売春:豪で実態を目の当たりにした文河泳大使

「国の威信に傷」

 外交通商部(省に相当、以下同じ)の文河泳(ムン・ハヨン)在外同胞領事大使(写真)は昨年11月、韓国人女性の売春問題についてオーストラリア政府と話し合うため、現地に急きょ派遣された。外交官歴35年の文大使は「韓国人女性の売春問題が原因でシドニーを訪れることになるとは、思いもよらなかった」と語った。在オーストラリア韓国大使館や在シドニー韓国総領事館が「オーストラリアで売春に従事する外国人女性のうち、韓国人女性の割合は約17%」と報告した直後のことだ。

 「オーストラリアで売春を行う韓国人女性の数が1000人を超えるという報告を受けて、とても驚いた。このままでは韓国の威信に傷が付き、現地の韓国人社会も崩壊する恐れがあるため、金星煥(キム・ソンファン)長官に直接報告し、オーストラリアに向かった」

 文大使がオーストラリアで把握した韓国人の売春の実態は、極めて深刻だった。韓国人が頻繁に行き交う通りには、韓国語で書かれた売春関連の広告が散らばっていた。文大使は「オーストラリアに滞在している韓国人小学生が、売春の広告を親に見せて『これは何か』と尋ねるケースもあった」と語った。

 文大使は「韓国では売春に対する大々的な取り締まりが行われるようになったため、売春を目的とする韓国人女性がオーストラリアや米国などに進出し始めた。特に、こうした女性を組織的に送り出す業者がいるのが大問題」と語った。さらに、売春目的の女性を送り出す業者の一部は「ワーキングホリデービザ」を悪用して女性を海外に送り出していることが分かっている。

 文大使は「法務部の支援を受けてオーストラリアに検事を派遣するなどの措置を取ったところ、韓国人女性の売春が減少したという報告を受けた。韓国政府だけでなく、現地の韓国人社会がこの問題の解決に積極的に取り組むことが重要」と語った。

李河遠(イ・ハウォン)記者
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