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石川のニュース 【6月14日03時02分更新】
南京虫、県内で再び 海外から?ホテルなど駆除依頼
病害虫防除業者でつくる県ペストコントロール協会(金沢市)によると、ここ数年で県 内の旅館やホテルからの駆除依頼が目立つようになった。南京虫に刺されると猛烈なかゆ みに襲われるため、「寝ている間に虫に刺された」という宿泊客の訴えから分かったケー スが多い。ある温泉旅館で駆除したところ、40〜50匹まとまって見つかった例もある という。 統計を取り始めた昨年度は少なくとも12件が確認され、今年5月にも金沢市内のビジ ネスホテルの一室で数匹が見つかった。昼間は布団の縫い目や家具、壁の隙間に潜んでい るため見つけることは難しいが、壁などに付いた黒いふんで確認できる。 国内の南京虫は戦後、衛生環境の向上とともに姿を消したが、6、7年前から都市部で 被害の相談が増え始めた。2010年度に東京都に寄せられた相談は245件と、10年 前と比べ17.5倍に増えている。 同協会や県によると、県内では今のところ、一般家庭からの相談や問い合わせはない。 個体によっては殺虫剤に耐性を獲得し、市販の殺虫剤では効果がない場合がある。専門業 者に頼むと数匹の駆除でも2、3万円の費用がかかる。 害虫に詳しい国立感染症研究所の渡辺護客員研究員は「米国などでも大発生している」 とし、衛生環境が悪い地域以外からも、旅行客とともに南京虫が国内に入り込む恐れがあ るとする。渡辺研究員は、移入ルートの特定は困難であり「特に観光地は大発生に注意が 必要だ」と話した。
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