福井県おおい町の関西電力大飯原発３、４号機の再稼働問題で、西川一誠知事は１５日、関電の八木誠社長と会談し、安全対策の確実な実行を求めた。政府が再稼働の前提とする「地元の理解」を巡っては、西川知事に１４日、おおい町の時岡忍町長が「容認」、県議会主要会派が「一任」の考えを伝えており、西川知事が１６日に野田佳彦首相に再稼働同意を伝える予定だ。

　関電の安全対策については、福井県が福島第１原発事故直後から国に先駆けて工程表の策定を要請。県原子力安全専門委員会は今月１０日、「福島第１原発事故を教訓に想定すべきとされる地震・津波が来襲しても、原子炉の安全を確保するために必要な対策はできている」と評価した。今後、免震事務棟（１５年度運用開始予定）や防潮堤（１３年度完工予定）などの設置が予定されている。

　西川知事は「福島事故で失われた安全を取り戻すべきだ」と述べた上で、事故時の指揮命令系統や特別な安全監視体制の迅速な確率、中長期の実施工程の早期実現を求めた。八木社長は「福島事故の重大性を痛感している。二度と起こさない固い決意のもと、県の指導を受け、安全向上対策に全力で取り組む」と答えた。【佐藤慶】