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    (暮らしと社会を良くする提言集)-27

     2010-10-16
    <ウィンドウズ系の閲覧ソフト(ブラウザ)では、配置がずれて見えることがあります>
       
     
    ◆ 尖閣近海-埋蔵資源と中国の動向 
            開設:'10-9/30
                                修正:'11-7/19 (ver. b3b.)

    [ずばり要点] 

    1. 尖閣近海の地下資源 
                             尖閣-周辺の略図
    o 尖閣諸島の近海にイラクに次ぐ石油系資源で日本は産油国の三歩手前 L-諸島図-6
    o 産油が実現すれば社会保障の充実・健全財政・文化振興も期待できる
    o 台湾が独断契約した "資源採掘権" の無効化提訴・確定が必要の状況
    o 提訴には尖閣-日本領有地の完全証明が必要で 外交記録で証明可能か
    o 油埋蔵箇所の探査技法・海上櫓による採取ほか技術・制度問題がある
    o 世界の油相場の安定が必要。多量に掘って売る即成リッチ国化は禁則
    o 資源採取には膨大経費が必要。国営採掘は財源も実行する余力もない

    2. 近年の中国動向   

    o 1968年石油系資源の埋蔵が判明以来、中国が領有化めざし活動開始
    o とくに尖閣諸島近辺の石油系資源の獲得にあの手この手の工作を展開
    o 中国は台湾からフィリピン・マレーシア方面への制海権と領有を画策
    o 中国の戦略で南東方面の威圧活動を経て諸国へ武力行使の支配が脅威   ( 図クリックで2段階 拡大 )
    o 目下の中国は南シナ海ヘの航路確保とその近辺の地下資源獲得と推察
    o その二つの目的で航路近辺の小諸島の中国領有化と資源確保とが両立
    o 中国の欺瞞点は尖閣諸島の近辺は中国領とする認識で自国民へも徹底
    o 1895年清国から台湾割譲の前から周辺諸島や尖閣諸島は日本の領有
    o 敗戦後の1951年に台湾を領有放棄。 周辺の尖閣諸島は日本領のまま

    3. 漁船操業と衝突事故 
     
    o 今年9月7日尖閣諸島近くで中国漁船と海上保安庁の巡視船が接触事故
    o 尖閣諸島沖の漁船衝突は、中国戦略遂行の中で枝葉の問題に過ぎない
    o 中国内紛も漁船衝突も日本が中国領を横領・侵入との民衆洗脳が根底
    o 漁船は反対分子が雇った団体か兵士で漁船傷損は政府補償付きと推察
    o 当の漁船員は反対派過激団体などが雇った漁民生活補償付き乗組員か

    [ 特 報 ]

    その後、米高官出席のTV番組中で次の要旨の諸点が日本側へ伝達されました。(BSフジ '10年9.23日 [フジ プライム ニュース] 談話)
     ◆ 沖縄の米軍はアジアや日本の安全維持に必要で、駐在米軍のすべてが撤退することはない。
     ◆ 緊急出動が任務の海兵隊は、東アジアの突発危機へ時間的・地理的に対処できる沖縄の駐留が必要。
     ◆ こういった防衛の状況について日本内 (政治家・国民) への認識教育を徹底して欲しい。
     ◆ 尖閣諸島の領域の "武力攻撃" へは日米安保条約の行使(防衛の助力)を適用する。日米安保は今迄どおりで引き続き有効。
     ◆ 米軍への助成(思いやり予算など)は年々減らされてきたが、(米軍の防御を仰ぐ謝恩の配慮も込め)減額をされないよう望みたい。

    23日にはクリントン米国務長官も本国で次の要旨を言明しました。(翌9.24日各報道) 
     ◆「尖閣諸島も、"武力攻撃" に対する日米安保は引き続き有効」
     

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    [風読みの例]

      この記事は一般常識の範囲内で問題点を整理書きしたものです。
      誰もが感じ・考える程度の一般的な視点に立った考察です。
      記事には尖閣沖の漁船衝突発生までのあらましを述べてみました。
      中国漁船の衝突後の話は、刑事事件の別問題であり除外しました。

      ========================================== 

    1. 尖閣近海の地下資源


    埋蔵資源の存在

     
    尖閣近海に膨大な石油系資源が埋蔵していると分ったのは1968年で、第二次世界大戦が終って20年余り後、第三次佐藤栄作内閣の時代です。
       
    アブラでなくてアラブの砂漠に巨大な近代都市が建造できる産油収益のように、日本でも民営のほかに国営の採油事業が軌道に乗れば、豊かな資源による収益で国の財政建直しも楽々と進めることができます。国民の医療・介護・老後の安心生活などの社会福祉も充実して、誰もが健全な暮らしになるのも可能です。
    更に、洪水・崖崩れ・噴火被害といった災害の救済と生活助成や日常の救急態勢完備などの手厚い社会保障も望めることになりそうです。

       
    尖閣の地下資源は、調査研究で日本・韓国・台湾の海洋専門家が協調態勢で臨むと共に恐らく探査費の国連援助が目当てと思われ、国連-ECAFE (アジア極東経済委員会) の協力を得て東シナ海一帯を調査し、尖閣近辺は中東級の膨大な1,095億バレル埋蔵の可能性が1968年に発表されました。


    膨大な埋蔵といってもどの程度の規模なのか、主な各国の埋蔵量を示しておきます。
    埋蔵量を見ると日本は世界中の最大5位の中に入っていて、中東と並ぶほどの埋蔵量です。
    日本は北海道・新潟・秋田・千葉(茂原地区など)にもガス田・油田がありますが、産出量が少なく採算割れで今は多数が閉鎖中の状態です。
    なお、新発見の開発田により各国の埋蔵量は年々増加しています。消費量も急激な増加をしていますが、埋蔵量が豊富な地域のサウジアラビアなどが産油量を増・減して安定供給に努めているようです。
         
       原油の推定埋蔵量 と 国名    
    (2009.10月公表値) 単位:億バレル
      ———————————————   ——————————————
      2,667.0 サウジアラビア      970.3 ベネズェラ
      1,785.9 カナダ          600.0 ロシア
      1,385.0 イラン          415.0 リビア
      1,150.0 イラク          362.0 ナイジェリア
      1,095. - 日 本 (尖閣近海)
         300.0 カザフスタン
      1,040.0 クエート         213.0 米合衆国
        978.0 アラブ首長国連邦     160.0 中 国
      ———————————————   ——————————————
                        (出典=Web [ garbage news ])
      備考:1バレル=約160リットル(158 .987* liter)

     
    日本に産油事業が実現して、豊かな収益で国の財政が健全になり誰もが貧困なき生活や快適な社会が望めるようになるのは、夢の話ではなくいつでも開始できる現実問題です。
                 
    ところが、尖閣近海を掘れば必ず油が出て順風満帆というわけには目下のところいかないようです。「産油国になれる三歩手前」の第一歩目は、尖閣-を自国領だと称し、実力行使で日本が採掘できないようにしている中国の態度が最大の難関です。
     
    二歩手前の問題点は、掘る前に油床探査の優れた検知技術が必要なことです。どこを掘れば原油が出るのか、探索・鑿井(:さくせい=井戸掘り事業)には巨額の資金と時間と特殊技術が必要なことでもあり、特に小さな油溜りが分散しているような場合の採算割れ状態も予想すると、調べもせずにすぐ採掘・産油に着手するわけにはいきません。
                              
    三歩手前目は、尖閣近海は海底が深くて採掘が困難と見られていることです。この近辺は水深2,000m程度と言われ、また海底は平坦でなく山あり谷ありの状態で浅海の鑿井作業は通用しません。しかし堅固な小室を海底面に固定することができれば、そこを中継点(カップリング/インターフェース)として海上から採油するような手法も考えられます。採油が不可能とは思えませんが、かなり困難なことは間違いないでしょう。
    以上の3点からも、「三歩手前」と考えているわけです。
                 
    中国・台湾から見ると、イラクと並ぶ程の豊富な石油埋蔵量-推定1,095億バレルの獲得に、掘削の費用と労力をかけても産油国になれば経済力・国力が増し、有事の際も中国・台湾は燃料確保・軍事用の合成系素材調達が楽になるなどの利益が見込めます。特に中国は、50年先・100年後には国内繁栄するに伴って石油不足が深刻になると予測されるため、今からその対策に躍起になっていると思われます。

    中国による産油地域の資源奪取で武力攻防になった場合、テロ・海賊に類する武力行使には日米安保により日米合同の反撃があり得るので犯罪闘争の印象を避け、領土問題への米国不介入の原則を利用して米国介入がなく中国に有利な領土問題だけとの印象を他国へ与えようとしているとの読みもあります。
         _____________________

    地下資源の獲得と収益の行方 


    地上では、法律上で埋蔵物は地下40mまでの範囲が所有権とされていて、地底深くから掘り出した物の所有は地主ではなく採取者の拾得物になる筈です。海上でも同様に適用されると解釈されます。
    石油系資源は殆どが40mよりも深層に存在するため、出てくる資源は殆どの場合は地主ではなく採取者の所有になる筈です。
       
