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第六話 専用機
千冬「織斑、お前のISだが、問題はないか?」
一夏「大丈夫。昨日もちゃんと整備してます。自分の専用機ですからそのくらいしませんとね」
千冬「自分の専用機はできる限り自分で整備するのが普通だ。ちゃんと整備しておくように」

 専用機について話していると、やはりざわめいてしまう。

「せ、専用機!?織斑くん持ってるの!?」
一夏「ああ、束さんに協力してもらって、自分で造った」
「じ、自分で!?」
「いいな~。私も早く欲しいなぁ」

 そんなことを言っていると……

千冬「織斑、教科書六ページ。暗唱してみろ」
一夏「『現在、幅広く国家・企業に技術提供が行われているISですが、その中心たるコアを作る技術は一切開示されていません。現在世界中にあるIS467機、そのすべてのコアは篠ノ之束博士が作成したもので、これらは完全なブラックボックスと化しており、未だ博士以外はコアを作れない状況にあります。しかし博士はコアを一定数以上作ることを拒絶しており、各国家・企業・組織・機関では、それぞれ割り振られたコアを使用して研究・開発・訓練を行なっています。またコアを取引することはアラスカ条約第七項に抵触し、すべての状況下で禁止されています』……まったく、束さんもムチャクチャやってるな……」

 束さんは実際、468個目以降のコアをいくつか作ってたはずだけど……

「あの、先生。篠ノ之さんって、篠ノ之博士の関係者なんでしょうか……?」

 束さんは箒の実姉だ。ISを開発してからは上手くいっていないって聞いたけど……

千冬「そうだ。篠ノ之はアイツの妹だ」

 うおーい!個人情報保護法はー!?秘匿情報じゃねーの!?

「ええええーっ!す、すごい!クラスに有名人の身内が二人もいる!」
「ねえねえっ篠ノ之博士ってどんな人!?やっぱり天才なの!?」
「篠ノ之さんも天才だったりするの!?今度ISの操縦教えてよ」

 箒に言い寄るクラスメイト。

箒「あの人は関係ない!」

 大声を出す箒。盛り上がりが一気に絶対零度だ。

箒「……私はあの人じゃない。教えられるようなことは何もない。それにあの人のことなら、一夏の方が知っている。だからそっちに訊いておけ」

 俺に押し付けるのかよ!?
 俺を期待を孕んだ目で見てくるクラスメイト。

一夏「そんな期待を孕んだ目で見るな。言っておくが、有名人の身内だからってそいつをその人の家族としか見ないのは間違っている。俺だって、ブリュンヒルデの弟じゃなくて織斑一夏というひとりの人間として見て欲しい」

 みんなが黙って座っていく。

千冬「さて、授業だ。山田先生、号令」
山田「は、はいっ!」



セシ「安心しましたわ。まさか訓練機で対戦しようとは思っていなかったでしょうけど」

 正直こんな雑魚、訓練機でも余裕だ。

セシ「まあ、どうせ織斑先生より強いというのは嘘でしょうから。それに勝負は見えていますけど?さすがにフェアじゃありませんものね」

 正直言うが、訓練機でも十分俺の一方的な勝利(ワンサイドゲーム)になるぞ。ノーダメージクリアも楽勝だ!

一夏「アンタの機体はブルーティアーズ。中距離射撃型の機体。イギリス特有のビット兵器搭載。しかし所詮は偏向射撃(フレキシブル)もできないどころかビット使用中にほかの行動ができないただの雑魚がほざくな」
セシ「……馬鹿にしていますの?」
一夏「別に」
セシ「ふん。そういえばあなた、篠ノ之博士の妹なんですってね」

 ここに弟子もいるのですが……

箒「妹というだけだ」

 ヤクザのような視線にセシリアもビビってるぞ。それに俺の話を聞いてねぇのかこの馬鹿は。

セシ「ま、まあどちらにせよクラス代表にふさわしいのはこのわたくしであることに変わりはありませんの」
一夏「そんな小物臭いセリフを吐いて、セシリアは去っていく」
セシ「あなた、心の声がだだ漏れですわよ!やっぱり馬鹿にしていますの!?」
一夏「何言いがかりつけてんだ。馬鹿にしているんじゃない。蔑んでいるんだ」
セシ「余計悪いですわよ!」

 セシリアは去っていった。



一夏「箒、飯食いにいこうぜ。誰か一緒に行かないか?」

 すかさずフォローを入れてやる一夏。

布仏「はいはいはいっ!」
谷本「行くよー。ちょっと待ってー」
鷹月「お弁当持ってきてるけど行きます!」

 朝の三人だ。

箒「私はいい」
一夏「まあ、そう言うな。ほら、立て」
箒「お、おい。私は行かないと言っているだろうが。腕を掴むな」

 そこまで言われると傷つくぞ。

箒「離せ!」
一夏「学食についたらな」
箒「今離せ!ええい」

 体術か。そんなもんじゃ俺は倒せねえよ。

一夏「ほいっ」

 手を瞬時に離し、飛び上がる。箒の後ろに着地して再び腕を掴んだ。千冬姉に鍛えられた体術なめんな。

布仏「え、えーと……」
谷本「何が起こったの?」
鷹月「気付いたら篠ノ之さんの後ろにいたんだけど……」

 やっぱわからないか。瞬時に動いたからな。

一夏「そりゃ、千冬姉に鍛えられた体術だから、そんな簡単に見切れないよ」
鷹月「お、織斑くんって、かなり強いんだね……」
谷本「私たちやっぱり……学食は遠慮しておきます……」

 あーあ。せっかく集まってくれたのに。

一夏「箒、飯食いに行くぞ」
箒「おい、いい加減に……」
一夏「黙ってついてこい」

 最初からこうすればよかった。今更後悔する一夏だった。
一「なあ作者、なんでそんなにボロボロなんだ?」

俺「……なんでもない……(自分でやったの覚えてないのかよ)」

鷹月(以下、鷹)「あのー作者さん」

俺「なに?」

本音(以下、本)「おりむーが怒ると怖い乗って本当?」

俺「思い出させないでくれ」ガクブル

谷本(以下、谷)「トラウマになってる……そこまで怖いのね」

一「まあ、いいや。じゃあ三人で予告お願い」

鷹,本,谷「はーい。次回は学食で織斑くんと篠ノ之さんが話します。さらに、剣道で二人が戦いますよー。お楽しみにねー」

一「ありがとう。じゃあまたなー」

鷹,本,谷「またねー」

俺「」ガクガクブルブル


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