違法ダウンロード:罰則を科す法案 審議なく衆院を通過
毎日新聞 2012年06月15日 17時09分(最終更新 06月15日 19時25分)
音楽や映像を違法に複製した海賊版をインターネットを通じてダウンロードする行為に罰則を科す著作権法の改正案が15日、衆院本会議で可決され、参院に送られた。来週にも成立する。衆院本会議に先立つ文部科学委員会では刑罰にかかわる部分の審議をせず、法曹関係者などから「言語道断」と批判する声が上がっている。
映像や音楽の海賊版をネット上に配信するアップロードは最高懲役10年が科されている。ダウンロードも2010年に違法になったが、罰則は「違法性が軽微」として見送られた。文化審議会著作権分科会も刑罰化に結論を出していない。しかし音楽業界の「違法化後も被害が減らない」との主張を受け、自民、公明両党が刑罰化を求め、民主党も受け入れた。
15日の衆院文科委では政府提出の著作権法改正案の質疑終了後、自公が違法ダウンロード刑罰化を修正案として提案。質疑や参考人招致を省き、自公民の賛成多数で可決された。
民主党議員らは「与野党で合意したから(質疑は不要)」と説明したが、宮本岳志氏(共産)は反対討論で「人権にかかわる重大な内容なのに、委員会運営を強引に進めた」と批判した。