できたーーーー
一番長いーーーー
取り敢えずドウゾーーーーーーーー
LP:0002 ~始まりに至る追憶 前編~
さて、お久しぶりだね諸君
<Mr.>から急ぎでこの新たな新天地に飛ばされて早十年……何? 時間が立ちすぎだと?
ははは、少し待ちたまえ 順を追って話すつもりなのだから
まずは周囲の現状の確認と行こうではないかね
私がいるのは鬱蒼と木々が生い茂る密林と言っても差し支えない大森林――まぁ、ここは私が木々を吹き飛ばして開けた場所と化しているが――
そんな私を驚いた表情で見上げている<<・・・・・・>>小柄な少女と私に嬉しそうに擦り寄っている小さな竜――人と私以外の竜を見たのは此方に来てから初めてだ――
……さて、どうしたものか
そんな思考と共に私は此処までに至る経緯を十年前から思い返していった――――――
――――――――――――言うなれば現実逃避である
――――十年前――――
再び意識が現実を認識したとき私は森の中にいた
周囲を見渡しても樹樹樹、完全な密林であり人の手が入っている様子がないことからも相当な奥地なのか秘境なのか……
まぁ、周囲の確認はこれくらいにして自分の状況を……?
おや? 先ほどと変わらず此処に存在しているが存在していないような……?
[access]
ん?これは……
[対象トノ接続ヲ確認]
私に何かがつながる感覚……
[……聞コエマスカ?]
おお!! <Mr.>! どうしたのだ? 君も来ているのかね?
[否定、貴方ヲ転生サセタ時ニ発生シタ経路ノ残滓ヲ使ッテ限定的ナ通信ヲ行ナッテイルダケデス]
ほぅ……、どうしてそんなことを?
[伝達事項ガ残ッテイタノデ]
伝達事項? ……何故か嫌な予感がするが聞こうではないかね
そう、長年の夢が叶った私は嘗てないほどの心のゆとりを感じているのだから―――!!
[このままだと貴方消えますよ?]
ハキハキととんでもないことをいわれてしまったがねーーーー!?
[短い第二の人生でしたね…ざまa……ご愁傷さまです]
なかなか辛辣だね<Mr.> しかしまさか開始数分の命となろうとは……驚きだね!?
ギ〇スにでも申請しようか悩むところだよ
[拒否されて終わりかと………冗談はこれくらいにして]
それもそうだね……詳しく教えてもらえるかね?
[肯定…今の貴方は存在自体がこの世界にとってイレギュラーであり、貴方の存在が不安定なのは世界が修正をかけているためです]
なんと!? 私の敵は世界だというのか………ワールドワイドとはまさにこのこと!
[……(#^ω^) 話を続けます]
? うむ、続けてくれたまえ
[それを防ぐために貴方はこの世界の一部として存在を確定する必要があります]
[適当に其処らの人間の子供として生まれる等の方法が手っ取り早いのですが、何処かの阿呆が人外になりたいなどとほざきやがってくださいましたので私が出張ってくる羽目になりました]
成程、それはすまなかったね<Mr.>
私としたことが君に迷惑を掛けてしまうとは……
[…まぁ、取り敢えずさっさと始めましょう 今現在にも貴方は世界から否定されているのですから]
おお!? 確かに心無しか私という存在が薄くなってきているような……
取り敢えず方法を教えてくれないかね<Mr.>?
[肯定、貴方に与えた竜種の因子を強くイメージしてください 自身の内面を強く認識することが重要ですので]
了解した、では世界に向かって宣言しようではないかね………
『接続<<アクセス>>』
私は此処にいるのだと―――――――!!
私のナカを見る 観る 診る 視る――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――そして
――――起動
―見つけた
――――――――認識
―私の起源
――――――――――――承認
―私の全て
――――――――――――――――我らが王が、此処に生まれ落ちた
私の愛しき眷属であり同族であり同胞であり傀儡であり戦友であり――――
我らよ吼えろ、叫べ、高らかにコエをアゲヨ――――
――――――――――――――――そして、私そのものでもある<彼ら>を
我らが王を世界に刻みつけるために―――――――
『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!』
咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮、咆哮
私を構成する全ての<彼ら>が高らかに吼える、朗々とコエを上げる
新たな生に対する歓喜に彩られた<彼ら>のコエが私のナカで響き渡る、その溢れんばかりのイノチの躍動が私を此処にいると世界に刻みつけていく
堂々と宣言し、高らかに体現し、荘厳に表し―――――――
――――――<我らは、此処にいる>――――――
[充分です、お疲れ様でした]
<Mr.>の声を皮切りに私の意識は浮上した
まだまだ矮小な身である私では全ての<彼ら>との顔合わせは些か苦であったのだろう
「………ふぅ」
私は一息ついた<<・・・・・>>
―――――――ん?