    鑿井者が国でも個人でも、取り出した資源は採取者が獲得することになると思われます。
    しかし、採取するまでには鑿井(:さくせぃ=井戸ほり全体の概念)探査場所や採油場所の土地所有者の許諾が必要になり、そこに利益分配の権利主張が発生することになります。
         _____________________ 
     ( 参 考 )
     ◆ 地上権と地下権 図解資料/東建コーポレーション
     ◆「土地の権利」は地下何メートルまで?/読売新聞社
     ◆ 大深度地下利用法を適用する事業 /Wikipedia
         _____________________

    資源採取のための探査・掘削などの鑿井作業は、小島のほか主に海上で行われると推測されます。
    小さな島を採油のため削ったり切り崩すと、風化も加わり日本の領土が消滅する方向に向うと共に、工事用敷地面積の不足や櫓(:ろ=やぐら)数が限られ景観も損なうので望ましくない行為でしょう。

    海上の鑿井は通常は櫓(:ろ、やぐら)を組んで掘削します。海面下の大地を基台とする建物を建造して海面上から採掘しても同じことですが、その上に人が居住可能ならば住民と解釈され建造者が土地所有権をもつことができるようです。

    第三者が資源採取のための櫓や建物を海底に設置したら、そこに所有権や使用権などのどんな権利が生じるのか登記されるのかの資源取得の場合の特殊性の問題も起こりえます。
         _____________________

    地下資源の採取に伴う問題点:


    イラクに次ぐと言われる石油系資源の推定埋蔵量1,095億バレルが正しくても、或いは不正確だったとしても、放置しておけば盗掘は必ず起り得ます。更に経済面・技術面などの問題点も多々起こりえると考えます。
       
    尖閣近海を横行する多数船の中で正しい操業をする漁船の保護、石油系資源の盗掘を狙う海賊船の横行、他国の国旗を掲げる不審船の見分け方と処置方法、不正な採掘の櫓類と海面上下使用権の処分基準、船舶ひしめく状況になった場合の海上巡視船不足問題、などの対応策も必要になるでしょう。
       
    これは夢物語ではありません。資源埋蔵が確かなら、いつの日か将来には必ず直面する問題になります。
    埋蔵の量と質が確かなのかも重い問題です。なるべく正確に確認するための技術の推進策も課題になります。  

    もし中国が産油国になると、石油系取引レートを乱して諸国が迷惑したり、ずさんな開発工事でメキシコ湾のような原油噴出による環境汚染や資源損失の問題も予想しておかなければなりません。
       
    一方、南方域の石油が枯渇した場合に備え、アジア地帯の資源は温存しておく考え方もあり得ます。また、地球規模で産油調整の段取りを考える願望があっても、目下は各国で協約する前に平和反目・宗教対立などの問題が立ち塞がっています。   
       
    アジア地域や日本の立地条件の視点から、政府は少なくとも対策計画だけでも樹立しておくべきではないでしょうか。
    当面の様々な状況に対する計画や不正処置基準などを樹立しておけば、樹立してあること自体が不正行為抑止力になります。今からの検討が望まれます。
       
    なお、採油の長期計画がほぼ纏まりかけた初期時点で、先発産油国とくに自主規制に優れた協調方策を施しているらしいサウジアラビアや主要メジャーへ、忘れずに、計画を打ち明け挨拶もしておくことが極めて大切で国益になると考えます。
         _____________________

    大深度探索・鑿井・採取の技術面の問題点

        
    海面下の掘削は経費が嵩むほか、水圧や採油流出阻止などの技術問題もあり、慎重な準備が必要です。 ちょっと考えただけでも以下のような問題点が思い浮かび、専門家による診断などの手法で予め解決しておく必要があります。
       
    なお、採油のパイプライン輸送による諸問題を心配している方が多いようですが、国際情勢などのほか送油の技術面にも問題があるようです。潮の急流箇所や地震・台風による浅海部分の影響などを考えると、現実にはパイプ送油ではなく採油地点でタンカーへ船積み・輸送する [ 積み出し船 ] 方法が採用されると思われます。
       
    地下資源の量・質をすぐ検出・解析できる技術手法の推進

     どこでも掘れば油が豊富に湧き出てくるというわけにはいきません。一本の竪坑を掘るにも大きな経費と時間がかかりますので、どこを掘削すれば最適かを事前に探り当てておく必要があります。地底深くで水平向きへ方向転換し、四方八方へ掘り進める工法[ マルチラテラル坑井 ]をとる場合は、油溜りの分布状態も短時間か瞬時に察知できる技術手法が望まれます。
    従来の衝撃波(地震波)探査のほか、近年は[ 電磁波による探査方式 ] も実用されているようです。

    岩盤プレート・断層地帯の関係とその影響

     火山国の日本では断層破砕帯にも注意が必要です。 地下深部では塑性変形した岩石が応力を蓄えている場合もあるため、掘削の振動がきっかけとなって岩石の反発力により掘削管が剪断や変形することも予想され、対応処置を予め考えて掘り進める必要があります。
    掘削中の地震発生を予測し、予め対策しておく必要もあります。

    油だまりの分布と埋蔵量の問題

     掘削が油溜りへ運良く行き当たっても、油量が少なく極端に言うとバケツ5杯分程度であったり、採算に乗らないような少量の油溜まりばかりが散在していては採掘ができません。 油井全体として(マクロ)の埋蔵量とその油井の分布、そして地点ごと(ミクロ)の油溜りの状態について、事前になるべく正確にそして立体的に知っておく必要があります。

    ガス田と原油田の関係

     油田でも原油中の揮発成分がガスとなって原油と一緒に噴出してくるのが普通です。尖閣-は「油田」とされていますが、ガス噴出が多いか殆ど発散済みかの状態は実際に採掘してみないと分りません。 ガス田/原油田の存在と分布がどのような場合でも支障なく、かつ、深海の高水圧のもとで効率的に安全な採取ができる技術が必要です。

    脆い(:もろい)岩盤中のシャーベット状埋蔵の問題

     崩れ易い岩盤の中に油溜りが存在している場合は、地殻変動で破砕した石くずの中に油が滲み込んだシャーベット状になっていて油が思うように採取しにくかったり、採油の中に砕けた岩石が混在して採油に支障が起きたり、と言った現象もあり得ます。 このような状態でも効率よく採油できる技術を推進して確立しておくことが必要です。
           
    先史時代からの熱帯巨大樹林・巨大動物と寒帯地帯との埋蔵差

     熱帯地方と寒帯地域とでは埋蔵量に差があると考えるのが一般的です。巨大な樹木や果実類とそれらを食料とした巨大動物や小動物がひしめいていた中東・アフリカと、北方の寒冷地帯とでは埋没物にも差があって当然です。地球自転軸の変動と気象条件などの環境状態の推移も加味した推察から、掘削予定地の埋蔵量を確認して予め収益分岐点などの試算をしておく必要があるでしょう。 
          _____________________
    <豆解説> 
    [地下資源]
    この記事で言う地下資源は、主に石油系資材を想定しています。
       
    ●地下資源=地表面以下に存在している資源。鉱物/鉱石・流体・固体化石油系資源その他の素材類のほか、化石・古代遺物などの学術的な資材も含む。:ー

     ◆鉱物類=鉱石<金属・非金属(雲母・ゲルマニウムなどの半導体を含む鉱石・シリコンなどの元素を含んだ鉱石類)・重金属・希土類を含む岩石>、ラジウム・ウランなどの放射能元素を含む岩石、岩塩、硝石類、スレート・アスファルト・石炭、陶土・砂利類、化石・古代遺物・遺跡。

     ◆流体類=泥水類以外の主に石油系資源を指し、流体状資源(原油類) と ガス状資源(原油の揮発成分と、メタンガスなどの主として有機化合物の化学反応による成分)とがある。

      o 流体状資源=主に原油類 <素性は"炭化水素"(油)の様々な分子量の種類の油類が混合している状態で、主に硫黄成分など不純物が混入> を指し、その内訳としてアスファルトや重油、軽油(テレピン油・白灯油などの原料)、揮発油(ベンジン・シンナーなどの原料)類の成分の混合状態。
    それ自体は酸欠状態の材質なので、地上で酸素と化合して"燃える"現象がおこる。
          
      o ガス状資源=埋蔵物が炭化などにより石油系資材となり、その中の揮発成分が "ガス溜まり" 状態に集っている場合と、堆積物類や腐敗物の化学成分で生成された有機ガスがそのまま "ガス溜まり" へ移行する場合とがある。
    なお、最近は岩石に含有しているガスを強制的技法で採取する"シェールガス採取方式"が実用化されている。

       ========================================= 

    2. 近年の中国動向  


    中国の願望と問題点
            
            
    中国の目下の願望は、フィリピンやマレーシア方面への制海権・制空権の掌握と思われます。
    もう一つは尖閣海域の領有権と油の所有権であり、漁船衝突事故は枝葉の問題に過ぎません。
     (1) 南シナ海へ至る自由通行と周辺諸島の中国領土化
     (2) 軟弱な日本を狙った尖閣近海の石油系資源の獲得
       
