昨夕、1つの情報がもたらされた。「キノコからヨウ素が出ている」。ベクレルモニターによる検査で検出された。5月ごろの話だという。言葉が出ない。
ヨウ素は半減期が短いから、1年3カ月も前の原発事故に由来するものとは考えにくい。どこからかやってきてキノコに付着したのだろう。原発以外は考えられない。
いま何が起こっているのか、原発周辺の放射性物質の値はどうなっているのか、放射性降下物の信頼できる確かな数値は…。まったく発表されない。ただ一部の人だけが知っていて、ゆがんだかたちで流布される。結果、冷静な判断ができなくなる。
原発事故が起こったあのときと、何も変わっていない。国や東電にとってマイナスになる情報は、闇から闇の葬られていく。いったい、どこがチェックしてくれるのだろう。
なんとなく線量計が行き渡り、食べ物も、信用できにくいとはいえ、ある程度は数値を把握できるようになった。あとは、原発から放射性物質が出ているのか、重大なトラブルが起こっているのか、その見極めになってくる。でもみんな、のんきな父さんを決め込んでいる。
いわきは原発に近い。トラブルが起こったときが一番怖い。福島や郡山の線量と比べて「こっちは低いから」と優越感に浸っているところではない。
あのとき、東電関係者の動きや自衛隊の情報によって、人々が避難に走ったことを忘れてはいけない。自分自身がアンテナを高くするしかない。