今話題のOpen Graphについて、調べてみました。
Open GraphによってViddyなどは急成長
TechWaveにも紹介記事がありますが、「オープングラフ」の導入によって、爆発的にユーザー数を伸ばしたスタートアップがちらほら存在します。Viddyはその一つで、7日間で1,700万ユーザーを追加獲得したとか。
こうした「オープングラフ」の集客力が、今アプリ開発者やマーケターの間で注目を浴びています。
Facebookのアクションを自動的にシェア
難しい開発の話はさておき(僕も分からないので笑)、「Open Graph」を導入することで、自動的にユーザーの情報がフェイスブック上でシェアされるようになる、というシンプルな理解がおすすめです。
例えば写真・動画共有アプリ「mobli」は、投稿時だけでなく、「閲覧(View)」「Loveボタン」「フォロー(Watch)」などのアクションも自動的にフェイスブックでシェアされます。ユーザーは無意識的に、友人に何のビデオを見ているのかを共有してしまうわけですね(スパム、プライバシーの問題については後述)。
ニュースフィードの速度やアクションの重み次第ですが、基本的には「ティッカー」に掲載されます。あとはタイムラインの「アクティビティ」にも残っていきます。
この文脈におけるOpen Graphは、大別して「Action Verb」「Action Link」の二つがこれまで提供されています。
「Action Verb」とは?
最初に導入されたのがAction Verb。上で見ているように、様々なアクションを動詞を定義して、自動的にシェアすることが可能になります。
分かりにくいので実例を。Nastygalというソーシャルコマース系のサイトには「Gimme(欲しい!)」「Neeed(超欲しい!)」「ハート×3」とい3つのボタンが用意されています。
見た目は完全に独自のボタンですが、これが実はフェイスブックと連携しており、ボタンを押すと「イケダハヤト needs 〇〇…」という感じに、自動的にリンクが共有されます。
特別なボタンの形を取ることもあれば、ワシントンポストのソーシャルリーダーのように、読んでいるだけで自動的に情報がシェアされる設定もできます。
「Action Link」とは?
2012年5月に実装された「Action Link」は、上記のAction Verbをさらに発展させるような技術。
Action Linkは、Open Graphによって共有されたアクションに、アプリの機能にへのリンクを付加することができる技術です。
分かりにくいので実例で。こちらはfoursquareでチェックインした際のアクション。強調している部分に「Save this Place」というリンクがあることがわかります。ここをクリックすると、この場所の情報がfoursquareのお気に入りに追加されることになります。
他の例では、Fab.comで特定の商品を「お気に入り(faved)」に追加すると、自動的に「お気に入りに追加する」リンク付きのステータスがシェアされます。
端的にいえば、フェイスブックのニュースフィードと各アプリの連携が強化された、ということです。アプリのアクティブユーザー数や新規ユーザー数に影響を与える機能といえるでしょう。
自動共有はスパムにならないか?
Open Graphの導入により、アクションが頻繁にシェアされるようになれば、当然スパムのような大量投稿にも繫がってしまいます。
この点はフェイスブックも問題意識を感じていたようで、5/31に自動シェアに関しては「10秒ルール(10秒以上閲覧していたらシェア)」を実装しました(参考)。
10秒ルールによって大分スパミーな動きは減ると思いますが、今後もこの基準は微調整されていく可能性があります。
自動共有のプライバシーは?
自動共有機能は、プライバシー上の懸念も引き起こします。こっそり見ていたつもりのビデオが、実は全共有されていた、なんて悲劇は日常茶飯事になるかもしれません。
フェイスブックはこの点を配慮し、開発者向けのチェックリスト(英語)の提供や、自動共有の告知の徹底を呼びかけています。
自動共有機能を持つViddyなどは、サイト上でも分かりやすいUIを提供しています。
ログイン時にポップアップで通知。
シンプルなオン・オフ切り換え。
まだOpen Graph自体があまり使われていない状況ですから、プライバシーに関しては、これから問題が噴出する可能性があります。
アプリを認証する時は注意する必要がありますね。Viddyは親切ですが、全てのアプリがこんな説明をしてくれるわけではありません。
というわけで、Open Graphについてまとめてみました。集客力が強いため、今後導入は確実に進んでいくでしょう。特にユーザーである我々は、プライバシー設定に注意しておきたいところです。