「国民のため」にならない“どじょう”総理の「再稼動」判断
【傀儡(かいらい)】
1 あやつり人形。くぐつ。でく。2 自分の意志や主義を表さず、他人の言いなりに動いて利用されている者。でくの坊。[大辞泉]
■「私の判断」として「官僚の作文」を読み上げた野田“傀儡”総理
「愚直」を自ら口にする場合、自分の「頭の悪さ」の言い訳に過ぎない場合も少なくない。(実は私がそのケースなのであるが…)
しかも、こういった輩ほど、「頭のいい奴」に上手く使われてしまうのが「世の常」なのではあるまいか…。
“野田佳彦”という人物を眺めていると、つくづくそう感じてしまう…。
6月8日、野田首相は記者会見で「国民の生活を守るために再起動すべきというのが私の判断」と述べ、大飯原発の再稼動に関する政治判断を示した。
今月4日、福井県西川知事が細野原発相訪問の際、「再稼働の必要性について首相は国民に訴えていただきたい」と要望したことに応えた格好である。
しかし、官邸HPでその内容を確認すると、いかにも「官僚の作文」といった構成、言い回しとなっていた…。
http://www.kantei.go.jp/jp/noda/statement/2012/0608.html
例えば、「国民の生活を守る」という判断基軸の意味は2つあるとし、1番目は「福島のような事故は決して起こさない」、2番目は「原発電を今、止めてしまっては日本の社会は立ち行かない」としているが、官僚たちは「本音」は2番目に置く。
換言すると、1番目の「事故は決して起こさない」とは、2番目の本音「原発の再開」の“飾り文句”に過ぎないのである…。
■「炉心損傷に至らない」は「確認をされている」との“受身形”!?
本音の“飾り文句”、「次代を担う子どもたちのためにも、福島のような事故は決して起こさない」ということについて、首相(原稿を書いた官僚)はこう語っている。
「福島を襲ったような地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っています。
これまでに得られた知見を最大限に生かし、もし万が一すべての電源が失われるような事態においても、炉心損傷に至らないことが確認をされています」
「事故防止の対策・体制」は「整っている」と言い切っているが、
「全電源が喪失しても炉心損傷に至らない」は「確認をされている」と“受身形”で逃げている。
それでは、一体、誰が「確認をした」というのであろうか?
3月23日、「原子力安全委員会は大飯原発3、4号機のストレステストの1次評価を『問題なし』と判断した」とし、「大飯原発『妥当』判断」と報道された。
しかし、当の斑目委員長は会見で、「妥当という書き方は、この中には一切していない」
「安全性の確認ということに関して、我々は何も発言していません」
「あくまでも、総合的安全評価としては、1次評価では不十分ですと申し上げています」と述べている。
原子力安全委員会HPの「大飯発電所3号機及び4号機の安全性に関する原子力安全・保安院による確認結果について」でも、「4.まとめ」に、
「今後は、当委員会の意見を踏まえ、二次評価を速やかに実施するとともに、より一層の安全性向上に向けた継続的改善に努めることが肝要である」としている。
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2012/genan015/siryo1.pdf
「全電源喪失でも炉心損傷に至らない」との“確認”は、行政から独立・中立的な「原子力安全委員会」ではなく、行政機関である「経産省原子力安全・保安院」だけが「確認している」のではないか?
それであれば、首相の会見でも「確認をされている」ではなく、「確認をしている」と述べなければならない。
そこからして、首相(官僚)は、「嘘をついている」のである。
■首相(官僚)の本音部分は「国民への脅し」のオンパレード!?
では、本音の2番目「原発の再開」について、首相(官僚)はどう語っているだろうか?
「国民生活を守ることの第2の意味、計画停電や電力料金の大幅な高騰といった日常生活への悪影響をできるだけ避けるということであります」としているが、
「関西での15%もの需給ギャップは、現実的には極めて厳しいハードル」
「仮に計画停電を余儀なくされ、突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人も出ます」
「仕事が成り立たなくなってしまう人もいます」
「働く場がなくなってしまう人もいます」
「計画停電がなされ得るという事態になれば、日常生活や経済活動は大きく混乱」
これはもう、国民に対する「脅し文句」のオンパレードである。
更に、「夏場の短期的な電力需給の問題だけではありません」とし、
「化石燃料への依存を増やして、電力価格が高騰」すれば、
「ぎりぎりの経営を行っている小売店や中小企業、そして、家庭にも影響が及びます」
「空洞化を加速して雇用の場が失われてしまいます」
「仮に中東からの輸入に支障が生じる事態が起これば、かつての石油ショックのような痛みも覚悟しなければなりません」
またもや、「価格高騰」はおろか「中東情勢」まで持ち出し、
「国民への脅し」のオンパレードである…。
■「国民の生活を守るため」は詭弁家・野田氏の真骨頂!?
