2012/6/15 (金)
そんなもんじゃないだろう
先般、とある「リーダー候補生」たちの研修を担当する機会があった。
彼らは、自らが「リーダー候補生になりたいっ!」と自分で手を挙げ、待ち受けていた“筆記試験”や“面接試験”やらを無事クリアし、見事“合格”を果たした人たち。内訳は、20代前半から40代後半までの男女いろいろ。
この方々には、関連各所から 大きな大きな期待が寄せられている〜。
ちなみに研修では、色んなカリキュラムやトレーニングが用意され、参加者たちは色々なお勉強をしながら資格取得もでき、また その期間の報酬もちゃんと頂けるという・・・やや恵まれ過ぎの素晴らしき待遇条件。
さて、その中のおひとり Aさん(私より年上の方)。5分間の“ミニ コーチング”でのひとコマ。
わたし 「理想のリーダ像について、良かったら教えて頂けませんか?」
Aさん 「(ニコニコしながら)え〜 理想のリーダー像ですか?」
わたし 「はい、理想のリーダー像です」
ここまでは、軽快だった。
Aさん 「そうですね、“信念のある”リーダーでありたいですね」
わたし 「へぇ、信念のあるリーダーですか、なるほどですね。
ちなみに・・・ Aさんのリーダーとしての“信念”って、何ですか?
ここまでは、平穏だった〜(笑)。
Aさん 「(ニコニコいながら)私の信念ですか? ありませんねぇ」
わたし 「???」
ここから、私の血流が早くなっていく(笑)。
わたし 「信念・・・な い んですか?」
Aさん 「はい・・・」
わたし 「リーダーとしての“信念”のようなものが『な』『い』?」
Aさん 「はい・・・」
この当たりで、心拍数も急上昇(笑)。
わたし 「信念がないって どういうことですか。良かったら詳しく教えてくれませんかっ?(やや、まくし立てる口調で)」
Aさん 「いや〜(汗) あの〜(汗)」
多分、わたし このとき 恐い顔をしていたと思う(笑)。
Aさん 「いや その〜 何ていうか・・・自信がなくて・・・」
わたし 「自信がない? ふ〜ん。 その自信がないことと、信念がないことと どういう関係があるのですか?」
Aさん 「自信がないから信念が持てないし、また 信念がないから自信が持てないのかなぁ・・・と」
わたし 「なるほど、 ・・・で・・・?」
Aさん 「だから、こういう場に参加して色々学んだりしていくうちに・・・多分・・・信念とか・・・見つかるかなぁって・・・思って」
わたし 「随分と他人任せですね。 それって【依存的】で【受け身的】な考え方っていうんですよ。そんなんじゃ、信念なんて見つかりませんよっ!
そもそも、信念というのは、どこかにバ〜ンって用意されてあって“見つけたり 見つかったりするもの”なんかじゃないんです。
信念って、自らが“決める”ものなんです。決めるって決めないと、一生 決まらないものなんですっ(怒)」
このときのAさんは、豆鉄砲をくらったハトのような表情だった。
いつも温和で中立的で、温かな優しい雰囲気を放っていた Aさん。
研修の中で、色々なロールプレイやワークをするときも、全くもってAさんは主体性が“ゼロ”だった。
その姿勢は 一貫していた(笑)。
わたし 「そもそも、なんでこの“リーダー候補生”に手を挙げて、参加されているのですか? 参加のねらいは、どこにあるのですか? 何を決意して、また、どんな覚悟をして参加を決めたんですか?
Aさん、いいですか? リーダー候補生・・・なんですよね?」
Aさん 「あっ はい・・・・」
心の中で 絶叫していた(笑)。
〜あんたっ、そんなもんじゃ ないだろう〜
って。
〜もっと、しっかりしようぜっ〜
って。で、最後に。
わたし 「Aさん、この時間どうでしたか? 感じたことがあれば、教えて下さい」
Aさん 「はいっ 正直、ハッとしました。でも・・・何ていうか・・・自分にとって、よい時間でした」
人や馬やあらゆる事柄と関わっていくときの、私なりの“信念”があって、それを貫いたら・・・こうなっちゃった(笑)。
来週、また Aさんに会える。楽しみだな。
PS 写真は、イケ面で元気いっぱいのピクシス〜。凛々しい!