福岡市:55歳職員の倫理研修撤回 「実施する理由ない」
毎日新聞 2012年06月20日 01時19分
福岡市は19日、55歳の職員全員を対象にした倫理研修を行う方針を撤回することを決めた。「特定の年齢で実施する理由がない」など、内外からの批判を受けたため。新たに、9月ごろから職員の不祥事情報を電子メールで全職員に共有させ、そのうえで原因などを考える倫理研修を実施していくという。
55歳研修は局長レベルでは実施の方針を固めていたが、高島宗一郎市長が再検討を指示。結局、研修取りやめを決めた。市幹部によると、毎日新聞で評論家の大谷昭宏さんが「55歳をなぜ対象にしたのか分からない」と批判したことや、55歳の職員からも「なぜ自分たちだけが研修を」との声が上がったことなどが原因という。
市幹部は「確かに特定年齢対象に研修をする意味が明確でない。不祥事の具体的事例を紹介することで、全職員が自分のこととして考えてもらいたい」としている。【関東晋慈】