ホンダの『フィットEV』は「米国最高のエネルギー効率」

本田技研工業の電気自動車『フィットEV』は、米国の環境保護庁(EPA)によって、最もエネルギー効率がよい自動車だと認定された。ガソリン等価換算燃費や航続距離は、三菱自動車の『i-MiEV』や日産自動車の『リーフ』を抜いている。

Photo: Honda


本田技研工業の電気自動車『フィットEV』は、米国で販売される自動車の中で最もエネルギー効率がよいと米環境保護庁(EPA)が認定した。ガソリン等価換算燃費は118MPGe(約50.2km/L)で、これまでの最高値だ。これは、フォード社の『Focus Electric』の105MPGe(約44.6km/L)や、三菱自動車の『i-MiEV』の112MPGe(約47.6km/L)、日産自動車の『リーフ』の99MPGe(約42.1km/L)を上回る。

EPAのMPGe評価は、ガソリン1ガロンのエネルギーを、英熱量単位のBTUからkWhに換算したもの(つまり33.7kWhの電気エネルギー)に基づいて決定される。それ以外の、EPAが求める幹線道路や市街地の走行をシミュレーションした動力計試験は、電気自動車もガソリン車やディーゼル車と同じだ。

フィットEVの100マイル(約161km)当たりの電力消費量はわずか29kWhで、平均的ドライバーの負担は年間約500ドルになる[1kmあたりの「電費」は181Wh/km]。さらにフィットEVは、燃費がいいだけでなく、20kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載しているため、航続距離もかなり長い。

市街地と幹線道路を組み合わせたEPA走行試験での航続距離については、フィットEVは82マイル(約130km)で、これはリーフよりも9マイル(約14km)、i-MiEVよりも優に20マイル(約32km)長い。また、本田技研工業が、昨年11月にロサンゼルス・オートショーでフィットEVを発表した際に複合モードで実現すると語った数字よりも6マイル(約9.7km)長い。

大半の電気自転車が採用する3.3kWの充電器ではなく6.6kWの充電器を搭載しているので、フィットEVは、バッテリー残量警告灯が点灯してからのフル充電も、240Vの場合3時間で完了する。

本田技研工業によるとフィットEVの航続距離と燃費は、軽量設計、空気力学に基づいて設計されたエクステリア、「ノウハウを駆使した駆動系」(最大トルク約256Nmを実現する、燃料電池車『FCXクラリティ』に搭載された最高出力92kWの電気モーターなど)の賜物だという。なお、フィットEVには、完全独立型のサスペンションや、本田技研工業の『CR-Z』に導入された電気駆動システムも採用されている。

フィットEVは、カリフォルニア州とオレゴン州で2012年夏、東海岸地区で2013年から販売が始まる予定だ。ただし、ガソリン版のフィットよりは価格が高い。希望小売価格は36,625ドルで、リース金額は3年契約で月額399ドルとなっている。[日本では2012年夏にリース販売を開始する予定]


TEXT BY KEITH BARRY
TRANSLATION BY ガリレオ -矢倉美登里/緒方 亮


WIRED NEWS 原文(English)