職に就いているにもかかわらず貧困層に分類される、いわゆる「ワーキングプア」が増加の一途をたどっているという、政策研究機関の調査結果が発表された。
韓国開発研究院(KDI)は12日、「雇用を通じた福祉」と題する報告書で「韓国の貧困層は最近増加する傾向にあり、とりわけ就業者がいる世帯の相対的貧困率が、1996年の6.5%から、昨年には8.5%に上昇した」と発表した。相対的貧困率とは、所得が中央値(全ての世帯を所得順にランク付けした場合、ちょうど中間に位置する世帯)の半分に満たない世帯が、全ての世帯に占める割合のことだ。
中央値については、統計庁が2人以上の世帯を対象に調査を行い、毎年発表しているが、昨年は月に350万ウォン(約24万円)だった。このため、KDIの調査結果は、世帯員の中に就業している人がいるにもかかわらず、毎月の所得が175万ウォン(約12万円)=350万ウォンの50%=に満たない2人以上の世帯が、100世帯中8世帯以上に達することを意味する。
このように、職に就いていながら生活が苦しい世帯が増加したのは、賃金が安い雇用先が増加したため、就業しても貧困から脱出するのが困難だということを意味している。統計庁によると、韓国のサラリーマンの半数以上(54.3%)は、月給が200万ウォン(約14万円)に満たないという。
このような現実を背景に、共働きの夫婦が増加しているという。同報告書は「世帯の中で、金を稼ぐ人が低賃金労働者(月の所得が125万ウォン〈約8万5000円〉以下)1人だけの場合、貧困率は50.2%に達するが、2人になると貧困率は15.6%に低下する」と説明した。