九州電力玄海原発（佐賀県玄海町）から最短で８・３キロの松浦市鷹島で実施された再稼働の賛否を問う住民アンケートで、回答世帯の約８割が再稼働に反対した。１０日に調査結果を発表した住民団体「玄海原発と日本のエネルギー政策を考える会」は「原発の再稼働への不安を抱いている住民が多いことが浮き彫りになった。県などに結果を報告したい」としている。

　同会によると、鷹島の全９７５世帯を対象に５月、区長会を通じアンケート用紙を配布し、再稼働の是非など６項目を質問。７６２世帯が有効回答した。

　玄海原発再稼働は反対が７８％（５９５世帯）で、賛成は７％（５６世帯）にとどまった。自由記述の意見では、「電力会社の独占を見直し、脱原発を目指すべき」「福島の事故が起きれば鷹島には住めない。電気料金は上がっても危険な原発はいらない」「事故が起きれば（逆に）避難の必要もない」などと厳しい意見が相次いだ。

　また、九電が原発の「地元」を佐賀県と玄海町だけにしている点には８０％が「不満」と回答。地元行政と市議会の九電に対する姿勢は５２％が「不満」とした。【柳瀬成一郎】