高橋洋一「ニュースの深層」
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財務省とのなれ合いで自民党政権時代よりも10兆円以上歳出が増えた民主党政権。大増税に導く2012年度予算はこんなにデタラメだ

2011年12月26日(月) 高橋 洋一
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【PHOTO】Bloomburg via Getty Images

政府は24日、2012年度予算の政府案を閣議決定した。一言で言えば酷い予算だ。消費税増税を飲めと言わんばかりだ。

予算案は量が膨大なので、日頃不勉強なマスコミでは閣議後はすぐに記事が書けない。そこで、マスコミは事前に財務省から解禁時刻までは報道しないというエンバーゴ(もともと海運用語)付きが右上に表示されている資料を渡される。その際、財務省官僚からのレクも受ける。マスコミはその財務省資料をほぼそのまま書き写して新聞解説を書いているのだ。予算の国民生活への影響などはその典型例だ。

もちろん内容は財務省の資料やレクチャーそのままだが、各マスコミともにパクリがばれないように表現は変えている。エンバーゴ付き資料の時の官僚のレクを理解できない者もいて、その後も問い合わせてくる。そのときに追加レクして記者を懐柔し、役所に都合よく誘導できる「ポチ」と手なずけるのはたやすい。

こうした事情から、各マスコミとも、12年度予算で「国債依存度、過去最高」という似たり寄ったりの記事になっている。

歳出額が自民党時代よりも11兆円も増えた民主党政権

ところが、さすがに12年度予算は、震災復興特会3.8兆円、年金交付国債2.6兆円の一般会計の別建てと素人でもわかる予算操作だったので、マスコミも予算の水ぶくれがわかり「粉飾」との言葉も出てきた。

どの程度なのか、小泉政権以降の自公政権からリーマンショック時の麻生政権を除いて、民主党と比較してみよう。2010年度までは決算額、2011年度は2次補正まで、2012年度は当初予算に年金交付国債2.6兆円を加えた歳出総額でみる。こうすれば、民主政権でも本格的な震災復興経費が除かれて自公政権との実力ベース比較ができる。

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