核燃サイクル秘密会議:書き換え・隠蔽、ゆがむ政策

毎日新聞 2012年06月19日 02時30分(最終更新 06月19日 03時01分)

高速増殖原型炉「もんじゅ」=福井県敦賀市で、本社ヘリから望月亮一撮影
高速増殖原型炉「もんじゅ」=福井県敦賀市で、本社ヘリから望月亮一撮影

 内閣府原子力委員会による秘密会議問題で、高速増殖炉(FBR)研究開発の維持を狙ったシナリオの隠蔽(いんぺい)が判明し、事態は一層深刻になった。核燃サイクルは使用済み核燃料を再処理しウランとプルトニウムを取り出し、FBRで再利用することを基本とする。既に再処理に有利になるよう求める事業者の意向に沿って「表」の会議(小委員会)で使う報告案の原案が書き換えられたことが判明しており、これでサイクルの両輪がゆがめられたことになった。

 日本はFBR研究に約2兆円を投じており、継続するなら10年でさらに約3200億〜3700億円かかる。細野豪志原発事故担当相は昨年11月、高速増殖原型炉「もんじゅ」について「一つの曲がり角に来ている。何らかの判断を来年はしなければならない」と発言し「今夏をめどに抜本的見直しをする」と報道された。しかし3月8日の秘密会議で参加者は「政府は夏には結論は出せないだろう」と発言した。政府の動きを予想し、シナリオを隠して議論を避け、もんじゅを「延命」させても問題ないと判断した疑いがある。

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