    目的は、東シナ海などの領土獲得・領海確保と漁獲維持のため、威圧するための軍艦などの通り道にある尖閣諸島を中国領にし、航行の自由を確保する願望が推察されます。
    しかし、他国領をむりやり奪取する方法のほか、友好的に通行権だけを取得する方法も考えるべきではないでしょうか。
       
    1968年に国連系の調査で尖閣諸島の近辺にイラク並みの石油系埋蔵量が判明したのが尖閣-領土問題の発端です。
    尖閣諸島は沖縄のかなり西方にある台湾周辺の諸島という位置にあります。 しかし宮古島・西表島・石垣島よりも北側にあり、日本本土寄りに位置しています。
       
    この海域は中国海軍が南シナ海方面への通り道でもあり、中国は自国領にしておきたい思惑が読取れます。
    加えてこの近辺に豊富な石油系資源が手つかずで眠っているとあらば、中国はなんとしても手に入れたいと考えるのは当然とも言えます。

    中国は近い将来に産業発展や国民生活向上などによって石油系資源の深刻な不足問題が起きるとの観測から、中国が近辺の石油系資源の調達に乗り出していると推察されています。
       
    問題なのはその調達方法で、友好的ではなく武力を利用して他の諸国領土の一部を中国領有化し、その場所で資源を採取しようとしていると思われます。
    そのために中国海軍を繰出し、南シナ海・東南アジアのベトナム・フィリッピン・マレーシアなどへ行動し、周辺諸国を困らせいます。
     ('10-10月 南シナ海問題 ASEAN拡大国防相会議/時事通信ドットコム )
     ('10-2月 中国 南シナ海進出の概要/米議会公聴会/Web-産経 )
       
    中国海軍による領土獲得の威力行動例として、フィリピンが中国に屈し泣き寝入りになった事例が、文化人でもある石原慎太郎氏の手記('10-10.4.産経新聞)中にも報告されています。

    手記によると、フィリピン -スプラトリー諸島の例では、まず無人の離れ島(海辺)に中国の古銭・土器破片をばらまいておき、後日に調査船が海中からそれを拾い上げ、この地にはかつて中国人が(ゴミを捨て)住んでいた証拠があると言い張り、そして強引に基地(中国領)を造ってしまう、というシナリオのようです。 石原氏はかつて大洋州・アジア連合の構想を描いていた関係で、その方面からの情報は確かと思えます。
       
    別筋の南沙諸島の例では、中国漁船が難破したと言って船員たちを上陸させ、その後に救出搬送のためと称して軍艦を出動させ、何やかやで中国が駐留・占領した模様です。
       
    次は日本の番で、今の小手調べ様の事件のあと機会をみて何か仕掛けてくるに違いありません。このままで済むとは思えず、日本にできる対策が必要になっています。
       
    尖閣-近海の海底精密図は中国が作成済みと思われますが、日本側の海底詳細図は作られているでしょうか。目下の新政権は急務の政策に追われてそれどころではないとしても、国の財政に関わる片々の諸事にもなるべく早めに戦略・戦術の長期見通しを持って貰いたいものです。

    領土問題に限りませんが、新政権による国内対策諸々は計画の策定が遅く、いつまでも実施されない手際の悪さに苛立ちを感じます。そのため、新設された戦略室の本格的な活動開始が期待されます。 こんど青山社中という頭脳集団(シンクタンク)が助力すると聞きましたが、実現すれば心強いことです。

    [頭脳集団]のほか、もう一つの手段として民間の有力企業が軒並み採用している[情報管理]の手法があります。企業が事業計画を検討するため幾つかの頭脳集団を利用するとしても、それとは別に社内の企画部門に情報管理の手法を採用して経営計画の素材を経営者へ提供する方法です。この手法を採用しなければ、採用している同業会社に負けてしまう事態を防ぐためです。この手法を政治にも活用すれば、政策が強化すると予想されます。

    [頭脳集団]は情報分析と改善策の言わば将来像・方針の提示が主点と思われますが、一方の[情報管理]は情報分析・策定用情報の工程段階が重点なので、政策の段取り実務に有効で実践的と考えます。しばらく経過を見て頭脳集団の助力でも物足りなく感じた場合は、第二段階として情報管理の手法を併用することが更に強力な推進効果が得られるのではないかと考えます。
       
    中国に対する日本の対応を見ると、あたかも暴力団の仕返しを恐れているような外交態度のようで、本来ならば腰を据えて言うべきことは正しく主張し、日中相互が互に是正し高め合って進む方向もあると思うががなぜ採れないのか、やればできることをなぜ怠るのか、仕返しされるような手法しかとれないようでは情けない政策ではないのかと感じます。
        
    庶民の立場から見ると、政治家へは甚だしく高額な俸給を支払っている感じです。 政治家たちは、報酬に見合った働きを期待したいものです。
    そうでない場合、庶民レベルの平均的な額で収入に見合った役割遂行をして貰えばそれでよいかと言うと、それで万事が順調に進むわけにもいきません。

    韓国ほか諸国に比べて日本の政治態勢は良い面がある一方、概して内政・外交の構えが劣っているように思える施策が多いと感じています。今後はもっと気合いを入れ、腰を据えた政治を実行して欲しいと実感しています。

    菅政権が政治を真面目にこなそうと努力しているのは敬意を感じますが真剣さが感じられないので、これから本格化するらしい戦略・戦術が貧弱にならないよう、諸政策の遂行に腰を据えて外交・内政に取組む態度が見えてくるよう期待したいと思います。

    日本の閣僚が「尖閣諸島に領土問題は存在しない」と言っているのは、厳密に言うと馴染めません。常識的な解釈では、オランダ統治を経て中国が領有していた[台湾]の、周辺に散在する小島が尖閣諸島という位置関係にあり、問題多々です。 ここで、尖閣諸島の領土問題にまつわる歴史的な経過概要を次に示します。

          [ 周辺諸島-領土問題の推移概要 ] 
     (出典=Wikiペディア + Web 諸資料)
           領有の主要な経緯        やや詳しい経緯・捕捉

     "文明の生態史観"(頁末紹介) のように民族と
     文化の流れがあり、やがて騎馬民族さえ次第
     に定着する傾向が現れ、文化が文明へ発展し
     領地・境界や国家の概念が芽生えたきた。 

      
     尖閣諸島や西表島など台湾周辺の諸島は台湾
     の付属子島の印象になる。しかし領土・領有
     の観点からは対象にならなかったと推察。
     
    (年)                   
    1885 日本は尖閣諸島の領土状態を調査開始。
       (10年間、所有国・住人形跡などを調査)
      
    1894 7月、日清戦争が勃発。       
      
    1895 1/14 日本は尖閣諸島を沖縄県へ編入。

      
    1895 4月、日清戦で日本が勝利。      
      4/17日、下関条約で終戦。清国が自主的
      に台湾と付属島を日本へ割譲。尖閣諸島
      は日本領有のままで、割譲の対象外。

      
    1896 9月 政府は尖閣4島を個人申請へ貸与。
      [魚釣島]・[久場島]・[南小島]・[北小島]
      
    1920 前年 尖閣-魚釣島へ漂着した中国漁民へ
     の救助に、中華民国-駐長崎領事から感謝状
     が石垣島村長と尖閣開拓者-K氏宛に贈与。 
      
    1932 個人所有の尖閣4島を貸与から払下げ化。
      
    1939 9/1日 世界的な第二次世界大戦へ突入。
      (独軍のポーランド侵攻が発端)   
       
    1941 4/25日 日ソ間で"日ソ中立条約"を批准。
       
    1941 12/8日 太平洋戦争が突発。      
      シンガポール制圧を目指していた日本陸軍
      はマレー島のコタバルへ上陸し、大本営は
      米・英・蘭・豪へ宣戦布告。      
       
    1945 2/4.米ソ間のヤルタ会談で、南樺太と 
      北方四島はロシア領とする密約の説あり。
       
    1945 7/26.連合国がポツダム宣言を日本へ提示
       
    1945 8/6.広島へ原爆投下。8/9長崎へ原爆投下
       
    1945 8/14.連合国各国へ、ポツダム宣言の受諾
      を日本政府が通告。公式終戦日は'52-4/28.
       
