「放射能は飲み物」と言っている人たちの
脳内変換機能がたくましすぎて、僕がデマを
流していることになっているので、面倒ですが、
ガイドラインを作成しています。
■ 科学は肯定も否定もしない。
年間1ミリシーベルトを浴びると、2万人に1人が
がんになるというのを、「科学」だとするならば、
「科学」とは、それ以上でも、それ以下でも
ありません。
これが「年間で100ミリシーベルトになると、
200人に1人ががんになる計算」というのも、
「科学」の話は、そこまでで終わりです。
200人に1人と言うと多いように感じるが、
わずか0.5%と言うと少ないように感じる。
すなわち、この数字を「多い」と考えるのか、
「少ない」と考えるのかは、感じ方の問題で、
科学者が、「これは少ないです」と言うのは、
科学ではありません。それはオマエの感じ方で、
別の専門家が見たら、「多い」とも言えるのです。
そして、交通事故と比べたり、タバコを吸うことと
比較するのは、極めてバカバカしいと言えます。
なぜかと言えば、放射線の影響が「がん」に
限定されていて、「ぶらぶら病」などの体調不良、
心筋梗塞や脳卒中といった、今後の疫学検査で
明らかになる問題を無視しているからです。
■ 福島の人は避難するべきか。
『チダイズム』は、福島の方々に避難するように
呼びかけてきました。福島と言っても「浜通り」や
「中通り」にお住まいの、空間線量の高い地域に
住んでおられる方を中心に呼びかけたつもりです。
最近は、状況が少しだけ落ち着いたこともあり、
今さら避難したところで、大きな差が見込めず、
積極的に呼びかけるほどではなくなりましたが、
原発事故から約半年ほどは、避難していた方が
圧倒的に安全だったことは言うまでもありません。
大きな危険は、主に2つあったと考えられます。
1つ目は、誰もが知る「放射性ヨウ素131」。
チェルノブイリでは、牛乳が汚染されたせいで、
多くの甲状腺がん患者を生み出したということに
なっていて、日本の楽観論者たちは、「日本では
牛乳が停止されたので、甲状腺がんになる
患者は出ない!(キリッ」と言っているのですが、
果たして、本当にそうなのかは、わかりません。
日本では、牛乳を飲まなかった代わりに、
ヨウ素がたっぷり入った水道水を飲みました。
ついでに、ヨウ素がたっぷり入った野菜も食べ、
何よりも、ヨウ素をたっぷり含んだ空気を吸い、
安定ヨウ素剤を服用した人はいませんでした。
ヨウ素は食べ物からの摂取だけでなく、呼吸で
吸い込んでしまうことも心配される物質なのです。
だから、世界の国々では、原発の近くに住んで
いる人たちには、あらかじめ薬が渡されていて、
いざとなった時には飲むことになっています。
ところが、日本では、絶対に事故が起こらないと
言ってきたため、安定ヨウ素剤が配られることも
ありませんでしたから、全員が放射性ヨウ素の
餌食になってしまいました。
よりによって、SPEEDIも隠蔽してしまったため、
風下に向かって逃げてしまった人もたくさんいて、
取り返しのつかないことが起こってしまったのに、
安全論者のバカが言ったこと。
「日本人は日頃から昆布を多く
食べているからヨウ素に強い!」
頭がおかしいんじゃないかと思います。
おしゃぶり昆布でも吸って黙ってろ、ジジィ!
膨大な量のヨウ素が放出されたにもかかわらず、
なるべく事故を小さく見せようとした東京電力は、
「計算、間違っちゃった。てへぺろ!」と言い、
だんだんと発表する数字を大きくしていきました。
そして、この事故が「レベル7」だと認めたのは、
事故が起こってから1ヶ月後で、それまでの間、
福島の人たちは、「たいした事故ではない」と
言い続けてきたのです。
最初から、これほど大きな事故だとわかれば、
もっと早く逃げたという人もたくさんいたでしょう。
あるいは、逃げることに踏ん切りがついたという
人もいたことでしょう。
しかし、ここでも「科学!科学!」と言っている
人たちは、政府の発表することが絶対的に正しく、
「実際はレベル7だろ!」なんて言った日には、
デマ野郎扱いしてきました。
アメリカの専門家は、事故からわずか3日後に
「レベル6かレベル7である」と警告しましたが、
「危ないかもしれないよ!」という人々の声を、
どこぞの科学バカが消したせいで、回避できた
人たちの足を止めてしまったのです。
この罪は非常に重い!
さらに、もう一つの問題は、福島には常に新鮮な
「フレッシュ放射能」が降り注いでいたことです。
放射性物質の半分くらいは、3日もすると
半減期の関係でなくなってしまうのですが、
常に出来立てを供給されていたため、今では
証拠も残っていないような放射性物質を吸ったり、
食べていた可能性があります。
そして、多くの放射性物質が、どれくらいの量で
どのような影響を及ぼすのかが、まったくの不明。
科学的に解明されていないものを、どうやったら
科学的に「安全だ!」だと説明できるのでしょう?
現在の福島は、この「超非常事態」は収まり、
あとは「残留放射線」が、人体にどんな影響を
及ぼすのかを、自らの体で実験する段階に
突入したと言えますが、それさえ安全なのかは
誰にもわからないのです。
このように、福島に住み続けることが、安全だと
言うことは、本当なら誰にもできないはずです。
だから、引っ越すことは無理でも、「安全だとは
言えない」という認識に基づいて行動を考える。
これが大切だと訴えているのです。
■ 「万が一」という概念。
ヨウ素をたくさん吸っても、必ず甲状腺がんに
なってしまうわけではありません。運が良ければ
何もなかったように生きていくことができますが、
運が悪かった人は、がんの手術を受ける必要が
ありますし、一生、薬を服用しなければなりません。
「放射能は飲み物」と言っている人たちには、
その万が一が、自分には当たらないという前提で
話をするという、とてもメルヘンな特徴があります。
年間100ミリシーベルトを浴びたとしても、
200人に1人しか「がん」にならないのだから、
圧倒的多数の199人には、何も起こらないのだ。
そう言うのですが、1000人の観客で埋まった
コンサートホールで、拳銃を持ったテロリストが
ステージにやってきて、「今から5発撃つ!」と
言い出したら、誰だって怖くなると思うのです。
放射能は、年齢が若いほど影響を受けやすく、
今回で言えば、最前列に赤ちゃんが座っていて、
その後ろに幼稚園児、小学生、中学生と並んで、
最後列にヨボヨボの死にかけジジィが座る状態。
ジジィは怖くないかもしれませんが、小学生や
中学生には、とても恐怖。ところが、死にかけの
ジジィどもがポンポンと肩を叩き、「199人は
助かるのだから、大丈夫だ」と言うのです。
ジジィは黙ってろよ!
残念ながら、確率的に子供が多く亡くなります。
だから、「万が一」のことが起こらないように、
テロリストが入り放題のコンサートホールには
警備員を立てたり、ピストルのチェックをしたり、
未然に防ぐ努力をしなければならないのです。
僕たちがやっているのは、「万が一に備える」。
それだけのこと。火事が起こったら大変だからと
消火器を置くのと一緒。未然に防ごうとするのに
文句を言われる筋合いはない!
今、安全論者たちがやっていることは、
消火器を置こうとした人に、「それではまるで
火事が起こるみたいじゃないか」と言っている。
まさに、原発が事故を起こしたのと同じ原理。
「安全対策なんかしたら、まるで危険みたいに
思われるから、安全対策なんかしない」のです。
万が一に備えることを、「危ないみたいだから」と
否定するのは、頭がおかしいと言いたいのです。