<前回までのあらすじ>
焼肉臭を嗅ぐと記憶を失ってしまう特異体質の智子。増田の車は焼肉ガムで気を失った智子を乗せたまま河口湖に向かう。
車が軽い段差を乗り越えたときの衝撃で智子は目を覚ました。
増田がウィンドウを下げてドアの外の人影に何かを話している。
「大丈夫です。ちょっと気分が悪く眠っているだけです。」
「増田さん、ご苦労様。早く智子を中へ。」
女だ。しかも若い。そして聞き覚えのある・・
・・・・!!・・知佳子!知佳子だ。
「知佳子!どうして?」
「智子、ごめんね。説明している時間はないの。」
助手席のドアが開かれると、増田にぐっと腕をつかまれ車外に出された。8月の湖面を通ったしっとりとした風が智子の肌にまとわりつく。
ここが例の焼肉屋なのだろうか?湖の対岸に街らしい灯りが見えたが、智子の立っている場所だけでは、ここが河口湖であるかどうかの判断はできない。ただそこには湖が見える場所に焼肉屋があるだけだ。知佳子に促されるまま店内に入っていく。
「智子、肉臭するけど気はしっかり持ってね。」
知佳子が引き戸を開けると、中は普通の焼肉屋だった。壁は脂をみっしりと吸い込み色が変わっている。50も半ばといった眉毛の濃い店主と思われる男が厨房の中にいた。
「いらっしゃい。お好きなところにどうぞ。」
「ちょ、ちょっと何でこんなところに連れてきたのよ、知佳子!」
「・・連れてきた?あなたに来てもらったのよ。」
<次回予告>
いったいこの店は?知佳子の正体は?・・明らかに!!
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