ここから本文エリア 消費増税合意へ 各世代に聞く2012年06月16日 野田政権がこだわってきた消費税の増税に向け、民主、自民、公明の3党が15日、社会保障政策の見直しとあわせて、詰めの協議に入った。暮らしに直結する増税をどう受け止めるか。県内の3カ所を訪ね、それぞれの世代の人たちの思いを聞いた。 ◇ 〈「社会保障充実なら」 子育て世代は〉 新潟市中央区の高層商業ビル「NEXT21」にある「子育て応援ひろば」には、小さな子ども向けの遊具があり、買い物帰りの親子連れが利用している。 1歳の娘と遊びに来ていた同区の主婦太田ひとみさん(37)は消費増税について「社会保障がしっかりするなら、仕方ない」と話した。9歳の長女、6歳の長男も育てており、子どもたちが生きる社会は安定してほしいと望む。ただ、国会議員の給与の削減など「減らせるところはもっと減らしてほしい」とも思う。 同区の主婦清水志乃さん(38)は「高齢者の孤独死のようなニュースも多いし、お金がなくて困っている人にしっかり回るようにしてくれるのであれば」と理解を示す。1歳の娘がいて児童手当を受け取っている。年金世代の親も心配だ。増税分は、ちゃんと社会保障の充実にあててほしい、と願う。(勝見壮史) ◇ 〈「弱者に配慮が必要」 お年寄りは〉 昨年の高齢化率が36・9%と県平均を10ポイント以上、上回っている佐渡市。お年寄りの暮らしに増税は重くのしかかりそうだ。 佐渡島の東海岸沿いにある小さな農村集落、北五十里地区で農業を営む名和栄太郎さん(70)は「膨れあがった国の借金をこのままにしておけない」と思う半面、「食料品など生活必需品に消費税を10%もかけたら高齢者や低所得者は暮らしていけなくなる。弱者に配慮が必要だ」と訴える。 両津港に近い両津夷本町商店街。かつては島の玄関口としてにぎわったが、今はシャッターを下ろす店が多く、人影もまばらだ。近くに住む松村昭南さん(70)は定年退職した後、実家のある佐渡に戻り、今は年金暮らし。「消費税を上げるにしても順序が逆。まず国や政治家が身を削る努力を。国民だけに負担を押しつけるのはおかしい」(川崎友水) ◇ 〈「何も変わらない?」 大学生は〉 お昼時、新潟大学(新潟市西区)の前は、多くの学生が徒歩や自転車で行き交っていた。待ち合わせをしていた同大教育学部2年の須貝広奈さん(19)は「本当に大事なことに使ってるの? 消費税が上がっても社会保障は何も変わらなさそう」といぶかった。 同学部2年の村田峻一さん(20)は「反対はしない。借金もふくらんでいて、どこかで大きな財源は必要じゃないか」。ただ、こうも感じる。「民主党も自民党も、どちらが票を取れるかのゲームをしているみたい。消費税よりも、日本の将来が不安です」 政治不信を募らせているのは、同学部2年の黒田朋さん(19)も同じ。「高校生の生徒会の方がもっと解決に向けて進もうとすると思う。それで『今の若者は政治に関心がない』と言われても困る」と語った。(水野梓)
マイタウン新潟
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