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【社会】

支払い直後、間一髪職質

高橋克也容疑者の身柄が確保された漫画喫茶=15日午前11時50分、東京都大田区西蒲田で

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 「高橋か?」。支払いを済ませて漫画喫茶から出てきた男は、警視庁の捜査員に尋ねられると、静かにうなずいた。十五日朝、地下鉄サリン事件の殺人などの疑いで逮捕された高橋克也容疑者。漫画喫茶にいるという情報を受けた警視庁の捜査員は、現場に急行、午前九時十分ごろ、店周辺に張り込み、待機した。

 到着からわずか十分後、高橋容疑者に似た男が店外に姿を現した。捜査員は急ぎ近づいて、問い掛けた。すぐに職務質問に入った捜査員。男は、高橋容疑者と認め、蒲田署に任意同行した。

 捜査員の現場到着があと少し遅れていたら、入れ違いになる可能性もあっただけに、間一髪の攻防だった。

 捜査関係者によると、高橋容疑者は任意同行された際、薄い灰色の半袖ポロシャツに青いジーンズ、茶色い靴をはいていた。公開されていた写真の印象よりやせている。顔には無精ひげをたくわえていた。逃亡直前、二百三十八万円を引き出した川崎市内の信用金庫の防犯カメラにとらえられたメガネとは異なる黒縁メガネをしていた。

 荷物は茶色いボストンバッグと黒のビジネスバッグ。現金については「四百七十万円持っている」と話しているという。

 高橋容疑者の身柄が確保された漫画喫茶は、JR蒲田駅から歩いて五分ほど。飲食店がひしめく繁華街を抜けた、夜間は人通りが少ない裏通りに面した雑居ビル一階にあった。店前には逮捕の報道で数百人が詰め掛け、騒然となった。店でアルバイトしたことのある男性によると、店内には会員登録が必要な個室スペースと、登録なしに入れるフリースペースがあるという。

 登録するには申請書に住所や名前を書き、店員に運転免許証や学生証を見せて身分確認する。個室スペースには通路の両側に、高さ一・五メートルほどの壁で仕切られた個室が三十室ほど並ぶ。個室内に座いすとパソコンがあり、引き戸の出入り口に背を向けて座るため、通路から顔は見えない。料金は夜間の七時間で九百円。専門学校生は「個室内は狭く、横になると脚が壁にぶつかるくらい。蒲田の他の店よりパソコンの性能が劣るけど、料金が安いので、寝泊まりに使っている人もいる」と話した。

 また、登録が不要のフリースペースはソファなどが並び、利用者の顔は見える状態。両スペースやカウンターには防犯カメラが複数設置されている。

 

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