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【グラニュース】


永井、2ゴール1アシスト

2012年6月17日 紙面から

 ◆名古屋3−2鹿島 名古屋グランパスはFW永井謙佑(23)が同点、決勝の2ゴールを決め、鹿島に競り勝った。仙台は柳沢の2得点などで札幌に快勝、勝ち点30で首位を守った。広島はC大阪を下し、勝ち点28で2位。浦和はG大阪に、川崎は鳥栖に勝ち、同25で並ぶ浦和が3位で、川崎が4位。小川が3得点した神戸は磐田を破り、西野監督が就任後の初白星。新潟は清水に勝ち、柳下新監督の初戦を飾った。ベルデニック監督が初指揮の大宮は柏に敗れた。

 降り続く霧雨が、ほてった体に心地よかった。仲間には頭をくしゃくしゃにされ、サポーターからは何度も名前を呼ばれた。先制を許したが、後半にひっくり返し、再び追いつかれても、突き放した。もがき続けた前半戦の鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような今季初めての逆転勝利。その主役は2ゴール1アシストのFW永井。5月15日のACLセントラルコースト戦以来、1カ月ぶりの得点、そして勝利をもたらした。

 2カ月以上も得点のなかった男が、突如覚醒したかのような衝撃的なパフォーマンスだった。1点を追う後半14分、藤本とのパス交換からゴール前に侵入。ゴールを背にしたままボールを呼び込み、振り向きざまに右足でニアサイドの天井をぶち抜いた。その7分後には密集の間を通す見事なスルーパスで金崎の逆転弾をアシスト。追いつかれた後の後半41分には、「無回転っぽくなったかな。とりあえずしばいたっす」という強烈な右足ミドルシュートで逆サイドのゴールを射抜いた。

 チームでのレギュラー奪取とともに、ロンドン五輪での活躍を掲げた今季。「夢生と一緒に行けたら最高っすね」と、苦楽をともにしてきた同い年の金崎とともに出場することを願っていた。飛騨古川キャンプでも同室。しかし14日に発表された予備登録メンバーに金崎の名前はなかった。直後、金崎と交わした会話は短かった。「入んなかったよ。がんばって」

 本大会18人枠のメンバー発表は7月2日。残りわずかとなったアピール機会で、永井は金崎の思いを背負った。「夢生がいれば自分としても心強かったけど、夢生の気持ちもしっかり自分がロンドンに持って行けるように、発表までしっかりがんばっていきたい」。宇佐美、宮市らが加わり攻撃陣のサバイバルが激化するなか、この3試合が正念場となることはわかっている。

 「いやあ、2回も入った」。それでも試合後、永井はあっけらかんとした表情で笑った。悲壮感は似合わない。ただ胸に秘めた情熱で、チームも五輪代表も引っ張っていく。 

  (宮崎厚志)

 

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