2012年06月12日 大阪市南エリア/生活
共同記者会見でがっちり手を組むレスラーと阪上会長、斉藤副社長。斉藤副社長は格闘技好きで「大阪プロレスは利用者の方々と一緒に観たのが初めてだったのですが、こういったエンタメ系もいいですね!
大阪プロレス代表取締役会長・阪上雄司氏は「プロレスは他のスポーツに比べ(選手の)年齢が高く、プロレス界(全体で)も高齢化が進んでいます。年齢的、あるいは故障してリングに上がれなくなった時、大阪を盛り上げようと体を張って闘ってきたレスラーを何とかできないか、代表として考えていました」。そこで、介護に着目した。
「レスラーは力もあり、サービス精神も旺盛、コミュニケーション能力も高いです。今までやってきたことを最大限に活かして、お年寄りを元気にし、社会貢献できる、仕事にもなる。(大阪プロレスの)会場にも高齢の方が少なくありませんし、みなさん喜んで帰られます。(施設を利用する)お年寄りが『施設に来て1日終わり』ではなく、『施設に来た時よりも元気になって帰っていく』という仕事が(将来的には)できればと考えています」。
「茶話本舗」を慰問したビリーケン・キッド選手とえべっさん選手。両選手ともに介護のイメージが変わったと話す。「自分たちが元気をあげようと思っていたのに、元気をもらいました」(ビリーケン・キッド選手)
レスラーたちも本気だ。同団体の人気レスラー・ブラックバファロー選手は「自分は18歳からこの世界に入り、今37歳。レスラーの寿命は長いですが、いつ怪我をして仕事できなくなるか、というリスクと隣り合わせです。そうなったとき、(レスラー一筋で生きてきた自分が)家族をどうやって養っていくか、考えます。(阪上氏から)セカンドキャリアの話を聞いて、介護なら、と思えました。リングに上がって観客の皆さんに感動を与えてきたレスラーとして、慰問やレクリエーションなど、少しずつ協力していき、できることから勉強していきたいと考えています。また、介護職がお年寄りを元気する素晴らしい仕事であるということを発信したいと思います」。実際に慰問に行ったビリーケン・キッド選手とえべっさん選手も「お年寄りが楽しそうで、自分たちが元気をもらいました。自分も年をとったら、こういった場所にいたいです」(ビリーケン・キッド選手)「利用者の方々がイキイキしていました。年をとるにつれてイキイキできる(環境をつくる)介護という仕事のイメージが変わりました。プロレスラーというキャリアを活かしながら、携わっていきたいです」(えべっさん選手)。
「実は私も格闘技好きなんです(笑)。介護とプロレスがタッグを組み、両業界を盛り上げ、日本を元気にしたいと考えています」(斉藤氏)「介護とプロレスは接点がないのではありません。レスラーもそうですが、みんな(年をとり)介護には関わります。若手レスラーたちも、自分たちがプロレスをやる意義を見つけられますし、大阪プロレスにとっても良い経験になると思っています」(阪上氏)。
一見、介護とプロレスは関連性がないと思えるが、意外とこのタッグ、最強なのかもしれない。
(松尾英隆)