橋下「国政見送り」発言のなぜ
【政治・経済】
再稼動で負けてヤル気減退
橋下は10日記者団に、「もともと都構想を目がけて国政進出すると言ってきた。あくまでも(都構想の)法案成立が第一の目標だ。何か大きな大義がなければ(進出しない)」と発言。既に8日の記者会見でも、「法案が成立すれば(国政進出を)積極的に考える必要はないんじゃないかなと思う」と明らかにしていて、再び強調した形だ。
なぜ、このタイミングで国政断念を口にし始めたのか。維新の会の関係者がこう言う。
「維新の会の政策は都構想がメーン。ところが、法改正以前の問題として、市内の区割りをどうするかなど具体的な議論は全く進んでいない。いつのまにか次期衆院選に候補を立てることが目的のようになっていた。もう一度、本筋に戻そうということでしょう。もちろん、民主党や自民党に『早く都構想を進めろ』というメッセージでもある。国政に進出しないとなれば、彼らは必死になるでしょうから」
地元記者は橋下のヤル気が「萎(な)えてきた」と解説する。
「大飯原発の再稼働問題では、電力会社や経済界だけでなくアチコチから圧力を受け、結局負けた。それで、政府とか大政党と戦うことに嫌気が差しているようです。自分の意思と関係なく、周囲が国政進出で暴走しているので、一度、熱を冷まそうという気もある」
もっとも、08年に府知事になる前は「2万%あり得ない」と否定しながら出馬した男だから、いつ「やっぱり国政進出が必要だ」と言い出すか分かったものではない。