リスクと向き合う:メンタルヘルス検査 焦る厚労省
毎日新聞 2012年05月03日 10時23分
行財政改革で人が削られても、業務は減らない。仕事のスピードも求められる。結果として、拙速でも「形」にすることが優先され、骨太な制度設計や政策の効果に関する検討がなおざりになっている面は否めない。村上教授自身も「医療制度改革では、根拠の薄い数字を『えいや』と決めた」と振り返る。
ただ、本質的な問題もある。官僚は間違えないという、いまだ残る「無謬(むびゅう)神話」だ。公共事業だけではなく、医療制度などソフト分野の政策でも「一度始まると止まらない」状態が起きている。問題に気付いても、取り繕う程度の修正しかしない。村上教授は「霞が関の政策決定プロセスを、客観的に検証する仕組みが必要だ」と訴える。
◇厚生労働省が標準例と示すメンタルヘルス検査の9項目
最近1カ月間のあなたの状態についてうかがいます。
(1)ひどく疲れた
(2)へとへとだ
(3)だるい
(4)気がはりつめている
(5)不安だ
(6)落ち着かない
(7)ゆううつだ
(8)何をするのも面倒だ
(9)気分が晴れない