【釜山聯合ニュース】韓国初の原子力発電所、古里原発1号機(釜山市機張郡)の再稼動の是非を判断するため、同1号機の安全点検を行っていた国際原子力機関(IAEA)の点検団は11日、同原発の安全に問題はないとの点検結果を発表した。同原発は2月9日に全電源喪失が起こった後、稼動を停止した。事故を1カ月以上隠していたことなども明らかになり、廃炉を求める声が高まっている。
点検団はこの日、全電源喪失の原因となった非常用ディーゼル発電機を含めた発電所設備に問題はないとの点検結果を住民らの前で発表した。7カ国の8人で構成された点検団は今月4日から▼組織行政および安全文化▼運転▼整備▼運転経験――の4分野について点検を行った。
点検団は設備の状態は良好だと確認した上で、全電源喪失の隠蔽については安全文化の欠如と発電所幹部のリーダーシップ不足が原因だと指摘した。
これに対し、地元住民や市民団体はIAEAの点検結果は信頼できないと反発した。ある住民は点検団のうち4人が原子力産業界の従事者で整備関連の専門家が2人しかいない上、点検期間も短いと指摘した。
機張郡の呉奎錫(オ・ギュソク)郡主も「住民が求める専門家の入っていない点検の結果は受け入れられない」と住民の合意なしの再稼動に異議を唱えた。
「IAEAの点検は信頼できない」と声を上げる地元住民ら=11日、釜山(聯合ニュース)
この日、「脱原発」を掲げる市民団体などが記者会見でIAEAの点検の無効を訴えたほか、点検団の施設への立ち入りを阻止するデモも行われた。
古里1号機は1978年4月に商業運転を開始。設計寿命を迎えた2007年6月に運転を停止したが、政府が10年間の運転延長を承認し、2008年1月17日に再運転した。
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