昨年8月の民主党代表選、野田氏は、
「ドジョウが金魚のまねをしてもしょうがねえじゃん」
「どじょうですが、泥臭く、国民のために汗をかいて働いて、政治を前進させる」と語りかけた、
いわゆる「どじょう演説」で勝利し、首相の座を射止めた。
8日の記者会見でも、冒頭、
「国民生活を守る。それがこの国論を二分している問題に対して、私がよって立つ、唯一絶対の判断の基軸であります」と、ぶち上げた。
終わりにも、「再起動させないことによって、生活の安心が脅かされることがあってはならない」「国民の生活を守るための今回の判断」とし、
「国民の生活」という言葉が、何度も踊る…。
しかし、“どじょう”の野田氏が「泥臭く汗をかく」のは、財務省を筆頭とした「官僚のため」、“原子力ムラ”をはじめとする「既得権益のため」であって、
「国民のため」では決してない。
「消費増税」や「原発再稼動」で、国民の生活を「破滅に導く」ことが、
「官僚の操り人形」たる“どじょう”の脳みそでは、
「政治を前進させる」ことになるのであろうか…?
2009年総選挙での民主党マニフェスト「国民の生活が第一。」を、
「消費増税」で自民党の協力を得るため「全否定」しようとしている
「官僚傀儡」首相たる野田氏。
そんな彼が、「原発再稼動」のこの期に及んび、この「国民の生活」を持ち出してきたことに対し、
「裏切られた」という怒りを爆発させた“国民”は、決して「私だけ」ではあるまい…。
そんな野田氏にあっては、今や「消費増税」に向けた「最大のパートナー」である、同じく「財務省の傀儡」の谷垣自民党総裁とともに、
次の総選挙では、真の「国民」たる有権者により、政界から「永久追放」されたらいかがであろうか…。
もっとも、その前に、「中間派」からも反対され、民主党内で“代表の座”から「追放」されるかもしれないのではあるが…。
野田氏であれ、谷垣氏であれ、仙石氏であれ、(菅氏も?)
「財務省・官僚のため」になる人物は、
「国民のため」には決してならないのである…。
1960年生まれ。北日本の一地方在住。一次産業を主とする“地方”の復興のため、明治維新から続く中央集権・官僚主導の国家体制の“CHANGE”を志す。
【ご意見板】3 件の書き込みがあります
野田首相の問題点は、成瀬さまが指摘している通りですが・・・、
原発事故以後大小さまざまな代替エネルギーの存在が指摘されたのにもかかわらず、
この1年余り原発再稼働以外の可能性を全く考慮しなかったのが最大の問題点です。
一応9月には大阪市長が「なんで大飯原発を止めないんや」と噛みつくでしょうが、
彼は喧嘩相手を求めているだけなので、原発はそのまま動き続けるでしょう。
野田首相ら再稼働を進めた議員たちを次の選挙で落とすという手はあります。
しかし、いったん再稼働した原発はやはりそのまま動き続けるでしょう。
いったん税率の上がった消費税が決して下がることのないように。
間もなく始まる、民主・自民・公明の消費抑制税引揚・原発再稼働三者連合と小沢との対決の結果で、日本の命運が決まる。この成り行きを検察が黙って見ているかどうか・・・
国民の嫌がる原発再稼働や消費税大増税を国民に信を問うこともせずに「命懸けで」やると宣言する野田佳彦氏がファシストでなくて何でしょうね。
あの麻生さんでも国民の声を聴こうとする姿勢は見られましたが野田氏や前原氏など今の民主党執行部に国民の声を聴く姿勢を感じないのは私だけでしょうか?
「我々の決めたことは雑音に耳を貸さずに命がけやる。それが実行力というものだ」と嘯いているのを「ぶれない野田さんは立派だ」と一部のマスゴミが褒めちぎる始末。