李議員は「韓国社会には国家保安法が今なお残っている。これは全体主義の状況だと考えている」「北朝鮮とは互いに仲良くなればいいのではないか。もう少し親しくなろう。それが6・15(2000年の南北共同宣言)精神だ」と述べた。その一方で「私が布団の中で社会を転覆させようと考えることに、何か問題でもあるのか。想像することまで禁止された社会だ」と主張した。ある記者が「もっと早く辞任していれば、進歩陣営の負担を軽減できたのではないか」と質問すると「唯物論者にとってイフ(もし)などない」と答え、自らが唯物論者であることを明言した。
統合進歩党・旧党権派の中心勢力は主体思想派だが、その流れを受け継ぐNL(民族解放)系列は「韓国社会の全ての問題は米国が原因」と考えている。その考え方は李議員の発言にも反映されている。全国民主労働組合総連盟(民主労総)が5月に発行した『労働者統一教科書』にも、韓国について「隷属的で親米偏向的」と明記されている。
■「姜基甲氏の非常対策委員会は国家保衛委員会のようなもの」
李議員は現在、姜基甲(カン・ギガプ)氏が中心となっている同党の革新非常対策委員会について「かつての国家保衛非常対策委員会のようなものだ。“できないことなどない”といえるほど強大な力を持っている」「党紀委員会に70-80人ほど提訴したい。戒厳状況ではないはずだ」などと述べた。国家保衛非常対策委員会とは、かつて全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領を中心とする新軍部が国政を掌握するため1980年に設置した機関のことだ。李議員は「民革党事件」を「政治的弾圧」と断言した。李議員は地下組織である民革党の幹部として活動したとして、2002年に2年6カ月の実刑を宣告され服役したが、翌年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の8・15特赦で釈放された。
李議員はかつて運動圏(左翼系学生運動)で活動した経歴を持つ金文洙(キム・ムンス)京畿道知事や李在五(イ・ジェオ)与党セヌリ党議員について「学生運動に関わったという経歴を売り渡し、あるいは変質して出世した人間もいるようだ。しかし自分は信念を曲げない」と述べた。
統合進歩党セロナギ特別委員会の朴元錫(パク・ウォンソク)委員長は李議員について、フェースブックに「神妙で思慮深い戦略家なのか、あるいは自分でも何を言ってるか理解できていない無能な人間なのか、よく分からない。口を開ければ地球人として理解できないことばかり言っている。まるで月からやって来たようだ」と書き込んだ。