、丹羽大使擁護論が大勢を占めているということだ。批判の声はほとんど聞かれず、「丹羽大使よ、よくぞ言ってくれた!」という声が圧倒的なのだ。
駐在員・特派員ともに「今回はよくやった」
先週、中国日本商会の人々の集まりがあった。そこでも話題は丹羽発言問題だったが、出たのは、こんな意見だった。
「日本経済は中国に大きく依存していて、中国との良好な関係が日本の国益だというのは当たり前ではないか。これまでこんな当たり前の意見を、日本大使が発言しなかったことがおかしいくらいだ」
「これまでは、初の民間大使と期待していたのに、丹羽大使は官僚以上に官僚的な一面があった。だが今回の発言だけは"逆転満塁ホームラン"に値する」
「丹羽大使は地方行脚ばかり行くので"黄門様"というニックネームを頂戴していたが、ようやく日本国内に真剣に目を向けて、日中ビジネスの現場に携わるビジネスマンの声を代弁してくれた」
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