統合進歩党の李石基(イ・ソッキ)議員は15日、本紙を含むメディア10社の記者らと昼食を共にした。条件は「全てオフレコ」だった。しかし一部メディアが約束を破り「愛国歌(韓国の国歌)は国歌ではない」などの発言を報じたことで、波紋が広がっている。李議員はこの席で愛国歌に関連する発言の他にも「従北(北朝鮮追従)主義者」と受け取られて当然の発言を繰り返した。
■北朝鮮式の用語をそのまま使用
李議員は「若い(報道関係の)イルクンは、私のために非常に苦労している。その労をねぎらうためこの場を準備した」と述べた。「イルクン」とは北朝鮮式の言葉で「働く者」を意味する。また李議員は自らの秘書を「(メディア)担当イルクン」と呼んだ。これらの言葉遣いについて李議員は「よく指摘される。自分も変えなければならないと思う。もう少し大衆的な言葉でさまざまな問題を議論できるようにしなければならない」と言いながらも、この場では引き続き北朝鮮式の言葉を使い続けた。
李議員は同党の「セロナギ(生まれ変わる、の意)特別委員会」が取りまとめた刷新案について「同意できる内容は“ほとんどない”のではなく、全くない」「愛国歌を歌うことが刷新ではない。ヒョンジャンマルやキム・オジュン式の表現を使えば“寝ぼけるな、シバ”だ。愛国歌を歌えば刷新かシバ。これはとんでもないタクチッだ」と述べた。「ヒョンジャンマル」とは「その時代に流行する言葉」を意味する北朝鮮式の言葉。キム・オジュン氏はインターネット放送「ナヌン・コムスダ(私は小ざかしいの意、通称ナッコムス)」の司会者。「シバ」とは「セックスが好きな人間」、「タクチッ」とは「鶏(タク)のように騒がしいだけの無意味な行動(チッ)」を意味するいずれも俗語だ。セロナギ特別委員会は同党に「北朝鮮に対して批判的な立場を取ること」「国民儀礼を行うこと」「憲法の順守」などの刷新案を提案しているが、李議員はこれらの提案には全く同意しないというわけだ。
李議員は最近の心境について「刑務所の中でも私の信念は揺るがなかった。心は平和だし、また正義感に満ちている」などと語った。
■「本当の従僕は従米主義者だ」
李議員は5月11日にあるケーブルテレビ番組に出演した際にも「従北が問題だと言うが、従米(米国追従)の方がより深刻な問題だ」と発言していた。昼食会で李議員は「米国に反対することが、なぜ政治的弾圧の対象になるのか」「“従北”が問題だというが、私が何の従僕(召し使い)だというのか。非常に不快だ」と述べた。李議員はさらに「本当の従僕は従米にある。米国は死亡率、文盲率、保有する核兵器も世界一でひどい国だ。しかし私は米国という国を嫌っているわけではなく、米国の映画などは大好きだ」と語った。