「これは……」
私は声を出している……そう喉を震わせ声を響かせているではないか!!
「成功かね<Mr.>!?」
[ええ、成功です オメデトウゴザイマスww]
「有難う<Mr.> しかし、なぜ笑いをこらえているような声なのだ……?」
そこまで来て漸くというべきか、私は違和感を覚えた
――ふむ、些か声が高い気がするな?
[御自分の御姿を見れば分かるかとww]
そう言われて私は自分自身の肉体に意識を向けた―――
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………[例えるならば白の体現とでも言えばいいのだろうか
―――まず目に付いたのは腰ほどまである長い純白の髪、風になびく髪は触れてみると絹を梳いているかのような手触りだった
―――手足は長く躍動的な印象を受け、女性的な柔らかさを保ちつつ儚さや弱々しさなどを感じさせない
―――美しく整っている顔の造形の中でも特に目を引くのは瞳、血のように紅い深紅に染まっておりその眼差しからは意志の強さが窺える
―――そして胸部において激しく自己主張している二つの膨らみ―――結構でかい―――が否応なしにこの体の性別を決定づけている、そう女性である]
「私を差し置いて何故君が評価しているのかね…しかも無駄に褒め称えて」
[自信作ですので]
「犯人はここにいた……!!」
ご丁寧に私が見やすいようにと姿見用の鏡が出現している
(何処から持ってきたのかと聞いたら黙秘権を行使すると言われた)
「まぁ……確かに客観的に見ても奇麗所の部類には入るだろうな、コレは」
年齢は二十歳前後あたり、身長は170近くと女性としては大きめだろう
アルビノを思わせるような風貌だがそれでいて弱々しさを感じさせない
<Mr.>が自信作と言うのもうなずける話だ
[…………]
「? どうしたのかね<Mr.>?」
[………いえ、期待していた反応と異なっておりましたので]
「??? それはどういう意味かね?」
[性別が変わっている事に対しての反応です、予想していたよりもアッサリとしていたもので]
「ああ、そういうことか」
此方の反応を楽しみたかったとは……良い性格をしている、流石は<Mr.>
「確かに最初は自身の正気を疑ったものだがね……しかし<Mr.>、冷静に考えてみると以前は男として生きたのだから次の生は女として生きるのはそうそう悪いものではないと思うのだよ私は」
[はぁ……]
「以前の人生では味わえなかったことを体験するのも転生の醍醐味というもの、なればこそ以前では体験できなかった女としての生を体験できるのも転生の醍醐味と言えるだろう……いや、一様私は竜なのだからメスなのか?」
[ナルホドー(棒)]
「おざなりな返答有難う<Mr.>………まぁ、確かに私としても慣れるのが早すぎるとは思うのだが…このような性格だったのだろうか?」
[ふむ………………………………(アレ<<・・>>の影響でしょうね……黙っていよう、面白そうだし)]
「しかし、私は人外を所望したわけであって美女になりたいと思ったわけではないのだが」
[……実行した私が言うのもなんですが面の皮厚いですね貴方]
「そう褒めるな<Mr.>、照れてしまうではないか」
[(; ̄д ̄)……その姿は貴方の一部、いうなれば擬態みたいなものです]
「擬態? この姿がかね?」
[肯定、この世界は確かに人外魔境なんか珍しくもなんともありませんが人が存在しないわけではありません。もしもの時に面倒ごとを避けるためにも偽装の手段は幾つあっても足りません……只でさえ貴方の存在はこの世界でも異常と言われても仕方ないのですから]
[故にソレは私からの餞別です]
「そうか<Mr.>私の事をそこまで考えてくれて――」
[面倒事を起こされると寝覚めが悪いです]
「――私の事を考えてくれていたのだね!」
[……(都合のいい耳デスネー)兎も角、一様はそれも貴方の一部ですので理解しなさい]
[竜種への『転身』と『召喚』も問題なく使えるのであとは自分で頑張りなさい]
「むぅ、あちらで聞きそびれたことをもう少し聞きたいのだが……」
[拒否、あの説明自体殆どサービスの様なものです 甘やかすのは良くないと偉い人は言ったそうです]
「そうか、それならば仕方ない……新たな知識を自身で見つけ、広げていくのも楽しみの一つとしようではないか」
[そういうことです]
[そrljrigboetlgmre;……eroorrrrr…修正]
