トップページ経済ニュース一覧“軽より小型”の車 試乗会
ニュース詳細

“軽より小型”の車 試乗会
6月18日 19時31分

“軽より小型”の車 試乗会
K10059158011_1206181935_1206181938

軽自動車よりさらに小型で、小回りが効き、お年寄りも運転しやすい新しいサイズの車、「超小型車」の試乗会が18日、東京・霞が関で行われました。

東京の国土交通省には、国内の自動車メーカーなどが開発中のさまざまなデザインの超小型車合わせて6台が登場し、羽田国土交通大臣らが実際に運転しました。
超小型車は、軽自動車よりさらに小型で、排気量がバイクや小型オートバイ並みの1人から2人乗りの車です。
現在、国の特別な許可がないと公道を走れませんが、国土交通省は、小回りが効くことから、お年寄りも運転しやすい地域の身近な交通手段や、観光地の移動手段として普及させることができないか検討しています。
開発中のものはいずれも電気自動車で、環境への影響に配慮し、最高速度は50キロから80キロほどです。
メーカーの担当者は「若者の車離れが進む一方、高齢化社会を迎えているので、今後、ニーズを把握して、販売に向けた体制作りを検討していきたい」と話していました。
一方で小型のため大型車から見えにくく、事故に巻き込まれる可能性が高くなるほか、衝突事故を想定した車体の安全基準をどう定めていくかなど課題も残されています。
国土交通省は、今後も検討を重ね、早ければこの夏にも一定の条件を満たせば公道での走行を認める制度を設けることにしています。

“超小型車”が注目される背景は

「超小型車」は、軽自動車よりも小さく、原付きバイクよりも大きい新しいサイズの車で、開発中のものは全長2.5メートルほどです。
排気量は、軽自動車が660cc以下なのに対して、超小型車は125cc以下と想定され、バイクや小型オートバイ並みです。
また、定員は軽自動車が4人以下なのに対し、超小型車は1人から2人となっています。
さらに開発中のものは電気自動車で、環境への影響も抑えられます。
超小型車は小回りが効きお年寄りも運転しやすいため、国土交通省は、人口の減少や高齢化による市街地の空洞化や、地方の公共交通機関の廃止などに対応する新たな交通手段として普及できないか検討しています。
特に商店街の衰退で近くの店が閉店したり、鉄道やバスが廃止されたりして、地域のお年寄りなどがふだんの買い物にも困るいわゆる「買い物弱者」の対策にも有効だと期待されています。
一定期間、地方都市や山間部で、超小型車を特別に貸し出して住民に利用してもらう実証実験では、超小型車を利用した人の方が、軽自動車などを利用している人に比べ買い物に出かける回数が2倍になる結果が出ました。
このため国土交通省は、車の運転を諦めていたお年寄りも運転できる新たな交通手段として後押ししたいとしています。
このほか、観光地を巡る際の移動手段や、購入した商品を駐車場や自宅まで運ぶポーターサービス、それに小口の配送などさまざまな分野での活用が見込まれています。
一方、超小型車は高速道路は走らず一般道路での利用が想定されていますが、最高速度は50キロから80キロ程度で、小型のため大型車から見えにくく、事故に巻き込まれる可能性が高くなるほか、衝突事故を想定した車体の安全基準をどう定めていくかなど課題も残されています。
国土交通省は、従来の「普通自動車」や「軽自動車」と別に、「超小型車」という新しい車両区分を検討していて、この区分ができればおよそ半世紀ぶりに新しいサイズの自動車が登場することになります。
国土交通省の担当者は「メーカー各社と議論しながら安全性が確保できるか議論していきたい」と話しています。

[関連ニュース]
このページの先頭へ