組み換えウイルス:神戸大、文科相の確認なく実験
毎日新聞 2012年06月08日 20時42分(最終更新 06月08日 23時11分)
神戸大大学院医学研究科は8日、法律で義務付けられた文部科学相の確認を受けずに遺伝子組み換えインフルエンザウイルスを作り、実験に使っていたと発表した。文科省から同日、厳重注意を受けた。同大学は「ウイルスの拡散防止措置は取られており、安全性に問題はない」と話している。
遺伝子組み換え生物の使用を規制する「カルタヘナ法」は、作成や実験を行う際は拡散防止措置や文科相の確認が必要と規定している。同大学によると、同法を知らない大学院生が09年4月から実験を始め、指導教官の准教授が同年8月に確認申請した。
昨年12月、外部からの指摘がきっかけで発覚。内部調査の結果、この准教授が08年と09年、インドネシアの研究施設から、同国の法令に違反してインフルエンザウイルスを同大学に持ち帰ったことも判明した。
福田秀樹学長は「社会の信頼を裏切るものであり、深くおわびする。徹底した再発の防止に努める」とコメントした。【内橋寿明】