大飯再稼働:電力自衛策は緩めず 関電管内企業
毎日新聞 2012年06月17日 09時16分
関西電力の大飯原発3、4号機の再稼働決定に、関電管内に生産拠点を置く企業を中心に安堵(あんど)の声が広がった。ただ、同原発2基がフル稼働するまでは関電管内の15%の節電要請に変更はなく、電力不足への懸念はなお根強い。自衛策を緩めない企業も多く、決定まで時間がかかったことなど政府への不満も聞かれた。【宮崎泰宏、鈴木一也、立山清也】
「計画停電がないという流れになるのであれば、感謝したい」。シャープの奥田隆司社長は安堵の表情を浮かべた。液晶パネルを生産する堺工場(堺市)は24時間の電力供給が欠かせない。7月以降は、資本業務提携する台湾の鴻海精密工業向けにもパネルを増産し、工場の稼働率を現状の3割から9割に高めるだけに、停電だけは避けたかったためだ。