      米占領軍の下命で日本は台湾領有放棄。 
       
    1945 8/28.終戦後にソ連は北諸島を武力強奪、
      ソ兵士が日本住民殺害・婦女暴行の暴挙。
      
    1945 9/2.休戦協定(降伏文書)に日本が調印。
      
    1946 尖閣諸島ほか南西諸島が明確に指定され
      施政権が日本から連合国に移行。    
      
    1946 中華民国政府軍と共産党軍の争い勃発、
      政府軍が次第に劣勢化し南へ退却。   
      
    1951 9/8.サンフランシスコ平和条約に日調印
      
    1952 1/18.竹島を韓国(大韓民国)が武力占領。
      
    1952 4/28.正式終戦日。サンフランシスコ平和
      条約発効により連合国の日本占領は終了し
      日本の主権が回復。諸島の日本領有復帰。

      
    1953 中国[人民日報]1/8号 に琉球群島として
      日本名の "尖閣諸島" が明記されている。
      
    1955 中央政府と政府軍の一部が台湾へ逃避。
      中国旧来の政府は台湾で民主国を樹立。 
      
    1968 尖閣-周辺に豊富な石油資源の可能性。 
      翌年から中国・台湾が領土奪取行動 開始。

      
    1969 5月、台湾当局は、尖閣-付近海域の石油
      採掘権を米国ガルフ社と契約。 魚釣島に
      [青天白日旗]を掲揚。 尖閣-領有を宣言。
      
    1972 5/15日米[沖縄返還協定]により尖閣諸島
      ほか明記されて施政権日本返還が明確化。
      
      
    1988 12月 日本の団体が魚釣島に灯台設置。
      
      
    2010 9/7 沖縄県 石垣市尖閣諸島の近辺で違法
      操業の中国漁船と海保巡視船が接触事故。
       
       台湾へ航海者が上陸:-
       おもにマレーポリネシア人が定着化。
    (年)
    -1660 台湾へスペイン人移住。
    1661 台湾へオランダ人移住。

     領土としては取るに足りない小島や岩礁であり、台湾
     の割譲の際にも、周辺の諸島は領土移転としては問題
     にもならず対象から除外されたと推察される。

       
    1885-1895.尖閣-各島を10年間かけ外国領有状況・
      住民の存在・形跡など諸島の領土状態を慎重調査。

    1894 朝鮮半島を巡り清国と日本が対立、戦闘に突入。
      
    1895 尖閣-各島を10年間調査の結果、日本領に登録。


    1895 清国は日本の再襲来を恐れ台湾の割譲を決意。
      下関条約(=日清講話条約)の台湾・澎湖諸島の清国の
      割譲には尖閣諸島の記載は無い。 台湾の付属小島
      は台湾北東56kmの彭佳嶼までとし、中国と合意。


    1896 かねて申請中のK氏へ4島を30年間無償貸与。
      当時の政府所有は[大正島](0.06km2)の1島。

     八重山列島(西表島,石垣島-等) や宮古列島(宮古島、
     伊良部島-等) よりも本土寄りに位置する尖閣諸島は
     当然元来の日本領と考えるのが自然。
       
    1932 尖閣4島は完全に個人所有地。登記も完了。 

    1939 独軍がポーランドへ進撃後、9/3に英・仏と独戦
      9/17にソ連のポ.へ侵攻、11/30にソ.が更に北欧進出
      翌1940-4月に独が北欧諸国へ進出など戦火が拡大。

    1941 12/8日本海軍の真珠湾奇襲よりもマレー上陸の方
      が70分早かったとの説がある。正式には陸軍の上陸
      行動で大本営が宣戦布告。マレー開戦は日本海軍の
      12/10英艦隊攻撃で、このとき不沈の戦艦と言われた
      プリンスオブウェールズが悲惨な撃沈をした。 

    1945 2/4〜11.スターリン主相と会談したルーズベルト
     大統領が、1904年日露戦で北方四島を日本占領と誤解

    1945 7/26.英・米・ソ3国協議のポツダム宣言で日本の
      無条件降伏要求。宣言書はソ連が辞退,中国が加盟。

    1945 8/8.にソ連がポツダム宣言に署名 
      同8/8.ソ連が日本へ宣戦布告。8/9.から開戦状態。
      これは翌46年迄有効の"日ソ中立条約"違反の行為。
      
      
    1945 8/14 日本がポツダム宣言受諾により終戦が決定。
      放棄した台湾領は連合国側へ返還。
      (尖閣諸島は放棄の適用外で日本領有のまま)


    1945 9/2.米軍ミズリー艦上で調印式。 

    1946 4/24までソ連は "日ソ中立条約"による両国領土
     保全と相互不可侵が有効中に、ソ連はポツ宣言加盟。

    1946 ソ連が中国共産党軍(中国人民解放軍)を支援、
     共産党軍が次第に優勢化し政府軍を海辺へ追撃。
            
    1951 9/8.サンフランシスコの講和会議で日本調印。
                        
    1952 1/18.韓国が一方的に領有宣言・占領・領海設定。
       
    1952 南西諸島<琉球諸島(=尖閣諸島・先島諸島・沖縄
      諸島)、奄美諸島・薩南諸島>は晴れて日本領に。

                     
    1953 中国 [人民日報]1/8(ブログ中) の記事概要:
     「米国占領反対の琉球人民闘争 / 琉球群島は我が国
      台湾の - - 散在し、尖閣諸島、先進諸島、- - 」

    1955 中国政府と政府軍の一部は香港へ定着か。

    1968 日・韓・台の海洋専門家が国連-ECAFE(アジア極東
      経済委員会)の協力を得て東シナ海一帯を調査、尖閣
      はイラクに次ぐ1,095億バレル埋蔵の可能性が判明。

                      
    1969 石油採掘権を与えたのは台湾当局との説が有力。
      台湾領旗を独断で魚釣島に掲揚。 宣言は「台湾が
      尖閣諸島領有」を世界中の通信社へ配信した模様。
                        

    1973年頃 尖閣-所有が神奈川の実業家へ譲渡の説あり。
                      
    1978 4月 中国の武装漁船約140隻が尖閣-海域に侵入、
      一週間に及ぶ威嚇行動。
       
    2005 2月 日本(海保)が灯台を引継ぎ、海図にも掲載。
       
      


    尖閣-が日本領有という点では問題など何もないとしても、現に中国が尖閣諸島は中国のものだと言い張って日本領土を奪おうとしている気配があり、中国内では自国領と信じきった暴徒の問題も発生しています。それでも何も問題がないとは言い切れないのではないでしょうか。
       
    問題点の一つは、中国が国民へ正しい情報を隠し言論統制を常用していて、領有地の自国民認識欠如を中国の政策に都合がいい方向へ利用している状況です。
    もう一つは、日本が自国の領有地の正しい情報を世界へ発信する配慮と努力を怠ってきた不作為によって一部領土が消滅する可能性の問題が生じていることであり、これが重い問題点です。

    今後は倍増した努力が必要な重要な問題に発展したと考えています。それでも問題などは何も無いのだとは思えません。
       
    もう一つ、大きな問題点があります。尖閣-の地主が知らない間に台湾が尖閣-地下資源の採掘権を米国ガルフ社へ渡してしまったことです。まずそれが事実かどうかを確かめ、もし契約が本当に行われていたなら、台湾の採掘権の "無効" を主張する必要があると考えます。土地は個人の所有であっても、外国に対する国土問題の手続きは国が行うべきと判断されます。

    採掘権の契約書には、申請者やその国籍・採掘場所などが書かれている筈であり、その場所の領有を表す登記書ではないにしても、その時点で領有していた国籍などを証明し得る唯一の、現在活きている証拠として有効と考えます。
    中国が台湾と組み、自国の領有を前提とした物言いをしているのは、この契約の書類があるからとも考えられます。

    日本領有の証明をする場合、自国の記録ではなく他の国の文書あたりから、尖閣-が日本領だった証拠を探し出す必要があるのではないでしょうか。なぜなら、自国の記録書では国内で自由に偽造し得ることから、当時の書であることを諸墨の放射性同位元素や紙質・押印の朱肉などが当時の水準の物であることなどの鑑定を経なへれば、第三者に対しては対抗しえないのではないかと思えるからです。

    記録書によって日本領土を証明する場合、自国の古文書ではねつ造があり得ることから証拠としては弱く、外交の痕跡などを辿る"記録"によって、証明できる事項を探すほかないと思います。
    しかしもし当時の外国にそれらしき記録があっても、日本領有を間接的に表す程度の記述しか無い筈で、ガルフ社の活きた契約書に比べ弱い上、現代の領有を証明する性格もありません。
       
    現在の時点で尖閣-を実質支配している証拠にしても、中国の頻繁と思える見回り監視に比べて日本の巡視は実績が弱いように見えてしまいます。
    このような状況でも、領有については"何も問題はない"とは言い切れません。

    更に付加えて言うなら、中国とロシアが結託し、漁船衝突問題や国後・更に歯舞・色丹など北方領土視察で日本の騒ぎを起こして政治が少しでも遅れるように仕向けて尖閣-資源採掘権の取消し手続きを停滞させ、尖閣-日本領有の確定を阻止して産油国となった暁の日本の国力が強大化しないようにと動いている、などど見るのは深読みのし過ぎでしょうか。
         _____________________

    中国ほか近隣諸国の領土問題とその対策
     
      
    フィリピンやマレーシア方面への制海権・制空権の掌握

    中国の目的は、東シナ海などの領土獲得・領海確保と漁獲維持のため、威圧するための軍艦などの通り道にある尖閣諸島を中国領にし、航行の自由を確保したい願望が推察されています。

