関西電力大飯原発3、4号機をめぐり、再稼働を正式決定した16日午前の野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚の会合が終了していない段階で、関電が「再稼働の準備を指示された」と説明し、混乱する場面があった。同社は、担当者が経産省資源エネルギー庁職員から会合の終了見込み時刻を聞いた際の「勘違い」が原因としている。
閣僚会合は、午前10時57分から11時32分まで首相官邸で開かれた。その最中の11時20分前後、関電は、資源エネ庁から「再稼働を政府として判断したので、準備作業に直ちに取りかかること」との指示が電話で「11時13分」にあったと報道各社に説明。その後、指示を受けたのは「11時33分」と訂正した。
関電や資源エネ庁によると、同社東京支社の担当者が午前11時すぎ、枝野経産相に同行した同庁職員に電話し、会合の終了見込みを尋ねた。職員は「予定より早く進み、11時10分ごろ終わるのではないか」と答えた。
それを聞いた担当者は「11時10分すぎになれば、再稼働の準備に取りかかってもよい」と早合点。関電によると、担当者が指示時刻を「11時13分」と勝手に決め、社内各部署にメールで連絡した。八木誠社長は同日、東京支社長を厳重注意した。
資源エネ庁関係者は「当庁が会合が終わったのか確認せず見込みを伝え、関電が早合点した。双方とも対応が良くなかった」と反省していた。(了)
八木誠(やぎ・まこと)
[時事通信社]