国内原発メーカー:3社 新興国を中心に海外で事業拡大へ
毎日新聞 2012年06月14日 21時50分(最終更新 06月15日 01時28分)
東芝、三菱重工業、日立製作所の国内原発メーカー3社の原発事業計画が14日、出そろった。東京電力福島第1原発事故を受け、各社とも国内市場は縮小すると予測する。だが、新興国を中心に海外での需要は引き続き伸びが見込めると判断。安全性への配慮を高めたうえで事業規模を拡大する方針をそろって打ち出した。【高橋慶浩、大久保陽一】
「海外展開を加速させる」−−。14日に新しい計画を発表した日立の石塚達郎常務はこう強調した。
昨年3月の福島第1原発事故を機に、ドイツが20年までに全原発を停止すると決めるなど、国内外では「脱原発」の流れが拡大。世界の原発市場は一時、縮小する可能性もあった。しかし、中国やインドなど急速な経済発展が進む新興国では原発需要は引き続き拡大しており、昨年11月には国際エネルギー機関が「2030年までの22年で世界の需要は1.5倍に伸びる」との見通しを発表。各社は海外シフトを強める方針を固めた。