    しかし、他国領をむりやり奪取する方法のほか、友好的に通行権だけを取得する方法もあるのではないでしょうか。
    漁船衝突事故は、中国領海へ日本の巡視船が侵入し勝手な振舞いをしたと云うのが中国の言い分になっています。中国のネット界もその前提だけで意見百出している模様です。
       
    古来、領地はその地を実行支配した者の領土となるのが慣例になっているようです。古代に国際登記所などと言ったものは存在しないので、理屈は抜きにしてとにかく生存できる場所を実力で獲得し縄張りとして集団生活し、それが民族・同類者集団の居住範囲となり、やがて境界や国境の概念が生じてきたと考えられます。
       
    現代でも南極観測所のような未開地の場所取りは、最初に旗を立てた者が権利を確得するとか、他人の土地に自分の標識を建て20年間もの言いがなかったら標識者の所有地になると言われている慣行や掟(:おきて)は、その名残りでしょうか。
      
    世には[法]・[不文律]・[おきて]・[しきたり]・[約束]・[おぼえ]などがあり、お互い同士が守り合って社会が動いています。「法律だけ守ればあとは何をしても悪ではない」と言うわけにはいかないのが集団生活上の安らぎが保てる妙味でもあり、また一方ルール無視されると怖いことでもあると思います。
       
    領地は、戦争で獲得し領土となった場合か、台湾のように清の国から割譲された土地か、実行支配し続けているかで[領土]なのか[領有地]なのかが決まってくるようです。 領有地というのは、地主ではないが使用権があると言うことらしいのですが、正直に言って庶民の立場ではよく分かりません。

    今の尖閣諸島は、清国から台湾を割譲されたときには台湾周辺の日本領土であっても、[実効支配]つまり人が住まず島を手入れもせず実質的に手入れせずに放置しておくと領有権が消滅するらしく、そのような状況の土地は国際司法裁判所でも領土とは認められない判例が出ているようです。
          
    一方、昨年(2010年)11月1日にロシア大統領が我が国北方諸島を視察するとの報がありました。 尖閣から北方諸島へ脱線しますが、北方四島や竹島の領土問題も少し述べておきたいと思います。

    北方四島は、もともとロシア先住民族が多数住み着いていた痕跡はなく、近代になってから日本人が定住し始め日本国領地となったことは、旧年の地図からも史実からも明らかな事実となっています。そこの地は戦前から日本の領土に他ならない場所でした。

    1941年の米ソ間のヤルタ会談で、南樺太と北方四島は当時のソ連が貰い受けるとの密約があったらしいのですが、今のロシアはそのことを根拠にし始めたのでしょうか。
    古来からロシア人が定住していた土地ではありませんが、最近のTV報道を見るとロシア国民が「本来ロシア領地」と見て来たようなうそを述べているのは恐れ入ってしまいます。

    日本敗戦後の混乱期もあって当時のソ連軍が力ずくで進出し、武装放棄した状況のもとで日本人居住地を不法占拠しソ連領にしたのが実情です。
    国際的な定めによって敗戦処理済みとなっている国土が、更に別国の占領行為によってロシア領地となった二重占領状態とも言えます。
       
    竹島の韓国占領も尖閣-の中国妨害も同様なのですが、その背景には自国領土を主張する国民の歴史認識が間違っていて、そこは日本領土ではないと叫ぶ民衆意識となるように煽動している政策があるようです。 民衆意識は集団暴動も起こす意外なパワーになりますので、まずは日本が正しい領有経過を相手国の個々の人々に認識して貰うことが効果的ではないかと考えます。

    その手段は専門家に任せるべきですが、例えば公式の歴史経過を私達だれもが読めるようには知らされていませんが外務省などは持っているようなので、それを国際的に格付けするよう主要な海外の歴史学者などに認めて貰い、その内容を簡潔に理解しやすい図入りの短文の形にでもしてWebや手書きの郵便で個人宛送付するといった方法が、相手国民に届きやすいのではないでしょうか。

    日本が北方四島で建設した道路や建物、鉄道や道路などの痕跡を憶えている現在のロシア人が生きているうちに伝えることができれば、「そう言えば確かに日本人の居住地だった」と認めて家族や社会の人々に伝えられることにもなるでしょう。
    竹島や尖閣の場合も同様に、正しい歴史経過を韓国向け・中国向けの簡潔解説書の形に纏めて衆知に努めることが効果的ではないかと考えます。
       
    ソ連が占領した当時の状況には二つの説があります。
    一つは、大戦が終了した後なのにソ連軍が攻撃してきたので、日本の兵隊が島民を守るため連合国の武器放棄命令を一時的に棚上げして抗戦したという説です。しかし武力がソ連軍に及ばないため島民を守りきれず、結果として多くの日本兵士がソ連軍に処刑されたようです。

    もう一説は、武装解除した日本軍の武器類をソ連軍が没収した後に、ソ連軍が日本人島民を住居から追い出し兵士が婦女暴行や殺りくを行ったとの説です。
    各島の地区・場所によって状況はさまざまだったと推察されます。
         
    「ソ連軍にされたのと同じことをして取戻せばいい。それは領土問題ではなく原状回復問題だ」と考えている人もいます。気持は分かりますが無謀です。ステルス機も持たず装備が劣る日本は守備も状況偵察すらも満足にできず、もし何か行動を起した場合には途中で撤退したり中止したりすれば、結果として北方四島は完全にロシア領として定着してしまう恐れもあります。

    実力による行動は無益に終るだけと思えるので、考えない方が賢明でしょう。 それよりも、前記の歴史認識を普及する地道な認識活動に努める方が、大きな効果が出てくる筋道と思います。
        
    四島住民の大多数はソ連へ連行されることなく日本の内地へ送還されたのは、ソ連政府のせめてもの温情だったと解釈したいと思います。
    もう少し詳しい状況は櫻井よしこブログ [ 忘れるな、ロシア人の蛮行 ]に記述されています。
       
    大戦の終了で平和時代に入った北方四島へ武力で占領したロシアは、停戦当時の戦勝国による領土の分配に不満があったのなら、分配の時点で先勝諸国と領有を協議しておかなければ、後年になって領地要求しても無効です。戦争中でもない平和時点での占領行為は、領土の[強奪の犯行]を行ってそのまま居座り続けていることになります。

    北方領土は、両国間の協議が未だに結着していない懸案事項となったままです。 北方諸島を視察したメドベージェフ大統領はそのことを考慮せずむしろ無視するかのような行動は慎まなければなりません。

    この機会に、戦後の処理後、平和な時代まで不法な領土侵略が続いた状態による経済的な機会損失などに対する損害賠償と共に、現地住民の苦悩や精神的な苦痛に対する代償を含め、樺太の北部を日本へ割譲して貰い樺太全島を日本領土とするように願いたい気持ちです。 樺太以南の諸島も早急に我が国へ返還して貰うことは当然と考える意見もあります。

    ロシア首脳者が北方四島を訪れる行動をとることは、その代償が高くつくことをロシアは悟るべきです。 たとえそれがロシアから受取る物・費の代償が得られなくても得られても、日本人の心の中にロシアを敵対視することに変じた潜在意識の形となって永く続くことになるでしょう。
         
    尖閣近海の問題点

    尖閣の領有については、どちらにしても、[実効支配]の面で尖閣は中国に奪い取られそうな状況です。中国は近年に周辺で漁をする中国漁民を見回ったり諸島を巡回して回ったり、尖閣諸島の周辺を実質支配してきました。中国が領土の主張をするため、なるべく有利な立場をとろうとしているようです。

    日本の救いは、見かねた個人が島に灯台を設け、そのあと海上保安庁が受け継いで灯台建て直しを施したのが実質支配の実績になっていますが、かつて鰹節工場を設置した後は廃墟になり、いつも住民が定住しているわけでもなくほぼ放置してきたに等しい状態でした。
    いまや、日本が産油国になれるかどうかの瀬戸際に、[灯台]一基が運命の大きな分岐点になっているとも言える状況にあります。
       
    日本の領土だと言い張っていても、他国の船などが長い年月巡回して見かけ上は島を警備している実績が出来たり土地に上陸して居住し続けていれば、その国の所有地になってしまう不文律が働いてしまうようです。
    とは云うものの、取り敢えずは日本領土であることの証明・証拠を諸国に認めて貰う行為も大切なことで、今すぐ努力する必要を感じます。

    尖閣諸島が日本領土になっている説明資料・関係資料は、頁末に示したように多数存在します。日本領土であることを認めている中国赤旗などの旧年資料もネットで見つけるこたができるようです。
    逆に、尖閣島が中国領だと裏付けする有効な資料は示されず聞いたこともありません。当時の中国と交流があった諸国の古書か大英博物館あたりに中国が領有した形跡が伺える文書でも存在しない限り、当事国内での記録文書ねつ造を考えると、その国の古文書類だけでは価値ある証拠にはなり得ません。

