お金のため>顧客のため、という環境の辛さ

2012/06/15
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ある起業家の方とお話しさせて頂き、「お金のために」働くことの辛さについて考えさせられました。


「金儲けに熱くなれない人」と思われてしまった

Ihayatoblog 2012 06 15 8 05 35

photo credit: Philip Taylor PT via photo pin cc

その方は、人材業界で働く中で、売上を重視することは、顧客や就職希望者にとってかえって悪い影響を与えている感覚を抱いていたようです。


これはとてもよく分かる話です。

例えば、僕は自分の仕事のミッションを「伝える価値のあるものを伝える」という言葉で設定しています。そんな僕が、生活に困ったあげく「お金のために」、「伝える価値のないもの」を仕事として支援をすることになれば、僕は自分と顧客を裏切ることになるでしょう。いくら当座のお金がもらえても、どこか気分の悪さ、後ろめたさが残ります。

その方は「本当に顧客のことを考えていたら、社内では”金儲けに熱くなれない人”と見られてしまった。」と嘆いていました。これは、読者の方々も経験したことがある人がいるかもしれません。あげく「甘いヤツだ」と言われたりしちゃうんですよね。本当は仕事に厳しいからこそ、「金儲けに熱くなれない」かもしれないのに。


お金のため>顧客のため

顧客のことを本当に考えられる方にとって、仕事の目的が「お金のため>顧客のため」であることが「当たり前」になっている環境ほど、居心地が悪いものはありません。

僕がお会いさせて頂いた方は、結局違和感を拭えず、会社を辞めて起業なさっています。


なんだか経営書みたいなことを書きますが、会社のプライオリティが「お金のため>顧客のため」に転化してしまった瞬間、会社の魅力、仕事の質、従業員の満足度は下がってしまうと僕は考えます

社内的な空気は「顧客のため>お金のため」という価値観が貫かれていて、結果的にお金「も」付いてきている、というのが理想的でしょう。

会社が大きくなるとこのバランスが崩れてしまいがちなので、組織を小さく保つことも大切だと思います(もちろん成長を続けられるのなら「顧客のため>お金のため」も貫けるでしょうけれど)。


会社の価値観が合わなくて辛い人たちは、ほとんどの場合、転職などで環境を変えるしかないのだと思います。たくさん稼いで見返してやろう!というのもありですが、会社の価値観が変わるとも限りませんし、自分をスポイルさせる危険もあります。

ケースバイケースなので安易なことも言えませんが、「お金のため>顧客のため」という価値観に苦しんでいるようなら、転職あるいは独立が現実的な回答になると僕は思います。


皆さんの仕事環境の価値観は、「お金のため」が「顧客のため」を上回っていますか?「金儲けに熱くなれない人」と思われていたりしませんか?ぜひ考えてみてください。