政府 大飯原発の運転再開を決定6月16日 11時37分
関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡って、政府は、野田総理大臣と関係閣僚による4大臣会合を開き、福井県など立地自治体の同意が得られたとして、運転再開を決定しました。
現在停止中の大飯原発3号機と4号機を巡って、福井県の西川知事は16日午前、総理大臣官邸を訪れ、野田総理大臣らと会談しました。
この中で西川知事は、運転再開にあたって、使用済み核燃料の中間貯蔵対策を国が責任を持って進めることや、地震と津波の予測を太平洋側だけでなく日本海側でも積極的に行うことなど8つの前提条件を示しました。
これに対し枝野経済産業大臣ら担当閣僚は、真摯(しんし)に対応する考えを示しました。
これを受けて西川知事は、「大飯原発の再稼働は、国から安全確保のいっそうの努力の約束をいただいたことから、主な電力消費地である関西の国民の生活と産業の安定に資するため、同意する決意を伝えたい」と述べ、運転再開に同意する方針を伝えました。
このあと政府は、野田総理大臣と関係閣僚による4大臣会合を開きました。
この中で野田総理大臣は「福井県の西川知事に大飯原発の再起動について了承をいただいた。40年以上にわたり、電力消費地に電力供給を続けてきた立地自治体の決断に感謝したい。西川知事の言葉を重く受け止めるとともに、要請について引き続き、政府として取り組んでいく。地元の了解が得られた今、大飯原発の3、4号機を再起動することを政府の最終的な判断とする」と述べ、政府として運転再開を決定したことを表明しました。
そのうえで、野田総理大臣は「政権として、原子力行政や安全規制への国民の信頼回復に向けて、さらなる取り組みを始めていく決意だ。政府として、原子力に関する安全性を確保し、さらに高めていく努力をどこまでも不断に追求していく」と述べました。
福島の原発事故以降、定期検査に入った原子炉は安全性の観点から再稼働することができず、先月には、全国で運転中の原発がなくなる「原発ゼロ」の状態となっていましたが、16日の決定によって、政府は再び原発の利用に踏み出すことになります。
[関連リンク] |
|