中国が米軍のスペースプレーン「X37B」に対抗し、それに似た「神竜」という航空機を開発しているもようだ。13日付香港紙・信報が伝えた。X37Bは米国の空軍、航空宇宙局(NASA)、ボーイング社が巨額を投じ、開発を進めているもので、その目的や実体は完全には公表されていない。
信報は中国の衛星テレビ局「湖北衛視」の報道を引用し「中国も『神竜主軌道航空機開発』で、2年という短い期間に4件の重要技術で成果があった」と伝えた。また「ロケット発射機から推力を得る重大な技術的成果があり、既に技術の成功を宣言した」とも伝えた。昨年初めには陝西省のテレビ局も神竜の試験飛行を報じた。当時専門家は、米軍のX37Bが初の試験飛行を行い、地球に帰還した直後、中国が同様の試験飛行を実施したことは驚くべき技術レベルだと評した。
米軍のX37B開発プロジェクトは、1999年に始まり、現在2回目の試験飛行を実施中だ。昨年3月5日にフロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられたX37Bは、当初の飛行予定期間270日をはるかに超えた現在も軌道上で任務を遂行している。一部にはX37Bの飛行延長について、中国の宇宙ステーション「天宮1号」の監視が目的ではないかとの見方もあるが、専門家は毎秒数千メートル移動するX37Bが天宮1号を監視するのは困難だと見ている、と英紙デーリーメールは報じた。X37Bのように翼があるスペースプレーンは、宇宙では宇宙飛行船、大気圏内では通常の飛行機となり、滑走路に着陸できる。このため、繰り返し使用することができ、さまざまな装備を搭載できる。
米軍のX37Bプロジェクトを注視している中国の専門家は、同機が地上偵察など軍事目的で広く使用されるとみている。米国海軍大教授で中国問題に詳しいアンドリュー・エリクソン氏は「中国は米国の宇宙ステーションの指揮、コントロール、通信、偵察能力に追い付くために努力している。両国は既に到来したスペースプレーン時代のライバルだ」と述べた。