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 いよいよクラス代表選第一試合
始まります。
第五話 クラス代表選 part1 一夏vsセシリア
 
織斑先生 「織斑、一ノ瀬。お前達のISだが、準備まで時間がかかりそうだ。」


 翌日のHR、織斑先生からそんな話があった。なんでだろう。


織斑先生 「予備の機体がない。だから、学園で専用機を用意するそうだ。」


 ほう。専用機であの女と対戦できるのか。どんなのが用意されるんだ。


一夏 「専用機があるってそんなにすごいことなのか?」


 訓練機よりはスペックがあることぐらい知ってるだろ一夏。


セシリア 「それを聞いて安心しましたわ。クラス代表の決定戦、私とあなた達では、
     勝負は見えていますけど、さすがにわたくしが専用機、あなた達が訓練機
     では、フェアではありませんものね。」


 まあ、そうだろうな。俺はどっちでもいいけど。


一夏 「お前も、専用機ってのを持ってんのか?」


セシリア 「ご存じないの?よろしいですわ。庶民のあなた達に教えて
     さしあげましょう。


 庶民庶民うるせえよ。ここはイギリスじゃねえっての。


セシリア 「このわたくし、セシリア・オルコットは、イギリス代表候補生。つまり、
     現時点ですでに、専用機を持っていますの。世界にISはわずか467機。
     その中でも専用機を持つ者は、全人類六十億人の中でも、エリート中の
     エリートなのですわ!」


一夏 「467機!?たった?」


鷹月 「ISの中心に使われてる『コア』って技術は一切開示されてないの。現在、
   世界中にあるISは、467機。その全ては、篠ノ之束博士が作成したもの
   なのよ。」


 へえ、一人でやったんだ。ん?篠ノ之?一夏の幼馴染の親戚かなんかかな。


鷹月 「ISのコアって、完全なブラックボックスなんだって。
   篠ノ之博士以外は、誰もコアを作れないんだから。」


そうかそうか極秘かあ。特許万歳。


鷹月 「でも博士は、コアを一定数以上作ることを拒絶しているの。国家、企業、
   組織機関では割り振られたコアを使用して研究・開発訓練を行うしか無い
   状況なんだよ。」


 それは個人の自由だろうなあ。うん。


織斑先生 「本来なら、IS専用機は国家、あるいは企業に所属する人間にしか与え
     られないが、お前らの場合、状況が状況なので、データ収集を目的とし
     て専用機が用意される。理解できたか?」


一夏 「はい、なんとなく。」


鷹月 「あの、先生。篠ノ之さんってもしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか?」


織斑先生 「そうだ、篠ノ之はあいつの妹だ。」


箒以外の女子「ええええええええええええええええ!?」


 へえ、そうなのか。そんなに驚くことでもないと思うが。


箒 「あの人は関係ない!!私はあの人じゃない。教えられるようなことは何もない。」


 教室中が静まりかえった。当然だな。随分と姉を嫌ってるみたいだし。


織斑先生 「山田先生、授業を。」


山田先生 「あ、はい!それでは授業を始めます。皆さんテキストを出してください。
     今日は、昨日の続きから。」


 授業が始まるようだ。さてさて、真面目に聞くとしますかね。


山田先生 「『IS』インフィニットストラトスは、操縦者の全身を、特殊なエネルギー
     バリアで包んでいます。ISには、意識に似たものがあって、お互いの対話、
     つまり、一緒に過ごした時間でわかりあうというか、操縦時間に比例して、
     IS側も、操縦者の特性を理解しようとします。」


 そうなのか、飛行機とは違うんだな。


山田先生 「ISは道具ではなく、あくまでパートナーとして認識してください。
     ここまでで、質問のある人は?」


癒子 「しつもーん。パートナーって、彼氏彼女みたいな感じですか。」


山田先生 「それはその、どうでしょう。私には経験がないので分かりませんが・・・」


 照れすぎだろ先生。はやしたてられてんぞー




そんなこんなで昼休みになって一夏と昼ごはんを食べに行くことになったわけだが、


一夏 「篠ノ之さん、飯食いに行かないか? 」


 まだ名字で呼ばなきゃならないのか。大変だな一夏。っと、俺もだれか呼んでみるか。


 「誰か一緒に行かないか?」


本音 「はい!!はいはーい!」


癒子 「行くよー!ちょっと待って!」


さゆか 「お弁当作ってきてるけど、行きます!」


 本音達だ。やったぜ!


