日立オートがルネサス再建を強く要請、「なんとしても生き残りを」

2012年 06月 14日 17:46 JST
 
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[東京 14日 ロイター] 日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)のグループ会社、日立オートモティブシステムズの大沼邦彦社長は14日の事業説明会で、業績不振に陥っている半導体大手ルネサスエレクトロニクス(6723.T: 株価, ニュース, レポート)について、「『何としても生き残れ、ちゃんとやれ』と、ルネサスの幹部に強く要求している最中だ」と述べた。

同社長は「自動車業界は60―70%をルネサス(の半導体)に頼っている」と指摘。ルネサスの問題について「日立だけではなく、日本の自動車メーカー、部品メーカー全体にとって大きな問題だ」と語った上で、昨年の東日本大震災でルネサスの主力工場が稼働を停止したため、日立を含めて自動車関連業界が事業継続の点から調達先の分散化を進めており、「今後はルネサスへの依存度が落ちる」との見通しを示した。だが、「急に他社製品には換えられない。きちんとやってもらうことをやってもらわなければならない」と話した。

日立は三菱電機(6503.T: 株価, ニュース, レポート)、NEC(6701.T: 株価, ニュース, レポート)とともに、ルネサスの設立母体で大株主。2012年3月末時点での3社の出資比率は、日立が30.6%、三菱電が25.1%、NECが3%で信託名義分32.4%を含めると35.4%となり、議決権ベースの保有比率ではNECが筆頭株主となっている。

14日付毎日新聞朝刊は、ルネサスが三菱東京UFJ銀行など主力取引先4行から計500億円規模の新規融資を受ける方向で最終調整に入ったと報じた。日立、三菱電、NECの3社が債務保証を条件に融資に応じる見通しで、これとは別に5百数十億円のコミットメントライン(融資枠)を活用して計1000億円規模の資金を確保、従業員約1万2000人削減などのリストラ費用に充てるとしている。

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