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トレーニングを重ね、鶴のように舞った …シニア大会初優勝キム・ヨンア
2006年11月20日12時39分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
1羽の鶴が踊るようだった。
あどけないが、表情にはゆとりがあふれており、手や体の動きは優雅だった。演技を終えるやフランスパリのベルーシ氷上競技場をいっぱいに埋めた観衆は一斉に席を立ち、大きな拍手で新「フィギュア女王」の生誕を祝った。
フィギュアスケートの貧土である韓国で生まれ、劣悪な環境を乗り越えて世界のトップまで上がったキム・ヨンア(16、軍浦スリ中)は満面に笑みを浮かべ、手を振って応えた。
「栴檀は双葉より芳ばし」。キム・ヨンアは3月、世界ジュニア選手権で優勝、韓国フィギュアスケート界に新たな道しるべを立て、シニア大会での制覇も予告した。しかしわずか8カ月後、シニア世界大会まで席巻するとは誰も予想しなかった。
◆デイビッド・ウィルソン
ショートプログラム(規制種目)ではずば抜けた実力を発揮したが、芸術性と演技力を争うフリースタイルでいつも点数を減らした。シニア大会に挑戦を宣言したキム・ヨンアは今年の5月、カナダに渡った。そして3カ月間、世界的な振付師デイビッド・ウィルソン氏の指導を受けた。慣れない動きで大変だったが、こちこちだった体は徐々に柔らかくなり、いつのまにか「美しい」演技へと変わっていった。
今回のグランプリ第4回大会ではショートプログラムとフリースケーティングですべてライバルである安藤美姫(日本)やキミー・マイズナー(米国)をおさえて1位を獲得した。
◆「フィギュアの母」パク・ミヒさん
子供の成功にはいつも「母」がいた。パク・ミヒさんはヨンアが7歳のとき、町内のスケート場に連れて行った。ヨンアはすぐ頭角を現した。パクさんはヨンアを小学校3年生のとき、本格的な選手の道に進め、平凡な主婦でありながら「フィギュアの母」に変身する。午前8時からトレーニングが終わる翌日1時まで母娘は一時も離れない。そのように呼吸を合わせて8年。「もうヨンアの表情見ただけで体調が分かる」というパクさんの唯一の休憩は、娘が国際大会に出場するときだ。
◆フィギュア選手として最適条件
161センチに43キロ。あまり大きな身長ではないが足が長い。東洋人の弱点が見つからない。長い足に大きな動作で人目を引く。体の線がきれいだ。生まれつきのフィギュア選手という評価を受ける。小さくてかわいらしい顔、フィギュア選手として最適条件だ。弱そうに見えるがジャンプ力が良い。滞空時間が長ければ空中3回転など高難度技術を消化するのに有利だ。
◆訓練がおもしろい?
午前8時、軍浦の自宅から朝のランニングとストレッチング-泰陵(テルン)リンクで3時間昼練習-午後体力トレーニング-午後10時から翌日午前1時まで果川(クァチョン)室内リンクでトレーニング。一言で「酷使」だ。でも文句1つない。すぐにも倒れそうだが「欲張り」だ。繰り返し練習。世界のトップはただでは生まれない。
◆バンクーバー五輪
キム・ヨンアの目標は2010年バンクーバー五輪金メダルだ。今、ヨンアの世界ランキングは 9位。4年後なら20歳になって名実ともに世界ランキング1位と五輪金メダルはいくらでも手が届く夢だ。そのときまでにすべきことは体力を育てることと表情、演技を豊かにすることだ。高難度の技術を連続でしながら4分間、くたびれない体力がともなわなければならない。しかしまだ不足なのが表情だ。普段の表情はそれほど明るくない。演技をする際、表情が自然ながらも豊かでなければならない。
ヨンアの宿題だ。
***キム・ヨンアプロフィール
◆生年月日:1990年9月5日
◆家族:父キム・ヒョンソク(49)、母パク・ミヒ(47)さんの2女のうちの2番目
◆体格:身長:161センチ、体重43キロ
◆学校:軍浦シンフン小-トジャン中-スリ中(1年)
◆趣味:パソコン、子犬のトトを育てること
◆受賞経歴:ジュニアグランプリファイナル準優勝(2004,2005)
世界ジュニアフィギュア選手権準優勝(2005)、優勝(2006年3月)
シニアグランプリ第2回大会3位