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| 第1回 |
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日本航空が保有しているボーイング747型機が離陸するときの重量は、行く先によって多少異なりますが、お客様、燃料、貨物、すべてがほぼいっぱいの状態で約350トンにもなります。車にすると350台分の重量が時速約250キロで滑走路を走り抜け、あの巨体が大空に舞い上がっていきます。
さて、この飛行機が大空に舞い上がる秘密には2つのものが関係しています。一つは翼にぶら下がっている“ジェットエンジン”です。中のファンブレードが回転することによって空気を吸い込み、猛烈な勢いで後方に吐き出すと、飛行機はその反動で前進して行きます。ジェットエンジンの能力は、この吐き出される空気の重さで表現します。
ボーイング747型機の場合、4台のエンジンで20万ポンド(100トン)の空気が後方へと吐き出されます(そんなとき離陸中の飛行機の後ろにいようものなら、大型トラックでも吹き飛ばされてしまいます)。だから、わずかな時間で時速250キロ近いスピードに達することができるのです。
そして、もう一つ必要なものは“翼”です。飛行機が時速250キロ近いスピードを出すことにより、翼の上にも少なくとも時速250キロの空気(風)が流れることになります。翼の上面と下面の形状の違いから、上面の空気が若干速く流れます。これによって、翼に沿って流れる空気の圧力に差が生じます。この圧力の差の事を揚力と呼び、この力によって飛行機は浮くことができるのです。ボーイング747型機の翼の面積は約500m2、テニスコートにすれば約2面分。
離陸時の重量は約350トンですから、翼の面積1cm2あたり70gの差圧が生じれば飛行機が飛べるという事になります。こんな事を考えていると、ますます空の旅の魅力が増してきませんか。 |
飛行機の“ジェットエンジン”
ファンブレードが回転することによって空気を吸い込み、猛烈な勢いで後方に吐き出すと、飛行機はその反動で前進して行きます。
翼の断面を見ると、上にふくらんでいて、下が平らになっています。矢印の方向に空気の流れが生じると、流れは翼の先(A点)で翼の上と下に別れ、翼の終わり(B点)でまた一緒になろうとします。このとき、翼の上側のほうが下側より距離が長いため、上を通る空気のほうが下を通る空気より速く流れ、上側の気圧のほうが低くなります。そのため、ものを持ち上げる力(揚力)が生まれて、飛行機は大空へと舞い上がります。 |
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| 日本航空月刊誌『Agora』1998〜2003年掲載 |
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