インターンの小島香織さんが確認しに行くと、実際にポストに封筒が投げ入れられており、中には大金が入っていたのだ。
〈自由報道協会賞の賞金のために使ってください〉
ここで初めて明かすが、実はその寄付は、日隅さんからのものだったのだ。
日隅さんは、自分の名前を冠として大賞につける際、私にひとつだけ条件を出した。
「ありがとうございます。ただし、一つだけ条件があります。それは私に匿名で寄付をさせてください。そして最低3年は続けてください。その分も用意します。その賞がすべての若いジャーナリストの励みになるようなものに育ててください。それだけが条件です」
筆者は、いま「匿名条件」という日隅さんとの約束を破った。
だが、もうひとつの約束である「自由報道協会」とそのアワードを育てるという約束は必ず守る。
それが、6月12日の夜、日隅さんの安らかな顔を見ながら誓った、筆者からの追悼の言葉でもある。
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