一夏 「やっぱりクラスメイト同士、仲良くしたいもんな。な、そう思うだろ?」


箒 「私はいい」


「おーい一夏あ。早く行こうぜ。」


 とりあえず本音達の近くから一夏を呼んだのだが・・・


一夏 「そう言うな。ほら、立て立て!」


箒 「おい!私は行かないと・・・」


一夏 「なんだよ、歩きたくないのか?おんぶしてやろうか?」


箒 「っ!離せ!!」


 ぶっ倒されてる。強引な誘いはよくないぞ、一夏。めんどそうだ。


 「三人とも、先に行こうぜ。」


本音&癒子&さゆか「うんっ!」


 学食へさっさと行くことにした。




 昼ごはんの最中話題はほとんど一つの事だった。


さゆか 「そういえば一ノ瀬君。クラス代表選なんだけどさ、大丈夫なの?」


 「大丈夫、なんとかなる。」


癒子 「でも、負けるんじゃない?正直きついと思うよ。専用機同士でも。」


本音 「そうだよ~」


 「全く問題ないな。絶対に勝ってやる。俺は訓練機でも問題ない。」


本音 「何か勝算でもあるの~?」


 「ある。ただ、今は言えん。勝ったら絶対教える。さて、そろそろ片付けるよ。」


本音 「分かったよ~。代表選頑張ってね~」


 「ああ!絶対勝ってくる。それじゃみんな、またなー」


本音&癒子&さゆか「またねー」


さーて、月曜日、楽しみだ。




 月曜日、放課後。俺と一夏は、セシリアのISを見ていた。すると、


山田先生 「織斑君!来ました!織斑君の専用IS!」


織斑先生 「織斑、すぐに準備しろ。アリーナを使用できる時間は、限られている
     からな。ぶっつけ本番でものにしろ。」


 ゲートが開いた。おー直接見るとやっぱかっけーなおい。


山田先生 「これが織斑君の専用機、『白式』です。」


織斑先生 「すぐに装着しろ。時間がないから、フォーマットとフィッティングは
     自分でやれ。」


 一夏がISに触ってる。んー!!早く乗ってみてえよ!お、乗るみたいだ。


織斑先生 「背中を預けるように、そうだ、座る感じでいい。後はシステム
     最適化をする。」


山田先生 「セシリアさんの機体は、ブルー・ティアーズ遠距離射撃型のISです。IS
     には、絶対防御というのがあって、どんな攻撃を受けても、最低限、操縦者
     の命は守れるようになっています。ただその場合、シールドエネルギーは
     極端に消耗します。分かってますよね?」


織斑先生 「織斑、気分は悪くないか?」


一夏 「おお!いけるさ!」


織斑先生 「そうか。」


一夏 「箒、時雨。行ってくる。」


箒 「あ、ああ。勝ってこい。」


 「全力でかましてこい!一夏!」


 俺がそう言うと、一夏は、すぐ、空へと飛んで行った。


セシリア 「最後のチャンスをあげますわ。」


一夏 「チャンスって?」


セシリア 「わたくしが一歩的な勝利を得るのは自明の理。今ここで謝る
     というのなら、許してあげないこともなくってよ?」


一夏 「そういうのはチャンスとは言わないな。」


セシリア 「そう?残念ですわ。それなら・・・・」


白式に警告の文字が映る。


セシリア 「お別れですわね!!」


 セシリアのレーザーライフルが一夏に直撃した。


一夏 「うああああ!!」


衝撃で地面に落ちる。かろうじて着地するもすぐに追撃が来る。


一夏 「くそぉ!!俺が白式の反応速度に追いつけていねえ!!」


セシリア 「さあ!踊りなさい!わたくしセシリア・オルコットと、
     ブルー・ティアーズの奏でるワルツで!!」


やばそうだな一夏。なんとかなんねえのか。お、なんか出した。


一夏 「素手よりましだ!」


セシリア 「遠距離射撃型のわたくしに、近距離格闘装備で挑もうだなんて。
     笑止ですわ!」


 一夏は、だんだんセシリアの攻撃をよけられるようになってきた。
よしよしその調子でいけ!


セシリア 「このブルー・ティアーズを前にして、初見でこうまで耐えたのはあなたが
     初めてですわね。ほめて差し上げますわ。


一夏 「それはどうも。」


セシリア 「では・・・そろそろフィナーレと参りましょう!!」


 四機のブルー・ティアーズがレーザーを放ってくる。


セシリア 「左足!いただきますわ!!」


 セシリアが左足にむかってレーザー・ライフルを放つ。
それを一夏は近接ブレードでいなし・・・


一夏 「いちかばちか!!」


 シールドを少しずつ削りながらセシリアに近づく。


セシリア 「むちゃくちゃしますわね!けれど、無駄なあがきですわ!!」


 セシリアはなおもブルー・ティアーズを放ってくる。
お?でも墜としてる。やるなあ一夏。


一夏 「わかったぜ!この兵器は、毎回お前が命令を送らないと動かない。
   しかもその時、お前はそれ以外の攻撃ができない。制御に意識を集中
   させてるからだ。そうだろ!!」


