中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

巨人、セ初の交流戦V 15安打10点、ド派手に決めた

2012年6月17日 紙面から

◆巨人10−1楽天

 プロ野球の「日本生命セ・パ交流戦」で、巨人が16日、初優勝を決めた。マジック1で迎えた巨人は、Kスタ宮城での楽天戦に10−1で快勝。交流戦8年目で初のセ・リーグチームの優勝となった。巨人には賞金5000万円が贈られ、全日程終了後に発表される最優秀選手(MVP)も巨人から選ばれる。

 無敵巨人の第一歩を記した。盤石の先発陣。小技を覚えた攻撃陣。開幕7連勝で発進した今年の交流戦。

 パの6球団を寄せ付けず、一度も連敗せず、1試合を残して17勝6敗。優勝トロフィーを手にした原監督は「ちょっと時間はかかりましたけどね。一歩踏み出せたのはセントラル・リーグとしても良かった」と喜びをかみしめた。

 交流戦期間の強さを凝縮したようなメモリアルゲームだった。「(得点の)バリエーションが増えた」という打線がつながり、相手のミスも絡んで初回に4点。2回には本来の持ち味である坂本の一発などで加点。序盤で勝負を決めた。

 交流戦の開幕を控えたミーティング。原監督は選手に対して打倒パを呼びかけた。「優勝を狙おう」。手応えはあった。さらに、「そういうこと(優勝)を意識して戦ってみたい」というセの指揮官としての野望もあった。とはいえ、自ら「初めて」と認める優勝宣言には、チーム関係者も目を丸くした。

 その号令にG戦士たちは鋭く反応した。阿部が、長野が、内海が、「優勝します」と次々に宣言。優勝に向けたムードは徐々に高まっていった。

 ただ、指揮官の発言にはしたたかな計算も含まれていた。実際に優勝が近づくと、「優勝」の二文字を口にすることはなくなった。「意識はあるか」という質問には「答えるのは終わってから」と応じ、マジック2が点灯した13日には「当面の目標は違うところにある」とかわした。

 2年前。原監督は交流戦優勝の意義をこう説明したことがある。「必然的にペナントレースで優位に立てること」。最終目標は覇権奪回。「優勝を狙う」の掛け声は、パを踏み台にしてセ界制覇に突き進む合図だった。狙い通りの戦いができた。原監督になってから交流戦で勝ち越した年は、いずれもリーグ優勝している。V率100%の吉兆データも得た交流戦となった。

 歓喜の輪が緩んだ後、原監督の目はすでに先を向いていた。「ペナントレースはこれからが佳境。このチーム状態を保ちながら、さらに上を目指していきたい」。交流戦を制したとはいえ、最も重要なペナントレースでは中日が首位に立っている。喜ぶのはまだ早い。巨人の進軍は、始まったばかりだ。 (井上学)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