政党で初めて視察 公明、再エネ普及などに全力
福島事故を繰り返すな
公明新聞:2012年6月13日付
脱原発依存
もう二度と、東京電力福島第1原発のような事故を起こさないために、「原発に依存しない社会」に向け、さらに力強く取り組んでいかなければならない。
公明党は先日、政党として初めて福島第1原発の敷地内を視察した。そこでは東日本大震災の発生当初から、昼夜を分かたず懸命に作業に従事する人たちの姿があった。
視察した山口那津男代表らは、業務内容を説明する作業員に「ご苦労さまです」と声を掛けながら、現場をつぶさに見て回った。
応対した高橋毅所長によれば、事故後は業務を通じて、累積の放射線被ばく量が健康に影響が生じ始める目安とされる100ミリシーベルトを超える作業員も相次いだという。
想像を絶する過酷な環境の中で、日々、黙々と業務に当たる作業員の方々に対し、心から感謝と敬意を表したい。同時に、原発が事故に至れば収束は容易ではないことを、あらためて痛感せざるを得ない。
山口代表は視察後、作業員の「健康管理、安全確保に万全を期す必要がある」と述べるとともに、作業工程や廃炉に向けたプロセスの前倒しが必要との見解を示した。
政府は一日も早い安全確保のために、検討を急いでもらいたい。
政府の予測によれば、福島第1原発周辺の避難指示区域では、10年後でも原発事故前の人口の18%、15年後でも10%の住民は避難を続けなければならないとされる。
住みなれた故郷に戻りたくても戻れない人たちの気持ちを考えると、胸が締め付けられる思いだ。
今後、誰一人として、同じような苦しみを味わわせてはいけない。そのためには、原発に依存しない「安全・安心エネルギー社会」への転換を急ぐ必要がある。
公明党は太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及や、電気使用量の「見える化」などによる思い切った省エネ・節電の推進、燃料の約6割分を廃熱として捨てている火力発電の効率化などに力を注ぎ、「脱原発依存」を具体的に進めていきたい。
原発の再稼働については、福島原発事故の教訓を踏まえて新たな安全基準を作り、それに応じた対策を講じることが先決だ。
野田首相は福井県の関西電力大飯原発の再稼働を表明したが、肝心の安全確保に対する懸念が拭い切れない。
しっかりとした安全基準を作った上で、早急に必要な対策を進めていくべきである。
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