    中国 国内の異変による周辺国の影響

    中国の国内法で中国領だと決めても、他の国々はそれを認めるべき根拠がないため、国際的には無効です。 仮に日本が中国に習って、今「中国本土全域は満州国設立以来日本領とする。」と決めたと仮定すると、中国が行った法制定と同様の行為なので、中国に対しては効力があるということになるのでしょうか。

    一方、尖閣諸島が日本領と表わされた米国文書が残されているなら、第三者の誰にでも通用する公式な証明になり得ます。
       
    それなら、国がやらないので日本中のブロガーたちが尖閣諸島・近海が日本の領域という証拠の当頁末に示した類いの資料を中国だけでなく関わりがある外国諸国のブロガー達へ多種多様送信したらどうなのでしょうか。
    中国ネット界のブログや掲示板類へ返事(コメントやレス)する形で証拠呈示する方法がとれれば良策と思います。

    中国は目下ネット統制をしていますので一般市民が事実を知ることがとても困難なようです。当ブログもアクセス不能の中に入っている筈で、恐らくフィルターリング類の弁別によって、設定したキーワードを含む通信が中国内では遮断されていると思います。一方では交信の元局で規制した通信の内容を調べ、良・否内容ともめぼしいものは自国語に翻訳して政府筋へレポートしていることも想像されます。なにしろ3万人の監視員が絶えず稼働していると聞いています。内容判別の作業は人界戦術で端から報告書を提出している筈です。

    海外の方面から中国へ情報を送らない限り、中国の一般者が正しい事象を知る機会はないので、アクセスする機会があったら、日本のブロガーたちからも情報を送って事実を知らせてあげると、日中相互のブロガーにとって有益な情報源になるのではないでしょうか。ただし、でたらめのアドレスなどでメルを送れば誰かには届くとしても、受取った方へは無礼な行為でネチケットに反する作法でもあり、慎むべきです。

    筆者は幼少のころ満州ハルピン(中央寺院の近く)で過した体験から、どうも中国びいきな見方になりがちです。ただし、中国の大地の上に住み暮らした恩義は忘れませんが、今の中国政府の仕業には感心できません。

    今の政府は元は共産党の革命軍であり、正統派は政府軍と共に台湾へ追われ、中国本土統治は昔の中国政府とは違う筋だと言ったら、事実なのに叱られてしまうでしょうか。
    それでも、中国は日本のかつてのよろず先生であり、一国として諸国と同様に国家人格を尊重しなければならない点では間違いありません。
    とにかく中国本土で御世話にはなったが、今は中国に知人も友人もいないのは心寒い気もします。
       
    中国の相手アドレスや何かのURLを知っているような場合、日本から中国一般者を想定して送信するにしても最低限は日本語の説明文でも致し方ないと思いますが、送る証拠資料はURL文字ではなく画像が見える状態でないと、何の宣伝かなどと思われてしまい効果が薄いでしょう。連絡の意図は "教えてあげるから中国の証拠資料も教しえてくれ"、といった友好的な表現でないと逆効果で反感が生じ、国益を大いに傷つけてしまうから慎重に。

    なお、現在掲示されているブログ類や掲示板などが国外(現地駐在者など)でどの程度閲覧されているかは、現地の中継サーバーが配信している場合はそこのサーバーにログ記録されても、日本の発信元のサーバーでは、直接アクセスを受けない限り計数されない仕組みになっているとみえ、通常は掲示者が自動的に海外からの訪問・閲覧数を知ることはできないようです。
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    日本から見た中国と国際社会


    以下は理想論を含めて述べますが、現実にもこの方向を目指して努力する方向が正しいあり方と考えます。

    中国との交流が始まったころ、日本から見た中国は善良で友好的でな先進国で日本は未開の野蛮国だったようです。
    日本は近隣の先進的中国から寺院の構造技術・建築手法や仏教・儒教類の道徳思想、円滑な伝導を受けるために必要でもあった漢字文字の導入や紙の製法など、当時のあらゆる文化を伝授して貰い現在の日本に育った恩義があります。 大多数の人々は今や多忙な日常で、ともすればその経緯を忘れがちになっています。

    仏教伝来などの後も、中国から受け継いだ多面的な文化を基盤とすることができたからこそ、更に他の諸国から様々な文化・技術・芸術などを効率よく吸収でき現在の日本が先進国らしい国家になったとも言えます。当時の中国は、見返りはあったにせよ自国の技術流失を惜しまず様々な文化をなんと豊潤に伝授してくれたことでしょうか。

    今は日本が中国よりも先進国になれた反面、中国は国際社会の中で暴力団の国家に成下がってしまいました。"暴力団"と呼ぶのは決して誇張や悪口ではなく真実の姿と考えています。 その理由は以下に述べますが、暴力国家へ国際社会の中で行っても許されること・してはならないこと等をいさめることが可能なのは、良き隣人の友好国である日本のほかには無いのではないでしょうか。今こそ、かつての恩義に報いることができそうに思います。それは、10年先・100年後の将来の国際社会の中で、中国にとっても日本にとっても得策になることだと考えています。
       
    次に、幾つかの分野で中国が国際的にも節度の外れた身勝手な政策を夫々の分野ごとに続け、諸国の申し出にも拘わらず幾つもの迷惑を各国へかけ続けて国際間の協力態勢を乱しつつあることから、いずれは世界各国から一致した制裁を受けかねない観測を述べます。

    隣国の日本から見て中国が制裁・不都合な諸国相互間干渉を受けることは、将来の中国状況を考える以前に隣国の日本にとって忍びないことでもあり、何らかの事前対策・助力を考えることが諸国にとっても有益な方向になる道筋があると読めます。 

    まず経済面で各国相互間協力の問題があります

    (1)為替レートの諸国思惑・国別実行見通しの問題。各国 "協調" といった内政干渉に類する規制とは別に、その外側に位置する大枠として、諸国 "協力" 体制の連携・わきまえ・けじめがどう決まるかが課題。 G7で、規律化の文言は保留。

    (2)地球の環境保護の問題。諸国が協力しなければ生物死滅の脅威。大小国とも共通認識と現実面の各国事情がどのように折り合っていくかの課題。量的・質的・長期的に最大級規模の中国が諸国全部の運命を左右しているとも。

    (3)若干国の石油系資源を中国が強奪見込みの問題。フィリピン近海やマレーシア(大洋州に及ぶ)で中国領有化の国際犯罪的な行動の脅威は既に始まっており、少なくともアジア地域の自己防衛が課題。

    (4)今の状況が続行すれば、何十年間以内に各国連合で中国軍事力の壊滅行動勃発の危惧も、地球全生命存続のためには空虚ではない。但し、軍事装備・施設を壊滅させても軍備思想・武力方針は残る。それよりも中国の志向転換・国際的同伴意識を期待する方が諸国の損失が少ない。日本は中国に何を望むのか、戦略と日中相互の歩み方向が課題。 今や中国はお家騒動などしているどころではない筈だが。        

    (5)印度も広大な市場ですが、いま物を持って行っても購買量がありません。向う何十年後かを見据えて印度を助成・育成し、将来はアジア地域でテロや暴走国家などへの抑止力の役割を担ってもらう方向も望まれているのではないか等の課題。
         _____________________

    軍備を強化し力ずくで自国の都合がいい政策を諸国へ施すよりも、方針転換して諸国へ貢献し相互の進展を図る方が、互いが遥かに有益になることに気付いて欲しいと思います。
       
    余談になりますが、中国の航空母艦に関して述べておきます。

    中規模と思える空母の建造が仕上がった頃と思います。
    もし完成していたら、陰ながら完成のお祝いを申し上げたいと思います。

    諸国の中には中国の空母所有に思わしくない感じを抱いている場合があるとしても、それは国夫々に事情は違っていても似たような戦略や装備を持っていることと同様であり、どの国とて自国に独自の方針があるわけです。
    問題なのは、物質ではなくそれを中国がどう運用するかに危惧と不安があることで、その点では日本も同様で、脅威を感じます。
     
    素人の夢想に過ぎませんが、ここで考えておきたいのは、空母と言えども不沈・無傷のままではあり得ないことも予測しておく必要があると思います。

    中国は、"例えば"のことですが、以下に述べるような事態も想定しておき、それを威圧行為の方針転換など何らかの面で或いは何らかの手法で回避する努力をして欲しいものだと願っています。日本としても不祥事故騒動などが発生する事態は歓迎できないからです。
     
    日本政府の外交姿勢が低きに過ぎることで、中国に対しても腰が抜けているかのような対応では困るので、空母に対する架空の攻撃例を示して、場合に応じて日本も強硬な意見提示をする場合があることを示し、同時に今後の対応策として先進技術・新技術や従来手法の改革手法・新技術への対応手法などで友好交流をすれば得策ですよと云う、豪軟の駆け引きを示したつもりです。つまり、現実面で日本の外交が軟弱に過ぎるので、ネット上の架空の例話を掲げ、外交の手段の一つとして "外交はこのように硬軟を使うんだよ"と仕向けたらどうか、例示のための茶番劇を仕立てました。

    もう一つは、日本の攻撃ではなく他の国からの襲撃が起こりえる例を示し、空母があればそれで万全ではなく用心も必要なことを、友好国として伝えておくための例話に過ぎません。

