売春:企業の海外進出に伴い「風俗の輸出」拡大

中国、日本、カザフスタンの事例

 「あの子はキャンディー・パパ(若い女性と交際する金持ちの中年男性)に面倒見てもらっているね」

 中国でブランド品を身に着けた韓国人留学生が通ると、現地の人たちは陰でこのような話をするという。最近、韓国から来た一部の女子学生たちが、遊興酒店(日本のキャバクラのような風俗店)でのアルバイトに従事していることと関係があるというわけだ。

 山東省青島市では、遊興酒店を経営する中国人たちが「韓国のアガシ(未婚の女性)がいるよ」と言って客を引き込んでいる。ある韓国人は「韓国の女子学生たちは多額の金を出せば2次(売買春)に応じるが、まだ数が少ないため、中国人女性に比べ(売買春の)料金が高いといううわさが流れている」と語った。

 上海でも「夜のアルバイト」に従事する韓国人留学生が増えている。韓流の影響に加え「韓国人女性はきれいで、歌もうまい」という認識が広まり、現地の人たちの間で人気が高いという。中国ではアルバイトの雇用がそれほど多くなく、報酬が少ないというのも、韓国人留学生が風俗店で働く誘因となっている。留学生たちは、中国の富裕な商工関係者が多く集まる浦東地区にある遊興酒店のうち、韓国人がほとんど出入りしない店で働いているという。

 一方、日本を舞台にした「風俗の輸出」も深い歴史がある。現地の暴力団と癒着しているため、取り締まりや処罰のケースがほとんどない。地方都市の風俗街では韓国人女性が集団で風俗店を経営しているケースもある。だが、売買春によって身の安全が脅かされる問題も深刻だ。2009年9月、売春に従事していた済州道出身の女性がバラバラ遺体となって発見された。客と接触するため外出したところ、金の問題をめぐって口論になり殺害された。犯人は逮捕・起訴されたものの、殺意がなかったとの理由で懲役9年の判決にとどまった。

 「風俗の輸出」は韓国人の世界進出や資金の流れと密接な関係がある。韓国建設業界の関係者は、建設業など韓国企業の海外進出が盛んだった、05年から10年までのカザフスタンの事例について話した。同関係者は「当時、アルマトイなどの都市には韓国式の団らん酒店(遊興酒店と同様の風俗店)が10カ所ほど誕生した。隣接するウズベキスタンなどで飲食店を営んでいた韓国人たちが押し寄せ、2次(売買春)を含む韓国式の営業を始めるようになった」と語った。現地にはもともと、団らん酒店のような風俗店はなかったが、派遣された韓国人たちの「需要」に合わせて登場し、現地の女性たちに韓国式の教育を施して接待をさせたというわけだ。だが、2年ほど前に韓国企業が撤退したため、現在は大半が店を閉めたという。

上海= 呂始東(ヨ・シドン)特派員
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