なぜ、大阪だけ保護率が突出か
生活保護は、インターネット上で、「ナマポ」と呼称され、どうすれば申請が通るかなどの具体的な情報交換が日夜行われている。財政難はさらに厳しくなることが予想されるのに、働きもしないで毎月収入を得ている人間が、この日本に208万7092人(2011年12月現在。厚生労働省調べ)いる。受給者の増加に伴って、不正受給も増えている。10年度の不正受給は全国で2万5355件あり、128億7426万円に達した。
なかでも、全国で最も生活保護受給者が多い町として知られている大阪の状況はひどい。保護率は、大阪府全体で3.36%。全国平均が1.62%だから2倍以上だ。さらに大阪市だけだと5.71%に跳ね上がる。これは指定都市別のランキングで断トツの1位。市では、日雇い労働者の町「あいりん地区」があることや、失業率、離婚率、高齢者の割合が高いことが原因だと分析しているようだが、「大阪は生活保護をもらいやすい」というイメージが先行していることが背景にある。
これまでの大阪府や市の行政が悪いわけではないだろう。近畿、中国、四国等、大阪に近い地方で職を失ったり、過疎化が進んで生活に行き詰まったりした人々が「大阪に行けば何とかなる」と集まってくるのだ。大阪市の調査によると、新規に生活保護を申請した人のうちの1割が、6カ月以内に転入したばかりだった。
あまりに大阪市の生活保護申請が増えるので、「他の自治体が、生活困窮者に大阪行きの片道切符を渡している」という話がささやかれたほどだ。
生活保護をもらう生活は魅力的だ。大阪府内の場合、最低賃金は時給786円。1日8時間ずつ週5日間、4週間働いたとすると、月給は12万5760円となる。一方、国民年金を40年間きちんと払った人に対する月々の支給額は月額6万5741円。
しかし、生活保護の基準額は大阪市のあるケースで、生活扶助7万9530円と住宅扶助4万2000円の計12万1530円に加えて、医療扶助で医療費は無料だ。40年間まじめに働いて、国民年金を納めてきた人の2倍近い額を、まったく働かない人がもらえることになる。こんなオイシイ話はない。勤労者をバカにしているし、財政悪化にもつながる。