    このような軍用技術以外の面の進歩・発達については、常に賛同国同士で交流し互に技法を高め合っていくことが抑止力を得る面でも有益と考えます。
    軍事技法に限らず、産業技術・経済戦略・情報処理手法などについても、賛同国相互の新技法を取入れたり学び合う行為が、互いに進展を図るためには有効ではないでしょうか。 今後の協調を期待したいと思います。

       =========================================

    3. 漁船操業と衝突事故


    漁船衝突行為の原因


    当事者の主張 

    (1)中国の主張「中国漁船へ巡視船がぶつかってきた」
    (2)日本の説明「漁業域外で不法操業の中国漁船が停船要請に応じず逃走。
     海保の巡視船が追跡中に漁船の方が巡視船めがけて衝突した。

    問題の背景

    o 中国は尖閣諸島の近辺が中国領とする認識が国民へ徹底。中国領に反する情報を政府が遮断。
    o 漁船操業も中国内の各地争乱はどれも「日本が中国領海内で勝手に振舞う」との解釈が騒動全ての根源と思える。
    o 中国の一般庶民は真実を知らされないことも、中国内で起きている反日感情・暴挙類の全ての原因と推察される。

    衝突事故の状況 
    (資料要素-出典:ウィキペディア+産経新聞:2010.Y.2日)
     日時:2010年9月7日 午前11時15分ころ
     場所:尖閣諸島の"久場島"( 資料-諸島地図 参照)北西約12km近辺
     対象:中国籍トロール船「閩晋漁5179」(:びん-しん-りょう 5179)
     被害:(1)10:16'(海上保安庁 巡視船)「よなくに」左舷船尾側-船腹衝突破損
        (2)10:56'( 同船 )「みずき」右舷船尾寄り-船腹衝突破損
     罪状:漁獲-違法操業の疑い・公務執行妨害(停船指導への反抗)
     処置:処分保留 
     <備考>尖閣諸島=魚釣島・北小島・南小島・久場島(黄尾嶼)・大正島(赤尾嶼)、3つの岩礁 (沖の北岩・沖の南岩・飛瀬)。

    漁船衝突行為の原因

    日本側説明の原因推察:
    漁船が停船しないので、多数の巡視船で漁船を取り囲んで停船させた。その間の追跡並走中に、漁船が何度も巡視船の船腹へぶつかってきた。

    中国側説明の原因推察:
    一艘の漁船を何隻もの巡視船で取り囲み、漁船の進路へ巡視船が侵入する形で日本の巡視船の方からぶつかってきた。

    漁船衝突行動の動機・背景

    漁船の方からぶつかってきたのが事実と仮定するなら、乗組員は軍人との推測もありますが、衝突による漁船破損を補償して雇った中国内反対派の過激団体などの有志か元兵士とも推測されます。通常の漁民による行動とは思えない衝突行為の理由には、次のような推測も成り立ちます。
    o 漁船なら逃げるのが普通で、衝突行為は意図をもった行動に見える。
    o 興奮して怒りのあまり船をぶつけるほどの重大な原因は見当らない。
    o 漁民なら衝突で自船が傷み漁ができず修復費も要る行為は避ける筈。
    o 漁船が衝突で傷んだとしても誰からか保障の約束があったと思える。
    o 過激団体などの意図により予め計画された衝突行為の可能性もある。

    記録映像非公表の推察

    恐らく日本に有利ではない映像のため、公表しないのではないかと推察されます。
    政府は司法の判断前なので公表しないと言っているが、法では早期公表も認めています。初期段階で公表すると、先入観が固定されてしまう状況を防止する意図ではないかとも思えますが、命じた人の真意は不明です。

    司法判断や先入観は、発生した真実やその記録とは別の人為的な行為であり、審判の前でも後でも真実は変らない。今の場合は中国側の公表要請もあり、初期段階で公開した方が良策だったと判断せざるを得ません。状況判断が必要なときに公表されなければ、何のための撮影記録なのか意味がないことにもなります。

    日本側の説明を信じたくても、記録映像が正式非公表で真相不明のため、中国側の説明が正しい可能性もあり得ます。努めて中立的・冷静に考えるべきでしょう。

    状況証拠の価値がある撮影記録を非公表のまま長日間経過してしまいますと、"証拠"としての価値が消失してしまうことになります。CG(コンピューターグラフィックス)映画のように、映像を自分が都合のいいように電子的画像に改変したと疑われても仕方が無い状況になるのがその理由です。
      
    そのような映像加工ができるのかと不可解に思われる方も多いようですが、不可能ではないと申し上げておきます。
    余談になりますが、各位の参考のためにも当ブログが知り得た程度の基本原理を述べておきます。

    単純な映像加工の場合、例えば被写体の側面・少し位置が変った面との2面を実写しておくと、その中間位置の被写体画像は、コンピューター内で自動合成が可能です。実写した2画面の範囲内であれば、被写体の位置が少しずつずれたどんな位置に変化したときの映像も合成画像で演出でき、自然な動画に見えるようにできます。二つの被写体が衝突したように見せることも、接触しないような動画にすることも可能です。

    この動画技術は軍用機飛行状態の予想技法から出発したと聞きますが、現在は基本技法がほぼ完成しているようです。
    航空機などで、機体の上・下・左・右面とその中間位置を何画面か実写しておけば、実際には行っていない宙返りや錐もみ急降下などの飛行を合成映像で自由に演出できることになります。
     
    問題なのは光が当っている方向と影、透明感と周囲物の反射像・つや、などが物体の傾きによって変化する状況で、これの画像の創出計算が最も時間がかかるようです。 技術手法は確立されていますので、加工の時間さえかければかなり精巧なニセ動画が演出できると聞きます。

    今の場合、二隻の船が衝突したかどうかの問題になります。海面でほぼ水平な平面上の範囲で定点撮影することになり、高さ方向の実写画面があまり期待できないので合成動画はやや難しくなるでしょう。しかし、波のうねりによる高さ変化の実写は可能であり、その範囲ならどんな動きも合成画像が作り出せます。加えて、定点撮影で船のローリング・ピッチングによる実写もしているなら、その範囲内の合成連続動画は容易に作成可能です。

    中国の報道官が言っている「ビデオ映像では真相は変えられない」の意味は、中国漁船が日本の巡視船へぶつけた映像が映っているとしても、中国漁船へ日本巡視船の方からぶつかってきた真相そのものは変えることができない、という意味だと推察されます。

    つまり、CG映画のように、ねつ造した映像を見せられても信じるわけにはいかないという意味と思われ、ねつ造する時間はたっぷりあったので、その間に変造が行われたに違いない、という論法になるわけです。映像公表までに時間が経つと、そのように見られても外部へは反論できなくなります。

    しかしこの報道官の見解は公式つまり表向きの表明であることを、念のため申し添えておきます。中国首脳部の中にも軍政側と民栄派・官邸側のような対立があると思われ、個々にも強硬派・穏健派の凌ぎ合いがあると想像されますので、公式表明の裏には表明とは別面の集約済見解が存在し得ることも忘れてはなりません。

    なお、中国報道官は事件後初期の段階で日本側の録画映像の提示を要請していて、部分的な映像では駄目で全容すべての提供を要望していました。日本側が妙な憶測をして誤った対応をしたり、正式のスポークスマンとしての報道官の要請を無視して提示しないのは中国に対して失礼でしょう。

    提示しても事件記録の映像そのままが中国内で公表されることはない筈であり、日本の国内法が及ばない国外当事国へ提示することにも特段の問題点はないと思えるので、時期遅れにはなったが今からでも要請に応じてすなおに録画映像の提供をすべきと考えます。

    今となっては、国外などの部外者から録画が合成画像だと言われても反論できる機会は失われたと云え、証拠価値は消滅したと思います。何でも隠しておけば無難だという思考は現代では通用しません。

    多くの識者が言うように、記録映像は早い時点で公表するのが正しかったと思います。その理由は様々ですが、早期公開を是とする点では一致していました。
         _____________________

    漁船衝突事故の処置の不審

       
    (1)検察裁定処置の妥当性の解釈
    (2)法体系と政治執政制度の解釈
       
    今回の中国側漁船が我が国巡視船と衝突した事故が公務執行妨害に当るとして処理されましたが、法を遵守せず所定の処置から逸脱して被疑者の船長を海外送還の特別処置になったと認識されます。 この結末の政府説明については、国民側から見ると制度と政治施行の面で矛盾、かつ、不審の念を強く感じます。
    今後のこともあり、特に考察しておきたい一件です。
      
    立法(国政)と司法(例えば検察)の分権・独立は大切ですが、政府側の説明で「検察の判断に従った」旨の説明はどうし見ても納得しかねます。
    有るべくは「検察と協議したが今回は検察側の判断に従うことにした」と言えばそれで収束する問題だったと思います。それだけのことであり、ことさら政府側説明を追及するような問題ではなかったのではないでしょうか。
       
