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客引き、フリーにシフト 店側、罰則逃れ狙う? 仙台・国分町
東北一の歓楽街、国分町(仙台市青葉区)で特定の店に属しない「フリー」の客引きの割合が増えている。客引き行為を取り締まる県迷惑防止条例は店側にも罰則があるため、雇用関係のないフリーに仕事が流れたとみられる。東日本大震災以降は、県外出身者の客引きも目立っている。 ◇ 国分町からの客引き一掃を目指し、店の業態にかかわらず客引き行為を禁じる改正県迷惑防止条例が2007年5月に施行され、5年が過ぎた。 仙台中央署が07年から昨年までに摘発した客引きの件数はグラフの通り。件数は08年の63件をピークに減っているが、フリーの客引きは同年から微増し、全体に占める割合は年々増えている。ことしも傾向は変わらず、5月末現在で摘発した16件のうちフリーが13件を占める。 捜査関係者によると、フリーの客引きは店から客1人当たり500〜2000円の紹介料を受け取っている。1カ月に80万円ほど荒稼ぎする客引きもいる。条例は客引きをした店側に最長6カ月の営業停止処分を科す罰則を定めており、店がフリーに頼む背景には罰則を避けたいとの思惑があるようだ。 店に所属しながらフリーを名乗るケースも。ある風俗店の客引きの男は「仮に逮捕されてもフリーを名乗る。店に迷惑を掛けたくないし、職も失いたくない」と明かす。 捜査関係者によると、震災後は県外出身の客引きも増加。摘発した客引きのうち、本籍地が県外の割合は09、10年の32%に対し、11年は57%に上昇した。ことしも5月末現在で75%と増え、「復興バブルでもうかると聞いて仙台に来た」と話す客引きもいたという。 中央署歓楽街対策課は「店の従業員でもフリーと言われれば裏付けが難しいが、店側の協力も得ながら巡回の頻度を増やし、厳しく取り締まる」と話している。
2012年06月17日日曜日
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