脱北者を「変節者(信念・主義・主張を変えた裏切り者)」とののしった民主統合党(以下、民主党)の林秀卿(イム・スギョン)議員に続き、脱北者を非難する発言が民主党からまたもや飛び出した。同党の崔宰誠(チェ・ジェソン)議員は7日「一部の帰属脱北者たちがゴミ情報を量産している」と語った。また、酒に酔った林議員から暴言を受けた脱北者ペク・ヨセプさんについては「捏造(ねつぞう)説」まで提起した。林議員の暴言は誤りではなく、民主党内の一部関係者の「信念」である可能性を示唆している。
■林秀卿議員の失言より脱北者いじめ
崔議員は7日、国会で記者会見を行い「従北(北朝鮮に追従する)騒動が韓国各地で広まっている。南北問題で、冷戦的な政策に同意しなければ全て従北主義、という凍土の地に韓国を追いやっている。これは韓国版の新たな魔女狩りだ」と語った。
続けて崔議員は「ペク・ヨセプ氏と林秀卿議員の争いには、工作的な臭いが強く漂っている。ペク氏の主張には過剰な部分があるといった感じがする。当の録取内容を公開すべきで、暴言騒動の現場となった居酒屋が普段出入りしていた店なのかどうかについても明らかにしなければならない」と指摘した。これは、ペクさんが意図的に林議員にアプローチし、失言を誘導したというニュアンスが込められた主張だ。
また崔議員は「ゴミ情報を量産する一部の脱北帰属者たちが、脱北者のイメージに泥を塗っている。HUMINT(人的ネットワークを通じて得た情報)が崩壊した現政権で、脱北者を対象にゴミ情報集めの仕事をしているというのは、公然の事実」と語った。
これは「脱北者は変節者」という林議員の発言と直結するものではないが、脱北者全般に対する不信感をあらわにしているという点から、同じ流れといえる。