    立法・司法の独立・分権は正しくあるべきですが、場合に応じた相互の上下関係も守らねばならない筈です。本来の国家運営は最高機関としての国会の判断が最高権威となる筈であり、国家を担う最高機関が国政下位に相当する検察側裁定に従う行為は妥当ではないと思えてなりません。
       
    もし今回の政府説明が当然であるなら、今後も検察が国政の決定事項に対して仮定だが逐一「こうすべき」と法を根拠にしなくても、検察が注文すれば国会としてはいつも必ずそれに従うと言う論理になってしまうでしょう。それでは国政というものが不安定、かつ、無意味になってしまい、矛盾が生じるのではないでしょうか。
       
    政府と検察が協議し政府判断でどうすべきかを決めるのが妥当だったと思えます。 特に今回の場合は検察が外交と内政との二面について国政へ介入したように見えることから、刑事事件処置の「説明」の主意については疑念が残ります。
       
    次に執政の体系と制度について考えてみることにします。
    検察の判断が、国会で決定すべき外交・内政を左右するような制度は、あってはならないのではないでしょうか。総体的な執政体系について疑念が生じています。
       
    検察官へ国民が政策を委託した覚えはなく、託しているのは選挙投票による国会議事系であり、制度としての不備が明確に浮び上がってきたのではないかとも思えます。 司法の実動体系と国会における執政制度との相互関係について今一度考えてみる必要があるのではないでしょうか。
         ____________________

    外交姿勢への感想


    今度の問題からつくずく感じるのは、超年月にわたる外交が弱腰に過ぎたように見え、もはや待った無しで改善して欲しいとの強い思いです。
       

    敗戦の負い目や戦時中のアジアほか各地での軍部暴挙からの遠慮、諸般の現状考慮もあるのかもしれませんが、保護者の米国を意識しつつも諸国へ対する姿勢を強化し得る余地はあると思います。 特に交渉面においては異常な低姿勢に見えてしまうのです。

    素人考え乍ら、交渉という行為は専門とする職業もあると聞く特殊な技巧や粘りなどを駆使する独特な才能が必要であり、並の人物が携わるのは危険な結末が起り得ると考えます。外交の一件ごとの一般的な処置は、初期段階で次のように行われると想像しますが、通常は現地の外務省職員が担う筈ではないのでしょうか。
     [下調べ]-[非公式打診]-[非公式打合せ]-[公式打合せ]
    このとき、担当する職員個人の資質が問われることになります。

    問われる資質としては様々な能力が望まれるが、外務省に限らないが国家公務員と言えども概して社会の荒波の中ではお坊ちゃん育ちの人物であり、世の荒波・外国の思惑などに揉まれる環境に置かれてきたとは考えにくいのです。そのため相手の気迫に押されがちになったり、粘らずあっさり引下がる場合もありえるのではないでしょうか。胆力や押しの強さが必要にも拘わらず、必要とされる資質が備わっているとは限るません。その結果、弱腰外交が達成されてしまうとも考えられます。
      
    国家公務に必要な資質の幾つかについては、別項[ 国家公務員の選考制度をこうしたら ]中の表[社会で指導者に必要な人物・素質の例]に例示があり、現場的で分りやすいと感じます。実はその記事の表は政治家に要求される能力を示したものですが、そうは書けない状況もあって上級職とくに外交官に相当する必要資質になっています。しかし、国・国民を動かす役割の人物を対象にしていることには変りありません。

    表に示された素質すべてを備えていることが望ましいものの、現行では個人の資質を検証する制度が存在していない状況にあります。現状は素質ではなく資質に基づいた結果として現れる成果・実績を見る形で能力の二次的な判定・評価を行う方法が採られていようですが、これでは肝要な基本能力の様々な要素を見極めるには不十分と思えます。

    国家公務員の採用試験で作文により資質の幾つかを見る方法を更に延長・進展し、採用の時点で、必要とされる各様の資質を見極めて任務に必要な個人の能力を評価・格付けする制度の定着を望みます。
       
    また、入省後は省内事情・先輩などによる事例・保身の類を重視することなく、国益優先で処置することが必要なのは当然な行為にも拘わらず、伸び伸びと励行できない環境にあるのはほぼ間違いない。当面はこの環境を是正することも必要なので、公務員改革の一端としても期待したいと思います。
       
    尖閣問題の機会に、諸国に遅れぬよう外交姿勢を強く保つ強かさも怠ることなく、保身に捕われず国民重視の方向へ努力する基本姿勢へと、今後は実質的に改善されるよう切望します。
      ________________________________

    [s27]-[尖閣諸島が日本領である証拠など関係資料] ( 整理中 )

    <領有の証拠・宣言・解釈>
    ◆ 領有権の日本の公式声明[ 基本見解 ]/外務省
    ◆ 尖閣諸島-日本領の中国広報[ 1.概要:[人民日報]'53-1.8.版,ほか ]/wapedia
    ◆ 石垣島宛の中国感謝状[ 中華民国-駐長崎領事からの"感謝状" ]/たにむらさかえ
    ◆ 尖閣-魚釣島への中国礼状 ほか[ 領有は歴史的にも国際法上も正当 ]/日本共産党
    ◆ 中国の古典文献類 [ 尖閣諸島問題 ]-(左目次 [中国の文献]付き) ]/田中邦貴
    ◆ 中国の感謝状・"参考資料(1),(2),(3)"ほか [ 尖閣諸島の領有権問題 ]/講談社
    ◆ 自国領主張の経緯[ 領有権問題 ]/文藝春秋
    ◆「実効支配」の解説 [ 実効支配 ]/Wikiペディア

    <経緯・現状・問題点>
    ◆'10年2月 米議会公聴会の概要[ 中国の南シナ海進出に懸念 ]/Web-産経新聞
    ◆'10年10月 ASEAN拡大国防相会議の概要[「南シナ海問題」]/時事通信ドットコム
    ◆ 尖閣-地主の声[ 尖閣諸島の領有権問題 ]/現 沖縄在住者
    ◆ 尖閣巡視-全容の解説 [ 尖閣-等の領海警備 ]/海上保安庁
    ◆ 国際法上の領有解釈[ 尖閣-領有権とは ]/毎日JP -->
    ◆「実効支配」の解釈[ 実効支配 ]/Wikiペディア
    ◆ 中国漁船衝突事故(地図入り) [ 尖閣諸島中国漁船衝突事件 ]/Wikiペディア
    ◆ 尖閣諸島の経緯要点(地図入り)[ 尖閣諸島 ]/通信用語関連部署
    ◆ 経緯の解説(地図入り)[ 尖閣諸島問題の基礎知識 ]/All about
    ◆ 尖閣諸島の概要 [ 尖閣諸島問題 (写真・地図入り) ]/田中邦貴
    ◆尖閣諸島の解説 [ 尖閣諸島 ]/Wikiペディア
    ◆ [ 台湾は日本の生命線 ]/ユニティ社「メルマスタンド」
    ◆ [ 台湾問題 ]/Wikiペディア
    ◆ [ 青空と麦穂 ( 尖閣諸島 + 竹島領土 ) ]/サンエタ
    ◆ [ 尖閣-なぜトラブル? ]/読売オンライン
    ◆ [ 中国人が日本人より76年早く尖閣諸島を発見したことを証明する古書 ]/人民日報
    ◆ [ 台湾も認めていた「尖閣は日本の領土」]/ワードプレス
    ◆ [ 台湾民主国 ]/Wikiペディア

    <地形・採油・動き-ほか関連情報>
    ◆ 魚釣島の灯台 [「魚釣島灯台」の管理開始 ] /海上保安庁
    ◆ [ 海洋資源に対する誤解 ]/中央日報
    ◆ [ 地上権と地下権 図解資料 ]/東建コーポレーション
    ◆ [「土地の権利」は地下何メートルまで? ]/読売新聞社
    ◆ [ 大深度地利用 答申書 ]/国土交通省
    ◆ 採油技術の解説 [ —石油の掘り方— ]/石油天然ガス・金属鉱物資源機構
    ◆ 海底資源の新探査手法 [ 電磁波による 海底資源の - - 開発 ]/京大 後藤忠徳 教授
    ◆ "原油" の解説 [ 原 油 ]/Wikiペディア
    ◆ 米国シェールガスの算出状況(図解)[ 米国の「シェールガス革命」]/ヤマグチネット
    ◆ オイルシェールの解説[ オイルシェール ]/Wikiペディア
         _____________________
     
     尖閣諸島の日本領有・外交記録に関する掲示は、着々と増加中です。
     当ブログへのURL記載は、以下割愛します。
     引用して公表する場合は、その出典名を必ず併記して下さい。

     _________________________________

    [s27]-(単なる参考) 文化人の殆どに読まれている秀逸の一書をご紹介します。
    「文明の生態史観」
    (梅棹忠夫/中央公論社:単行本・文庫本)
    {仏・伊・英・独・各国も翻訳出版。中国語版は「文明的生態史観」/三聯書店上海分店出版:世界賢哲名著選訳猫頭鷹文庫}

    ==================================

                                (初頁頭へ)

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