 ブルーティアーズが二基、なおも一夏にレーザーを放つ。


一夏 「残り二基!(必ず俺の反応が一番遠い角度を狙ってくる!)
   距離を詰めればこっちが有利だ!!」


 一夏はレーザーをよけながらブルー・ティアーズを二機とも撃墜した。


セシリア 「かかりましたわ。」


一夏 「!?」


セシリア 「四基だけではありませんわよ!!」


 さっきまで飛んでなかった二基からミサイルが放たれる。マジッすか。


一夏 「しまった!!」


 一夏はよけようとするも・・・・当たった。まずいなこれ。あ、煙が晴れてきたって
ええ!?なんか何事もなかったかのように飛んでるよ。つうか、形変わってるし!!


セシリア 「まさか、ファーストシフト!?あなた、今まで初期設定だけの機体で
     戦っていたというの!?」


一夏 「よくわからないが、この機体はやっと、俺専用になったらしいな。」


白式に、『雪片弐型 使用可能』の文字が映る。


一夏 「『雪片』って千冬姉が使ってた武器だよな。ふっ、俺は世界で最高の姉さんを
   もったよ。でもそろそろ、守られるだけの関係は終わりにしなくちゃな。これから
   は、俺も、俺の家族を守る。」


セシリア 「はあ!?あなた、何を言って・・・」


一夏 「とりあえずは、千冬姉の名前を守るさ。弟が不出来じゃ、
   格好がつかないからな!」


 ほうほう、姉思いだねえ。つか、織斑先生が昔使ってた武器が搭載されてる
ってすげえなおい。


セシリア 「ああもう、面倒ですわ!!」


 セシリアが一気にミサイルを四発放ってくる。全部墜としちまえ!一夏!


一夏 「見える!!」


 一夏が四発とも墜とした。そのままいけえ!!


セシリア 「!?」


一夏 「いける!うあああああああ!!!」


??? 「『プーーーーーーーーーーー』試合終了、勝者、セシリア・オルコット」


 あれ?なんでだろ?終わっちまった。残念。




 試合後、一夏と、俺と篠ノ之さんは、織斑先生から一夏が負けた理由の説明を受けた。


一夏 「俺、なんで負けちゃったんだ?」


織斑先生 「バリア無効化攻撃を使ったからだ。武器の特性を考えずに戦うから
     ああなる。


一夏 「バリア無効化?」


織斑先生 「相手のバリアーを切り裂いて、本体に直接ダメージを与える。
     雪片の特殊能力だ。これは、自分のシールドエネルギーをも攻撃
     に転化する機能だ。」


 あーなるほど。それで負けたのか。いちかばちかで特攻して
シールドエネルギーかなり消費してたからなあ。


織斑先生 「私が第一回モンドグロッソで優勝できたのも、この能力による
     ところが大きい。」


 そんなすごい能力なのか。つか姉弟で受け継ぐのか。


一夏 「そうか、それで白式のシールドエネルギーがいきなり0に・・・」


山田先生 「ISの戦いは、シールドエネルギーがゼロになった時点で負けとなります。
     バリア無効化攻撃は、自分のシールドエネルギーと引き換えに相手にダメー
     ジを負わせる。いわば、諸刃の剣ですね。」


織斑先生 「つまりだ、お前の機体は欠陥機だ。」


一夏 「欠陥機?」


織斑先生 「言い方が悪かったな。ISはそもそも完成していないのだから、欠陥も
     何もない。お前の機体は、他の機体よりちょっと攻撃特化になっている
     ということだ。」


なるほどな。バランスが悪いんだな。一夏の機体は。


山田先生 「あ、あと十五分ほどで、次の試合の開始時間になります。一ノ瀬君の
     専用機はこれなんですけど・・・名前がありませんね。一ノ瀬君、決めて
     もらえますか?」


 「そうですね・・・」


 俺は目の前のISをじっと見た。全体的にミッドナイトブルーの機体だ。
足と手が赤か。まあそれはいいとして、これならこの名前でいいか。


 「『五月雨』にします。」


織斑先生 「よし、すぐに準備しろ。手順は一夏の時と同じように。」


 「はい!分かりました!!」


 いよいよか。わくわくするぜ。絶対に勝ってやる。


     

 
 








 

 
 
第五話終わり。
次回はオリ主のIS設定ですね。
正直全部はできないですけど。
よろしければ感想お願いします。


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