消費者庁は12日、金などの採掘権をめぐり「不適切な勧誘行為」を行っているとして、東京都や川崎市の6業者の名前を消費者安全法に基づき公表した。こうした勧誘を巡るトラブルは全国に及んでいるとみられ、同庁は注意を呼びかけている。
消費者庁が公表したのは、「ビジネスタウン」(東京都中央区)▽「中部産業」(同杉並区)▽「天然資源開発コンサルティング」(同目黒区)▽「山神鉱床」(同中央区)▽「薩州鉱山」(同港区)▽「ヤマト興産」(川崎市)。所在地は会社パンフレットなどによる。
消費者庁によると、これらの業者は実際には鉱業法上の鉱物の採掘・取得の権利を持っていないにもかかわらず、あたかもその権利があるかのように装って、「日本復興プログラム会員権(採掘権利付譲渡担保設定契約)」と称した「権利」や、「鉱物担保証券」といった「証券」を取引対象にしているという。
群馬県内の60代女性はA社(勧誘業者)から電話があり、「B社(採掘業者)は国の承認を得て金の採掘事業を行っており、1口10万円の鉱物担保証券を発行している」と購入の勧誘があった。
しばらくしてC社(買い取り業者)から「A社の販売する証券を代わりに購入してくれれば、上乗せして買い取りたい」と電話があり、パンフレットや申込書が送られてきた。女性は計160万円分の証券をA社から購入したが、その後、買い取るはずのC社と連絡を取れなくなったという。