[…………そろそろ限界のようですね]
……<Mr.>に言われずとも気づいていた
先程感じた繋がりのようなものが少しずつ薄れていくのを
「そのようだね……これで君とはお別れかね<Mr.>?」
[肯定、再び相見えることはないでしょう]
そう<Mr.>は素っ気なく言った
まぁ、<Mr.>にとって私は今まで対応してきた有象無象の一つと変わらないのだからその反応もうなずけるというものだ
「そうか…それは残念だ、君とはもっと語り合いたかったのだが」
私としてはこれは偽りのない本心である
ここまで世話になった<Mr.>に対しては私は常に感謝の念を抱いていると行っても過言ではないのだから
[………(何か嘘くさいことを考えている気がする)]
[時間です……対象トノ接続破棄ヲ開始]
[界層ノ修正ヲ開始]
……どうやら正真正銘のお別れのようだ
ふむ……ならば先程から考えていたことを宣言しておくとしよう
「<Mr.>」
[……ナニカ]
「アチラの時にも言ったがもう一度言わせてもらおう……有難う、世話になった」
「君にとって私との語らいも作業の一貫なのだろう、先程のサービスとやらも含めて」
「それでも私にとっては全てが感謝するに値する事柄だ」
「そして何より君を私は好ましく思っている、だから……」
「…………私は君を友と呼ばせてもらうよ」
[……………!?]
「君にとっては迷惑だろう、このような有象無象から友人扱いされるなど」
「だからこれは私の我侭だ、君は気にしないでくれたまえ」
「どうせもう会うことは無いのだろう? ならば私は勝手に君の友だと自称させてもらうよ」
「………それくらいは許してくれたまえ」
[……………………………………]
「<Mr.>? どうしたのかね?」
[全シークエンス一時停止]
[………いいでしょう]
「?」
[ですから……友人を名乗るのを許可します……と言っているのです]
「<Mr.>……!」
[……どうせもう会うこともないのです、ならば好きにすればいいでしょう………勝手にしなさい]
「……ははは、そうだね、そうさせてもらうよ」
「んー、そうだね…なら、<Mr.>もう一つ提案があるのだがいいかね?」
[これ以上何を言うつもりなんですか貴方は……]
「なに、簡単なことだよ ……別れの際はさよならではなく……また会おうとでも言おうではないかね」
[……何故?]
「なに、自己満足の様なものだよ」
「そう言った方が友人らしいと思わないかね? それに………そうしたほうがまた会った時に丁度いいだろう」
[ですから私たちが出会うことなどもう……]
「それでもだよ」
[……]
「それでも……思うだけなら、願うだけならタダなのだ、損はないと思うよ私は?」
[…………本当に……貴方はそう……]
………どれ位たったのだろう、短くとも長くとも感じられた時間の中<Mr.>の声だけが響いた
[…………全シークエンス再開]
[界層修復完了、check……Allgreen]
[接続破棄ヲ再開]
その言葉と共に<Mr.>が遠のいていく感覚がまたやってきた
「<Mr.>!」
先ほどとは比べ物にならないほど早く<Mr.>の存在が遠のいていく……
………そんな中
[これで最後だと私は思っていますが…………]
[………ええ、そうですね、確かに思うだけなら損はないでしょう]
[…………………また会いましょう、私の初めての友]
そう、確かに<Mr.>が言ったのを私は聞いた
…故に私の返答は決まっている
「……ああ、また会おう友よ!」
―――――これが今の私の最も古い記憶
―――――大切な友人との一時の別れ、そして私という存在が始まった日である
うん……?
おかしい、キャロとの邂逅のハズが主人公がボケて<Mr.>がデレて終わっている……だと…!?
なんか書いているうちに<Mr.>をピンキリキャラにするのがもったいなくなってしまいこのような形になってしまった
今回で原作突入を期待していた方がいらっしゃったなら謝罪を…
申し訳ない、主人公の特訓部分を軽く書きたいと思っているのでもう少しだけお待ちいただきたい
まぁ、実際いきなり能力貰って人間やめていざ無双!!
とか普通無理だと私の中では思っているので修行ないし自分を理解させる描写はいれたいとおもっているのでご了承ください
長文失礼しました
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